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0726・ボス撃破と赤いバリアーの先




 厄介な雪の結晶型のボスと戦っている。

 戦闘中に二人の妙な掛け合いがあったもののスルーし、僕らは戦闘を継続中だ。

 ボスの弱点を狙わず、なるべく魔法で攻撃してダメージを蓄積させる。


 なんと言っても厄介なのが、このボス物理攻撃が効かないんだよ。

 明らかに無属性の攻撃は効いていない、何故なら攻撃がすり抜けるからだ。

 属性攻撃や【魔刃】に【闘刃】は効いているから、物理が全く駄目なわけじゃない。

 しかし、それでも物理職は大変だと思う。

 ここは運営ダンジョンだからソロだしね。


 属性もボスの弱点である火属性だと間違いなく猛反撃を受けるだろう。

 だから関係の無い属性であり、かつボスを回復させる事のない属性が必要だ。

 僕達は光結晶製の武器を持つので問題なく、セナもヌンチャクでボコボコにしている。


 ただし重結晶製のトンファーは効かないので、そっちはボスの【氷魔法】を弾く方法でしか使っていないようだ。

 そもそもこのボスは物理攻撃をしてこないので、そういう意味での防御は考える必要が無い。


 僕は【闇魔法】を使いつつ戦っているものの、もしかしたら弱点以外は耐性があるのかもしれないと感じている。

 それともスーパーアーマーなんだろうか? ボスが一向にダメージを受けた感じがしないんだ。


 普通なら後ろに少しズレたりとか、相手の魔法が止まったりとかするんだけど、何をしても関係なくこちらに魔法を放ってくる。

 もちろんキャンセルさせられるならハメ殺しが可能だから、それ対策だとは分かるけどね。

 それにしても手応えが感じられない。


 もしかしたら見えているだけで、アレが本当のボスじゃないのかも?

 なんて思って周囲を見ているんだけど、あの雪の結晶以外には何も見当たらないんだよねぇ。

 だからこそ戦い続けてるんだけど。



 「このボスなかなか厄介ですね。こちらの攻撃を無視して動いてくるので、こちらが魔法を放つタイミングがズレます」


 「そうなのよね。相手が全部無視して【氷魔法】を使ってくるから、こっちは相手の攻撃をどうにかしてからしか反撃できない。これが予想以上にイラつくわね!」


 「アータタタタタタタタ!!!」



 セナがヌンチャクを振り回して戦うも、ボスには当たっているんだが全く効いていないかのように動く。

 ダメージが与えられていると信じて戦っているけど、果たして本当に与えているのだろうか?


 このままじゃ、ジリ貧になりそうな気がしてきたな。

 何かがあるなら早めに見つけたいんだけど……。

 って、あれ? あそこの雪、減ってない?


 僕は雪が減っているような気がする場所に行くと、確かに周辺と比べて凹んでいる事が分かった。

 その凹みの中に槍を突き刺すと「ガキッ」という音がして槍の穂先が止まる。


 僕はニンマリすると雪を掘っていき、下に隠されていた物を露出させた。

 それは長方形の白い岩のような物だったので、周囲の雪を【ブラックボム】で吹き飛ばす。

 その後、武器を棒に持ち替えて全力でブッ叩いた。



 「シャァァァァァァァァァァァァ!!!!」



 【身体強化】も篭めてやったからか、一撃で白い長方形の岩を破壊。

 粉々になって空中に舞うと、そのまま雪のように消えていく。

 すると……。



 「ギェェェェェェェェェェェェェェ!?!?!?!」



 という奇怪な声がボスから聞こえた。

 その事から、これがボスにとって重要な物だと判明。

 他にもあるかもしれないので、皆にも説明して探してもらおう。



 「雪が減っている部分があるから、そこにボスに関する何かが隠されてる!! 他にもあるかもしれないから探して!! セナとセスとシグマはボスとの戦闘を継続! 皆が探す時間を稼いでほしい!」


 「リョウカイ!」 「ガン」 「カタ!」



 その後は皆でボスの周囲を含めて探索。

 その結果三つの白い岩っぽいのが見つかり、それを全て砕くとボスが黒色に変化。

 セナの攻撃で魔法がキャンセルされるようになった。

 どうやら光が弱点に変化したっぽい。


 その後は魔法や光結晶の武器でボコボコにし、ボスを撃破する事が出来た。

 やれやれ、あのままゴリ押しでも勝てたのかもしれないけど、ギミックを解いて勝つ方が良いよね。



 「皆、お疲れさまー。今回のボスは雪が減った事に気付くかどうかっていう感じだったね。あのまま押していれば勝てたかもしれないけど、今よりも遥かに時間が掛かってたと思う」


 「お疲れさまー。確かにそう、あれは早めに潰して正解だと思うわ。っていうか、あからさまにこっちの攻撃が効いてない感じだったもの。よく雪が減ってる事に気付いてくれたわよ」


 「あの雪の減少。もしかしたらですが、ラスティアが【火魔法】を使ったからかもしれませんね。それが一回だけだったから、雪の減少も少なかったのかも」


 「ああ、成る程。反撃は苛烈だけど、何回かやる事で分かりやすくなると。その場合は火属性の武器か【火魔法】が使えないと駄目だね。4つの岩も綺麗に設置されてなかったし、もしかしたら毎回バラバラな位置に配置されてたりして」


 「それは面倒ね。【火魔法】で位置を特定しなきゃいけないじゃない。でも神の試練ともなれば、その程度やってきそうな気もするわ。ボスに負けたら配置が変わってやり直し、ってさ」


 「面倒ですが、その可能性がゼロではないのが何とも言えないところです。それよりボスを討伐したからか雪が融けて無くなりましたが、ここはボスを倒すだけでしょうか?」


 「多分だけど違うんじゃない? だって赤いばりあー? とかいうのが張ってある場所があったじゃない。あの先に行く為の何かがあるでしょう。たぶん」


 「それがボスの撃破だと思ったのですが、前の場所にもスイッチとかありましたし、また今回もありそうですね」


 「コレ! ムコウニアッタ!」



 セナが僕の所に来て渡してくれたのは、雪の結晶の形をした白い石だった。

 いったいこれはなんだろう?

 何故か鑑定を使っても<鑑定不能>って出るだけなんだけど、どう考えても怪しすぎる。



 「<鑑定不能>って出てるけど、これ以外に無いみたいだし、皆も戻ってきたようだ。となると、これが先へ進む為のアイテムなんだろうね」


 「でしょうね。これを赤いばりあーってヤツに投げ込むんだと思うわよ。行ってみましょ」



 話していても仕方ないので僕達はボスルームから戻り、クリムゾントータスを避けて47階へ。

 そして赤いバリアーに対して雪の結晶の石を投げると、「バキィッ」という音と共に壊れて猛烈な吹雪を撒き散らす。


 それが治まると赤いバリアーは消え、先に進めるようになっていた。

 せめて説明が欲しかったけど、猛吹雪を味合わせる為にワザと<鑑定不能>にしたんだろうか?



 「何と言いますか、先程の猛吹雪は罠だったような気がします。ワザと<鑑定不能>なんて状態にしておいて、私達が猛吹雪に巻き込まれた事を何処かで見て笑っているような……」


 「ここまで来て、神の性格が結構悪い事は分かっているものね。その可能性は十分にあると思うわ。このまま居ても腹が立つだけだし、さっさと先に進みましょう」



 そのラスティアの一言で、僕達は先に進む事にした。


 階段を下りて48階。

 そこは溶岩が近くを流れている……というか、おそらく溶岩の川を跳び越えなきゃいけない感じだ。

 幾らなんでも溶岩が近すぎる。



 「これは………あの溶岩の川を跳び越えろと言う気ですか? 神はいったい何をお考えなのか」


 「勇気を出せって事なんでしょうけど、下が溶岩って勇気を超えて蛮勇な気がするけどね?」


 「これは予想外だったなぁ……」



 <ドラ○エⅢ>か<カリ○ンの剣>で考えていたら、まさかの<リ○クの冒険>でした。

 これってラスダンである<デス・マウ○テン>に行く前の、溶岩の上をギリジャンで跳び越えるアレだよね?


 <J○MP>の魔法を使えば簡単に跳び越えられるんだけど、普通のジャンプ力ならギリジャンになるヤツ。

 ここは<レトロワールド>だけどさ、普通VRにコレを持ってくるかな?

 あの運営はいったい何を考えているんだろう?


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