ああいえばショーコー
1月4日 僕は思ったより緊張していた。八波に会うことがこんなにも緊張するとは、と自分でも驚いた。金を盗んだ時もこんなに緊張しなかったのにとも思う。
つまり、自分は犯罪者に向いてるなと確信する。
これから、自分のする事は何の犯罪か知らなかったし、というか犯罪に当たるのかも分からない。
まぁ立ちションで犯罪だからな。
いずれにせよ、そんなことは成功してから考えるべきだと考え、約束の時間迄まだ時間があるので、もう一眠りすることにした。
「久しぶり荒切」声がかすかに上ずる。
「相談なんてどうしたの?」
「お前、宗教に興味あるか?」悩んだ末、最初から本題に行くことにした。
「ないよ」声が明らかに冷たくなった。そりゃそうだわなと1人で納得しながら話を続ける。
「いや、別に大きい作るさんのとこに誘ってる訳じゃないんだ。」
「なら、どこだよ」まだ声は冷たい
「俺の創った宗教に」
「お前の?」
「そう、俺が3日前に創った」
「いい加減にしろ」
「もう俺は帰るなんて言わせねーぜ」場を和ませる為に少し皮肉る。
「言ってくれて有難う。手間が省けたぜ」と言って席を八波は立った。
「おい、その方が字数長いぞ。まぁ少し話を聞け。」
「めんどくせーな」と言いつつも声は先程より明らかに明るくなった。
「まず俺が教祖だ。」
「ショーコー」
「選挙に出るつもりはない。俺のちょっとしたマジックと話術で、信者の心を掴む」
「ああ言えば天照」
「強引だぞ。そしてお前の整体で信者は俺の話を信じる」
「信じる?」
「はず。って言わせるな」
「最終的目標は?信者に自分の言葉をオウム返しさせるとか?」
「ただ言いたいだけだろ」
「ひ、光の輪が見えます。松本ーーーーー」
「流石に意味不明だ、ただの単語の羅列にしかなっていない。最終目標はお金を稼ぐことだ。
俺5割、お前3割、後適当にクラスのやつを集めよう。」
「なんか、楽しそうだな。」目が輝く。それを見た、俺は密かにガッツポーズをする。
「良し。明日適当にクラスのやつを呼ぶでいいな。」
「おお」
「最後に教団名はアマテラス会だ。明日今日と同じ場所同じ時間で」
「了解」
天照は家に帰ってからどっと疲れが出た。
だから、あいつとは長時間居たくないと思うが、此の際しょうがない。
そして、仲の良いやつ何人かにメールすると、みんな同じ返信が返ってくる。
荒切に聞きました。と。
やる気満々だな、と少し嬉しく思い目を閉じた。
夢は見なかった。
1月5日朝起きると、なぜかもう2時だった。一瞬驚いたが、直ぐに二度寝してしまった事に気が付いた。
直ぐに着替え、ご飯を食べて、顔を洗う。そして自転車に乗り、昨日行ったマックに行く。
マックに着いた時は3時1分過ぎだった。
急いでクラスメイトがいる、席を探そうとすると、探す前に視界に飛び込んで来た。
「教祖」とか「神よ」などという言葉が聞こえ、思わず八波を振り替える。するとニヤついている八波と目線が合うが、ぐっと堪える。そして、集まった人数を数える。するとなんと14人いることが分かり、嬉しいと言えば嬉しいが、金はどうするか、不安に思う。
「えー、アマテラス会教祖の天照です。」やいやいと騒つく。すると、後ろから「幹部の荒切八波です。」「幹部候補生の有馬光です。」候補というか、入信すら、していないだろう。と心の中で突っ込むと、「6組の小田切太一です。」との声が聞こえる。
自己紹介じゃないぞと、またもや心の中で突っ込むが、本当に小田切太一という名前を知らなくて、少し焦った。
「僕の主催するアマテラス会に入信してくれる人」全員が手を挙げる。
「もう、自称幹部の方から聞いてると、思いますが、この会の目的は、勿論、神に救いを求めるわけでも、愛を求めるわけでもない。金を儲けるためです。」歓声が起きる。
「でも、この会の表向きの、目的または理念は、人生の悩みなどを私、が解決するというものです。僕達のモットーは汚くない金などないです。ついでに表向きのモットーは金も、人間界も、死後の国に持ってはいけないが、愛だけは持ってはいける。あ、あと神は私自身。つまり、生き神という、設定で行きますので、よろしく。最後金は俺は4割、整体をしてくれる、八波は2割、他は山分けということで。」
皆、意気揚々と、店を出ていってるのを見て、少し安心した。ただ最後の発言をした後の、八波の表情が少し不安だった。
1月6日 僕は今、教団のキャツチコピーを考えている。
取り敢えず、書き出してみると、「新しき世界へ」普通過ぎて、ボツ。「神はいる。ここに。」怪しすぎるので、ボツ。「これを見た貴方は幸せになります。」理由なんていらずに、ボツ「貴方のちょっぴりの勇気で人生が変わります。」いじめられっこばっかきそうなので、これもボツ。「神はいる。ただ、心から信じている人にしか見えないだけだ。」これにしよう。そう決めると直ぐに会員に送る。会員の反応も上々なので、正式に決めた。
そして、コンピューターを取り出し、wordを開く。宣伝広告を作るのだ。その名は「正教新聞」にしようと、思ったが、さすがにどこかの池と田が訴えてくるかもしれないので、「天声新聞」にした。まぁこれもパクりだが。徹夜で作り、会員にメールで送り、1人100枚ずつ配るようにと書き添える。そして、自分も寝る。今日は不思議な夢を見た。だが内容はあまり覚えていなかった。




