0725・運営ダンジョン49階ボス
物作りも終わり、これで使っていない新しい素材は<深紅亀の皮>だけとなる。
とはいえラスティアの分でもキャスティ分でも五月蝿い可能性が高いので、僕は敢えてセナの分を作る事にした。
そもそもだけど、今のライダースーツだって<ウェルズベアー・エリート>の皮を使っているので、相当に良い物の筈なんだよね。
それ以上の物が出来るとは思うけど、どこまでかは予想が難しい。
かなり高レベルな魔物の皮だから、実際に作ってみるのが一番早い。
なので作製したんだけど、結果にちょっと驚く。
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<服> 深紅亀の皮のライダースーツ 品質:10 レア度:8 耐久1390
クリムゾントータスの皮で作られた女性用のライダースーツ。ピッチリしているが、個々人の胸やヒップに合わせて作られており、そこまで圧迫感は無い。錬金術師が魔力を流しながら加工した一品であり、魔力抵抗を残したまま変えられるのは錬金術師か皮革師のみである
防御力36 魔法防御力38 火耐性(大) 耐暑(大)
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「うわぁ……これ、マジかー。ちょっと色々とシャレにならないなぁ……」
本当に驚くしかない結果になった。
そして同時に、この皮と甲羅を使って新たな装備を大量に作る必要がある。
とはいえ、先に攻略して初回特典を手に入れておきたいね。
今まで散々手に入れて来たんだし、今さら誰かに渡すのも腹立たしい。
とりあえず作り終わったライダースーツを持って訓練場に行き、セナに手渡しておく。
着ていたライダースーツは倉庫に入れておくように言ったから、明日の朝にでもゴミ箱に入れて消そう。
外に出す気は無いし。
とりあえず物作りが終わった僕は、ラスティアとキャスティの部屋をノックして呼び出す事を伝える。
ボードには中に居るというマークである○の札が掛かっていたからね。
ちなみに不在時は×だ。
ソファーの部屋に移動して二人を召喚。
少し皆と話すと昼食が出来たので移動。
その席で皆にネックレスが出来たと説明した。
「ネックレス一つで10万デルもするから困るだろうけど、とりあえずモンスター以外の分は出来てる。そこはどれだけ買うか分からないからまだ作ってない」
「とりあえず【耐暑(中)】で大丈夫か聞いてからね。それで大丈夫なら良いんだけど、無理そうではあるから少しずつ買う感じかしら。モンスターと私達で耐えられる暑さが違うみたいだし」
「スライムは強そうだけど猫と羊は弱いと思う。特に羊は暑い場所に弱い。耐暑装備があっても連れて行かない方がいいし、火属性にも弱そう」
「それは確かにそうですね。毛が焼けそうですし、火達磨になったりしませんか?」
「なるでしょうね。メイは連れて行くのを止めた方が良いかな。とにかく46階以降は早めに突破するわ。コトブキみたいに戦える訳じゃないし、そこまで耐暑装備も買えないしね」
「細工用の宝石とか色々と買いすぎなんだと思うよ? もう少し減らしたら?」
「それを言われてもねえ。腕を上げる為には何度も作るしかないし、その為には素材が居るのよ。そこはどうしようも無いわ」
なので【耐暑(中)】の装備を作る事になった。
そこまで難しい物でもないし、赤魔鉄に必要な素材は持っているらしいので、それをプレイヤーマーケットに流してもらう。
昼食後はマイルームに戻り、皆に優先を付けてネックレスを流す。
そしてトモエが売り出した火精石を購入し、赤魔鉄のネックレスにして流した。
それぞれの支配モンスターの首に合わせたので大きさは問題無い。
それが終わったらすぐにログアウトし、現実へと戻ったら昼食作りを始める。
ちょうど出来上がった頃にシズが下りて来たので昼食にし、終わったら片付けと雑事を終わらせてログイン。
今度は運営ダンジョンだけど、何故かラスティアとキャスティは訓練場に居た。
セナの身に着けているライダースーツを確認しているらしい。
「ああ、コトブキ。来ましたか。何故セナがクリムゾントータスの皮のライダースーツを着ているかは分かります。一つを作る皮しかなかったからでしょう。しかし……なかなかの防御力と効果ですね?」
「そうなんだよ。まさか【耐暑(大)】だけじゃなく【火耐性(大)】まで持つとは思わなかったし、完全に予想外だった。効果としてはアクセサリーより低いだろうけど、それでも服でこれは大きいと思う」
「でしょうね。正直に言って早めに欲しくなってくるわ。今日はクリムゾントータスを狩りに行くんでしょうし、今日の狩りで作れるようになるでしょ」
「残念。今日は攻略に切り替えます。なのでクリムゾントータス狩りは明日か明後日ね。結局のところ狩り自体はするから安心してよ」
「まあ、それならいいけど……何かあるの?」
「運営ダンジョンは初回クリア者のみ特典としてスキルが貰えるからね。前回貰ったのは微妙で使えなかったけど、今回はどうかは分からないからさ。出来れば欲しいんだよ」
「そういえば、そんなのありましたね。瀕死になるのに一度だけ力が多少上がるスキル。神も何を考えているのかと首を傾げましたが、今度は良いスキルだといいですね」
「とりあえず、そういう事だから。そろそろ出発するよ」
そう言って僕は運営ダンジョンへと移動。
そして溶岩地帯に突入するも、全く暑さを感じない事に驚く。
「やっぱり【耐暑(大)】の効果は大きいね。まさか暑さを感じないとは思わなかったよ。今の内に一気に進んでしまうべきだと思う」
「そうですね。何度も進むのは面倒ですし、とりあえず先に終わらせてしまいましょう。それにしても暑さを感じないって楽です」
「本当にそうね。今まで暑かったんだという事が改めて分かるわ」
僕達は快適とは言わないものの、暑さを感じないままに進んで行く。
一気に走っていきクリムゾントータスのいる48階。
亀を避けて先へと進み、階段があったので下りていく。
すると、そこは一面雪の世界であり、溶岩地帯では無くなっていた。
しかも雪の結晶のようなボスが空中に浮いており、僕達が戦闘態勢をとる前に魔法を飛ばしてくる。
「皆、あれがボスみたいだ! 散開してボスの攻撃をなるべくかわせ! それとラスティアは【火魔法】を頼む」
「了解」
僕は指示を出しつつボスを確認。
雪の結晶みたいな姿のボスだけど、これって間違いなく中ボスだよね。
ここ50階じゃないし、赤いバリアーの先には進めてないんだ。
これで終わりはあり得ない。
皆は散開しつつ【フリーズスプラッシュ】や【アイスジャベリン】をかわしていく。
問題は【アイスショット】だ。
あれが飛んでくると非常に厄介な事になる。
そう思ったタイミングでラスティアの【レッドボム】が飛び、それを受けたボスがラスティアに【アイスショット】を連射してきた。
それをキャスティが盾で防いでくれたものの、そうじゃなかったらヤバかったよ。
「ラスティア、【火魔法】は無しで! もしかしたら弱点を狙うと猛反撃をしてくるボスかもしれない。こういうのは時間が掛かってもいいから弱点は狙わずに勝とう。危険すぎる!」
「了解! キャスティ、大丈夫?」
「大丈夫、問題ありませんよ。それよりラスティアは大丈夫ですか?」
「ええ、私は大丈夫よ。キャスティが防いでくれたからね! 御蔭で助かったわ。だから今日の夜は期待してちょうだい!」
「それはまた、やる気になる言葉をありがとうございます。期待していますよ」
「ええ、私がたっぷり愛してあげるわ!」
今やってるのはボス戦なんだけどね。二人は何をやってるんだろうか?
僕と目線が合ったセスは、両手を左右に広げて「やれやれ……」ってしてるよ。




