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0722・雑談と瘴気耐性について




 恋人になった事への説明は終わったけど、別の用件がまだ残っていた。

 なので僕はその事を話しておく。



 「既に時間が時間だから運営ダンジョンには行けないけど、<深紅亀の甲羅のネックレス>はそれで大丈夫そう? 一応は【耐暑(大)】が付いてるんだけど」


 「十分よ。これがあれば普通に溶岩地帯も突破できるでしょうね。とはいえ……クリムゾントータスを普通に倒してくるとは思わなかったわ。よくアレを倒そうと思ったものよ」


 「本当に。アレはなかなかに厄介でレベルの高い魔物ですよ? かつての私達なら簡単でしたけど、今のレベルでよく戦おうと思うものです。流石はコトブキとしか言えませんね」


 「二匹倒して甲羅が二個に皮が一枚手に入ってる。少なくとも一つはライダースーツが作れるけど、どうしよう? ラスティアが先かキャスティが先か」


 「キャスティで」 「ラスティアが先でお願いします」


 「二人とも同時に答えたわね。しかもお互いをわざわざ言い合うってどういう事かしら?」


 「きっと恋人同士だから、相手に先に着せてじっくり見たいだけ。ライダースーツはピッチリするから視姦したいのは分かる」


 「「………」」


 「それが冗談じゃないところが、もう、アレ過ぎると思うよ。黙ったのが答えだけど、君達の頭は色々と茹だってないか? 一度冷静になった方がいいと思う。でないと、どこかで絶対に失敗するだろう」


 「だろうねー。ちょっと隙が出来てて色々と危険かなー? このままだと派手に失敗しそうな気がするー」


 「私もそう思います。そういう時ほど気を引き締めた方が良いですよ。不意の何かで重大な失敗とかしかねませんしね。この後は食事だけで済みますけど、素材集めの時は気をつけた方がいいでしょう」


 「ここ最近は運営ダンジョンだから見られる心配なんかは無いと思うけど、この先はどうなるか分からないしね。色々と用心する事に越した事は無いと思う」



 そう言って話を終え、僕はソファーの部屋に移動して三人を呼び出す。

 ファルに夕食の手伝いを頼んだら、皆もソファーの部屋にやってきた。

 ちょっといつもと違うけど、たぶん大丈夫でしょ。


 僕達が適当な雑談をしているとファルが呼びに来たので食堂へ。

 今日の夕食は<赤美味豚>のローストポークだった。

 じっくり火を通した肉はそれだけで美味しそうだ。



 「今日も<赤美味豚>は美味しそうね。このお肉があるだけで食事が楽しみになるわ」


 「ですね。贅沢をしているという気になりますし、稀人と関わりがないと食べられません。ありがたい事ですね、好きなだけ食べられるのは」


 「だねー。これは望んだって手に入らなかった筈のものだしー」


 「確かにそうだね。天然のものは獲れないし、もしそんな事をすれば天使でなくなってしまうよ。大天使様が激怒されて終わりだ。まあ、そもそも天然には手を出さないけどね」


 「運営ダンジョンなら幾ら獲っても怒られない。コトブキ、私も【耐暑(大)】のネックレスが欲しい。甲羅が余ってると言ってたから売って」


 「あ、それボクの分もねー。流石にあの暑いのは出来るだけ遠慮したいからさー」


 「まあ、普通に溶岩地帯だもんね。とはいえ私は困るのよねー。コトブキやアマロと違って、ウチの子は暑さをモロに受けるから」


 「お金貯めて買ってよ。どれぐらいになるかは知らないけど。ただし小さい仲間用のはそんなに大きくなくて良いんじゃないかな?」


 「オーガのネックレスが大きくなりそうだけど、そこは諦めるしかないわね。一応ある程度の仲間達には来てもらわないと困るし、そうじゃないと突破できないと思うのよ」


 「その分アンデッドは【火属性】に弱いんだよね。召喚モンスターだからか【浄化属性】には弱くなくて何よりだけどさ」


 「そうですね。【火属性】だけは盾を含めて何とかしてもらっている有様です。完全な弱点という程に酷くはありませんけど、思っている以上にダメージを受けるんですよ」


 「【火属性】に耐性のある装備を付けるしかないの。後は【瘴気属性】にも弱いから、それへの対策も重要になる」


 「「「「「【瘴気属性】?」」」」」


 「瘴気を使った攻撃というのは結構あってな、それらを総称して【瘴気属性攻撃】と妾は呼んでおるのよ。その最大がドラゴンゾンビやスケルトンドラゴンの瘴気ブレスじゃな。瘴気耐性を最大まで上げておれば、召喚モンスターはやられるだけで済む」


 「つまり瘴気耐性のある装備を作って、仲間達に着けさせろという事ですね?」


 「そうだ。そうせねば瘴気で汚染されるぞ? 強力なアンデッドは多量の瘴気を使って攻撃してくるからの。気を付ける必要がある」


 「分かりました」



 瘴気耐性っていうのを見た事が無いが、どこかにはあるんだろうね。

 それを見つけていく事もネクロマンサーには重要な事か。

 とりあえず食事も終わったのでマイルームへと戻ろう。


 僕はソファーの部屋へと戻り、そこからマイルームへ。

 すぐに皆を召喚したら、後は自由にさせる。

 僕はさっさと自分の部屋に戻ってログアウト。

 現実へと戻った。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 雑事を終わらせ夕食の準備を整える。

 家族が揃ったら料理を始め、出来たら夕食を開始。

 食事後は片付けをしてから、最後にお風呂に入る。

 温まってから上がると、ちょうど椿がやってきた。


 僕が玄関に迎えに出て入れると、椿はすぐに抱きついてきて驚く。

 何かあったのかと思うも、特に何も無く抱きついただけの模様。

 ちょっと呆れつつも、椿を連れて部屋へと移動。


 ベッドに座った椿は急に話し掛けてきた。



 「今はログアウトしているから居ないし、向こうであの二人もヤりまくってる?」


 「さあ? そもそも二人はサブ職業のレベルを上げてたりするし、そういう意味では溺れてる感じはないけどね? いつ二人が恋人になったのかは知らないけど、それからも普通にレベルアップをしているところを見るに……」


 「そこまで回数は多くない? それともヤった分だけ必死に努力してる? バレない為に」


 「ああ、僕に勘付かれない為に頑張ってた可能性はあるかも。そういう部分も含めてだけど、態度の方は全く分からなかったから、あっちは完璧に隠せてたんじゃないかな?」


 「そういえば何故タマは二人がそうだと分かった?」


 「ラスティアの部屋の扉をノックしたら、慌てて出てきたんだよ。ブランケットで隠しただけの姿で。キャスティもシーツを纏ってるだけだったから、どう考えてもそういう状況だよね?」


 「むう……際どいところまで見た?」


 「見てないよ。そもそも12歳以上のゲームで、そういうのは無いと思う。あったら問題だしね」


 「うん、確かにそう。とはいえ二人が幸せそうで良かった。そして私も今から幸せになる」



 その言葉に対してはツッコミ辛いから僕は何も言わないよ。

 努力はするけどね。


 …

 ……

 ………


 「ふぅ、少し休憩。タマの家だと声を出せないけど、それはそれでイイ」


 「何に嵌まってるんだろうね、このお嬢さんは? おかしな事を始めたりしないでよ。っと、コレ」


 「ありがと」



 僕が水のペットボトルを渡すと、椿は水分補給を始めた。

 なかなかに頑張ったけど、これはまだ満足してないね。

 今夜も長そうだ。


 そんな事を考えていると、イルはベッドから下りて立ち上がり、少し体を伸ばし始めた。

 どうやら体をリラックスさせようとしているらしい。

 色々なところに力が入ってたりしたからね。


 僕が見ていると、急に振り返った椿がベッドに戻ってきて抱きついてきた。



 「私をジッと見てたから、こうなってる?」


 「確認するって事はワザとしてたね? 彼女があんな姿をしてたんだから、そうなるのは当然だと思うよ?」


 「ん、ならいい。そうなるなら体を伸ばしながら見せ付けた甲斐がある。じゃあ、そろそろ続き」



 相変わらず積極的だけど、どうもそれだけじゃないね?

 何かを狙ってる気がするけど、おかしな事じゃないのは確かだ。

 椿は何を考えてるんだろうか?


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