0703・運営ダンジョン46階・溶岩地帯の壁
ボスは倒せたものの、誰もレベルが上がらないとは思わなかった。
何がしかのレベルアップはあってもいいと思うんだけど、そんな事も無いらしい。
少々ガッカリしながらも、僕達は開いた扉から先へと進む。
階段を下りて魔法陣に立つと、46階が登録された。これでいつでも飛んでくる事が出来る。
少しだけ46階を覗いてみると、聞いていた通りに溶岩地帯だった。
物凄く暑そうなのが見ているだけで分かり、入っていないのに汗が噴き出してきそうだ。
僕達は少しだけ感じを確かめる為に、防寒具を脱いでから46階へと入った。
そこは肌を焼くような暑さの中で、正直に言って暑いより熱いの方が正しいかもしれない。
完全にサウナの中だよ。
でも熱すぎて整わないと思う。
実際にサウナの中みたいだけど、アレは動かないから耐えられるのであって、ここはモンスターが普通に出てくる戦場なんだよね。
古い時代の西洋の戦じゃないけど、熱中症で死なないか心配になるレベルだ。
いや、それを遥かに超えてるかな? ここまで暑い中で西洋の甲冑騎士が戦う事も無いだろうし。
「あっついわねえ……。なんで寒い氷の地形の後に、この溶岩地帯なのよ。遠くに溶岩の川があるとか、頭がおかしいんじゃないかと思うわ。本当」
「暑いですね。次はこの中を進んで行かなくてはいけないのですか? 流石に【耐暑】が付いた装備が必要ですよ。それが無ければ先に進めません。熱さにやられて死んでしまいます」
「【耐暑】付きは赤魔鉄だけど、赤魔鉄を作るには暗闇ダンジョンの40階に行って火精石を採ってこないと駄目だ。それまでは攻略不能だけど、どこか掘れるところがないか探そう」
「えー……この中を? その辺に落ちてるんじゃないの? 駄目なら暗闇ダンジョンに行けばいいじゃない」
「いや、暗闇ダンジョンに行かないと駄目な風には作られていないと思うんだよね、このダンジョンってさ。となると………成る程、後ろか」
46階に入って周りを見渡せば、後ろは岩壁だった。
そのうえ採掘ポイントが見えているので、僕達は急いで掘り始める。
採掘や伐採などの道具は持ちっぱなしだからね、いつでも可能だ。
シグマ達もガンガン掘っていると、上から鳥が襲ってきた。
セナやドースにフォグなど、周りを警戒していてくれた仲間が牽制してくれたけど、鳥は再び上空に上がって旋回する。
今だにこっちを狙ってるんだろうけど、掘っている途中で止めて僕も手伝おうか。
鳥が再び急降下の姿勢に入ったので、僕は生命力を使った【セイントバインド】を使用。
しかし鳥の方が速いのか、すり抜けられてしまった。
ドースが【ワールウィンド】を使って吹き上げたので事無きを得たけど、またもや上で旋回してるよ。
あれはどうするべきだろうなと思っていたら、再び降りて来た鳥に対して、ラスティアが【ファイアウォール】を放つ。
何故それをと思ったけど、鳥は羽がやられたのか落ちてきた。
………溶岩地帯なのに、何故火属性が効くのかサッパリ分からない。
「溶岩地帯って言ったところで、鳥は上空を飛んでるし羽根は薄くて柔らかいものよ? 簡単に燃えるに決まってるじゃない。地面に居るヤツならともかく、飛んでいるのはねえ……」
言われれば納得はするけど、ゲーム的にはどうなんだろう?
むしろワザとそういう形にしてあるのかな?
火耐性を持ってそうなモンスターが持ってないとか。
採掘が終わったら次のポイントへ移動し、再び採掘を行う。
実は僕が思った通り火精石は採掘出来ていて、ある程度の数は確保できている。
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<石> 火精石 品質:5 レア度:3
火の魔力が篭もった特殊な石。魔力金属と溶かし合わせれば赤の魔力金属に出来る素材の一つ。沢山必要になるので頑張って掘ろう
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とはいえ見ての通りに品質が良くない。
最高でも5しか出ていないので、数を集めて後で品質を引き上げておきたいところだ。
それでもおそらく【耐暑(中)】にしかならないが、品質は上げておいて悪い事は無い筈。
「そうです、ね! 少しでも品質が高い方が効果は上でしょ、う! そもそも一口に小だ中だと言っても差はあり、必ずしも同じではありません! からね」
「掘りながら話すから会話に変な気合いが入るんじゃない。掘る時はしっかり掘りなさいよ。それはともかく、品質が上ならそれだけ大きく防いでくれるから、出来るだけ高品質の物が欲しいわね」
「その為には数が多く必要ですから、何度か来る必要がありますかね? ……いえ、セナ達は熱さの影響を受けないので大丈夫でしょう」
そういえばそうか。
とはいえアンデッドが【火属性】を受けるのはキツいので、赤魔銀の方は必要かな?
あっちなら耐性を持たせられるだろうし、魔隠穴に行っているから銀は余ってるんだよね。
あそこ結構出るから。
装備として売り出すのは魔鉄だから銀そのものは余らせたままで、使い道が無く微妙に困ってたんだよ。
腕輪か何かにして皆に耐性を持たせようかな。それなら使い道はありそう。
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使い魔:ラスティアの【火魔法・下級】のレベルが規定に達しました
【火魔法・下級】に【レッドボム】が追加されます
使い魔:ラスティアの【水魔法・下級】のレベルが規定に達しました
【水魔法・下級】に【ブルーボム】が追加されます
使い魔:キャスティの【木魔法・下級】のレベルが規定に達しました
【木魔法・下級】に【スネアトラップ】が追加されます
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おっと、ボス馬でそれなりに上がってたのか、ギリギリで習得できたね。
しかし新しい【木魔法】は【スネアトラップ】かー……。
即座に使えて引っ掛ける事が出来るなら、魔法としては厄介だね。
こっちが使えるという事は相手だって使えるって事だし、それは使われるって事だ。
厄介とはいえ対処せざるを得ないんだけど、そこまで使ってくる相手も多くはないだろう。
実際にエルフとの戦争の時も使ってこなかったし。
あの呪われた武器と【スネアトラップ】を使われたら厄介どころの話じゃないんだけど、何か理由でもあるのか使ってこなかったんだよね。
もしかしたら使わないように設定されてただけかもしれないけど、それでも使ってくる相手がそこまで多いとは思えない。
使い方によっては有用なんだけどさ。
「【スネアトラップ】ってまた、地味に面倒臭い魔法を習得したわねえ。魔力の消費の割には効果がアレな魔法だから、上手く使わないと魔力の無駄になるわよ?」
「ですので使って転倒させたら、さっさとウォーハンマーで潰します。それなら使う価値は十分にありますからね。それに戦闘中に転倒するって相当に危険ですから」
「そりゃねえ。況して草で作った普通のスネアトラップよりも遥かに頑丈でしょ? 場合によれば大型の魔物すら引っ掛けられるでしょうし、優秀なのは優秀なのよ。その魔法」
「それより46階の入り口で立ちっぱなしもおかしいから、さっさと帰ろうか? 汚れも落とさなきゃならないしさ」
「帰ったら川で水浴びね。マイルームの川って魚は居てもモンスターが居ないから助かるのよ。そこまで深くもないし」
「ええ。たまに水浴びをしていますが、あそこは温かい場所ですし、水もちょうど良い水温ですから助かります」
「そんな事をしてたんだ……。僕達プレイヤーは【クリーン】で綺麗にするくらいかな。その程度で済むんだけど、二人はそうもいかないんだね」
そういう設定だと大変だ。
僕達プレイヤーの体はそういう風には出来てないけど、NPCとかだと一応汚れとか付くのかな?




