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BACKUP≠UNDEAD  作者: しすは


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4/8

最後のロック

「アタシが囮になるよ。」


 そう聞こえた。いや言ったんだ。


「琴音さ――」


「いいんだ。人生最後のロックをアタシはやりたいんだ。前に言ってた事、悪いけどアタシは待てない。」


 その目には決意と希望が満ちあふれていた。


「俺も残る。最後の演奏するなら誰かが守らなきゃだろ?最後の観客は俺だ。」


 そう言ったのはヤンキーの友哉だった。


「で、でも…」


「いいんだよ。お前らはとっとと逃げときゃいいんだよ。康誠、バット借りるぞ。」


「……あぁ、絶対に返しに来いよ。」


 こんな展開、『バックアップ』で見てない。なのに…なのにこの二人のことを、俺は信じられる。

 琴音さん達が廊下側で囮になる間に、非常用階段で降りて、車に乗り込んで逃げる。車は前におじさんの人形が乗った車。


「やるのは夜だ。その時間はゾンビ共の行動範囲が広がる。だから集まりやすくなる。アタシの演奏の時間だ。」


 俺たちは琴音さん達と別れた。



「…なぁ、アンタ。なんで残ったんだ?」

「あ?残ったのは、…かわいい女を一人にできないから…」

「あははアタシが好きでてこと?」

「なんかへんかよ。」

「いや面白いなって」

「じゃあやろう。」


楽器を持ち廊下で、演奏を始めた


 琴音たちの歌声と音楽が聞こえてきた。ゾンビ共がその曲に引き寄せられている。

 その演奏は見事なものだった。友哉はゾンビ共を蹴散らしている。

 だからこそ、俺たちは車に急いだ。



 康誠たちの車にエンジンがかかった。


「なぁ…友哉。アタシの最後のロックどうだった?」


「最高だったぜ。…」


 アタシらはボロボロだった。ゾンビ共に噛まれちまってる。


「なぁ…これ使うか?」


 ライター、そしてここは家庭科室の前。ガスはつけっぱにしといた。


「ロックの最後は爆発か。」


 私は友哉と手をつなぎ、ライターに火をつけた。



 爆発音が周りに鳴り響いた。


「え…」


 琴音さん達のいた階が、爆発で燃えている。


「琴音さん…友哉。」




「―タシの最後のロックは――」



 ボロボロのギターを持ちながら最後まで弾き続けた。

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