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《絶望》の鎧/《超越》-エクシード- 1

「ハッハァ!いいぞォ、もっと苦しめ!これは”罰”なんだからなァ!」

「ストルツ!アンタって男は!」

マジードラッヘと合体したエスペランザ、マジードエスペランザはストルツの操るフレームゴーレムに襲われていた。エスペランザに似た身体をし、背中にはヴァリエンデの翼と剣に似た装備を、そして肩にはソムニュームの砲台に似た様な砲台を装備したフレームゴーレム、デスペラシオン。人によっては禍々しいと思ってしまうソレが、次の目的地を目指していたサクヤ達を突然襲ってきたのだ。ソレを操る者がストルツと分かった時にリーナは操縦を変わり、マジードエスペランザへと合体し交戦をしていたが、一方的に蹂躙されるだけだったのだ。

デスペラシオンは全てにおいてマジードエスペランザを上回っていた。圧倒的な攻撃力。圧倒的な防御力。圧倒的なスピード。ヴァリエンデ、ソムニュームの特徴を無理矢理エスペランザへ統合した様な歪さがありながらも、それが故にエスペランザを超えた存在となっていたのだ。

仰向けに倒されたエスペランザをデスペラシオンが痛めつけてくる状況に、「このままでは負ける。いや、もう既に敗けている」とリーナは思った。ストルツはトドメを刺せる状況だったとしても意図的にトドメを刺さず、エスペランザを嬲っている。倒せる敵を倒さずに一方的に苦しませるのは圧倒的な余裕と実力のある強者にしか出来ない行いだ。それをリーナは分かっていたからだ。

「殺すのは簡単だ。だが、私をコケにしたお前には、死よりも重い苦しみを味わい続けてもらわねばな!」


カグヤとの一件から数日、シャル達はいつもの様に旅を続けていた。目指す目的地はディナルドに渡るための港。その港を目指し今日も旅を続けていたのだ。その道中の事である。トロンが自分達の進行方向で何かが起こっている事を確認した。

「フレームゴーレムが二体、戦闘している様です」

「オイ、あの押されてるのってサクヤの、確かエスペランザってのじゃないか!?」

「エスペランザって、なんでここに?」

「エスペランザ、確かシャルが話してた」

「とにかく、エスペランザを、サクヤを助けよう!ウォード、エムリ、私の言う通りに動いて!」

「あぁ!」


ストルツはデスペラシオンの(つるぎ)でマジードエスペランザの脚部を、そしてさらに腕を斬り落とした上で、コックピットのすぐそばを貫く。それでもリーナは諦めず、胸にあるマジードラッヘの頭部から火炎攻撃をしようとしたものの、それすらも簡単に捻り潰されてしまったのだ。

もうエスペランザに、リーナ達に残された手は無い。文字通り手も足も出ない状況だ。例えここで機体を放棄して逃げようとしても、どのみち危険な事には変わりはない。これからどうなってしまうのか、リーナ達は息を呑んだ。

その時の事である。エスペランザから見て右側の方から突如神獣王が高速で接近する。謎のフレームゴーレムの接近、それが来る警報はストルツに水を差すものであった。

「こんな時に、邪魔を!」

ストルツがデスペラシオンの方向を変え、即座で砲台を発射しようとしたその時、神獣王は分離し、デスペラシオンの目を遮る様に通過していくのだった。

「なっ!」

ストルツが神獣王の分離に気を取られたその時、神獣王の来た方向から砲撃が飛んでくる。ソムニュームの攻撃だ。ソムニュームの砲台と左右計10本の指から発射された砲撃が直撃したデスペラシオンを軽々と吹き飛ばしてしまうのだった。

「何が・・・」

突然起きた光景にリーナ達は困惑をした。すると、更にもう1機フレームゴーレムが現れる。シャルの操るソムニュームである。

「その方、エスペランザ、アツタ・サクヤで間違いないな!」

「その声、シャルか!」

「サクヤ、今すぐここから逃げるよ!エムリ、お願い!」

そう言うと、シャルはエムリアーナの神獣王と共に、ボロボロになったエスペランザを担ぎその場から即時撤退をするのであった。

ストルツは逃げるエスペランザを追おうとすぐに立ち上がろうとしたが、突然機体が動かなくなり追う事が出来なくなってしまう。

「出力が!クソッ、炉が落ちたか!クラウンの奴、欠陥品を渡しよって!」

ストルツは右の拳でモニターを強く叩きつける。急に現れた邪魔に、これからという時に遊んでいた玩具を取り上げられた子供の様な気持ちにさせられたのだった。


突然の救いの手に、リーナ達は安堵した。まさかシャルに助けられるとは、そうリーナは思うのだった。

「ありがとうシャル、助かった」

「別にいいよ。リーナベルも乗っているの?」

「あぁ、リーナも乗ってる」

「そう。色々聞きたい事があるけど、お願いしてもいい?」

「あぁ、いいよ」

突然の再会。喜ばしい事ではあるものの、お互いに気になっている事もあった。その情報交換をするために、シャル達はどこか安全に潜める、夜を明かせられる場所を探しながら移動するのであった。



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