155.そしてパーティー
筒がなく春休みに入り、いよいよパーティー当日になった。
朝から屋敷はピリピリして…いなかった。
相変わらず朝からリクを走らせて白玉、イナリ、コハクを撫で回しリクに包まれてまったりした。
部屋に戻るとルキとロキを起こして朝食を食べに行った。
夕飯はパーティーだからそこで美味い飯を食べる。なので、朝ごはんはそこそこ、昼飯は少な目にお願いしてある。
朝ごはんは和定食。もう定番だ。
ご飯、鯵の干物、目玉焼き、味噌汁。旨し…落ち着くなぁ。今日の夜は大変だからタウロスが気を遣ってくれたんだろう。
膝の上でロイスがもぐもぐしている。まだ卵かけご飯とか、食べやすいものが中心だ。
「おいちっ?」
小さな子供用スプーンをあげて振り返る。
「それは良かった」
おでこに貼り付いた髪の毛を除ける。また前を向いて黙々と食べている。可愛いな、子供は癒しだ。
食べ終わると居間でのんびりする。
子供たちは新しいおもちゃに夢中だ。木で作ったパズルだ。木の枠の中に色々な形の木を嵌めて完成させる。
知育おもちゃだ。
無心で遊んでいる。1人1種類。それを黙々とやるルイス、カロアの横から邪魔をするカルア。ロイスは…打ちつけてるな。すでに別の遊び方だ。
で、横から邪魔をされたカロアがカルアを押して、カルアが倒れて泣き出す。アマランがそばにやって倒れたカルアの背中を撫でた。起こさない所がアマランだな。
見てくれてる人がいる、それは子供たちに取って安心になる。でも安易に手を貸さない。
カルアは自分でアマランに掴まって起き上がった。
俺はルキとロキに挟まれてまったりしていた。どうやら双子が落ち着かない。久しぶりのパーティーだからな。
ハンナお義母様からも
「ふう、まだ2人に婚約の申し込みがたくさん…困ったわ」
と言っていた。
セイからも十分注意しろと言われている俺たちだ。
「特にカスミ。その年で個人で叙爵。俺の息子である事は公じゃないが、子爵位であってもカミール商会に勤めている。しかもダンジョンの発見者でお金も入る。超優良物件だ。対外的には婚約者がいないし、加えてその見た目。婚約者がいる奴らもあわよくばとカスミを狙っている」
辟易するな…
「俺にはすでに最愛が2人もいるのにな…」
「ルキとロキも危険だ。未だに衰えないその人気はパーティーに出ない事で帰って上昇している。シュプール商会も順調だからな…」
2人は目を泳がせた。相変わらずの人気は頷けるな。
「まあな…こんなにきれいで素直だから仕方ないが。誰にも渡さんぞ!」
「まぁ狙われてるのは私もだがな…」
とセイは苦笑した。
なので、ダンスの際に俺たちがそれぞれ踊ることにした。最初は王族。次に叙爵される俺と公爵家。つぎが侯爵家以上で、最期がごちゃ混ぜだ。
そこで、最初にセイと踊り次にルキがセイと、ロキと俺が踊る。その次は相手を変えて踊って終わりだ。
そのまま4人で庭に出て認識阻害をかけて隠蔽しながら逃げると。
その後はただ食う。
ダンスの前に俺はセイや王族と同じテーブルに付いているからな。
そして俺の護衛としてカゲツが付く。
そうそう、カゲツと言えば…この間の学院長室でのやり取りを思い出した。
「カゲツはあれからカスミ君のことばかり話をする。ご飯がとでも美味しくてってな」
「そうですね、カスミ無しでは生きていけないって。婚約するか?」
「「それはない!」」
俺のカゲツの声が重なった。
「カスミ君、しかし兄上もカスミ君の能力を買っている。2人の子供も助けられたんだからな。だから…婚約者を当てがわれる可能性が高い」
マジで…?セイを見る。
「叔父上、その事については母上から現王に話をして貰います。母上にも話がありまして…」
ぐりんとセイを見た。聞いてないぞ?セイは頷くと
「大丈夫だ、カスミ」
頭を撫でられた。
その後、お父様とお母様から話があって…まぁ意中の人がいると伝えたようだ。ボカしながらも、ほぼ真実にいき当たるように。さすがだ。
安堵した。婚約も何も既に結婚してるからな。
とそんなことがあったのだ。
ヒルガが
「お昼ご飯は軽食ですので、こちらにお持ちします」
と言って出て行き、ワゴンを押して戻って来た。
とうもろこしの天ぷらを塩だれで味を付けたライスバーガーだ。少し前に作った新作だ。さらに海鮮かき揚げライスバーガーも作った。やはり塩だれだ。
小さめのバーガーを一つずつ摘んで俺は終わりだ。食後に紅茶。香り高い紅茶は美味い。
「食欲ない」「お腹空かない」
そう言いながらも4つのバーガーを完食した双子。相変わらずどこに入ったんだよ?不思議だ。
パーティーの準備はゆっくりでいい。急がないからな。
なので食後は庭で子供たちと遊んだ。ようやくぬくんできたから昼間はそれなりに暖かい。
子供たちはほっぺを赤くしながら
「リクー待ってー」
「「イナイ…早い」」
「コハク…まちゅの」
辿々しく話しながらはしゃいでいた。まだまだ冬毛だからみんなもさもさのふかふかだ。
遊び終わってリクにもたれてお昼寝だ。外は流石に寒いから居間にリクが子供たちを運んで丸まった。ふかふかのリクに包まれて子供たちは昼寝だ。
さて、そろそろか。
「ルキ、ロキ、セイ、支度をするからな。セイが終わったら2人だぞ」
声を掛けて俺の部屋にセイと向かう。服はここだからな。
濃紺のピンストライプの上着はセイに良く似合う。ライトグレーの立ち襟のシャツに青いネクタイ。まぁ美形は何を着ても美形だ。
髪の毛は片側をサファイアのピン(カスミ作new)で留めて、見える方の耳にもピアスだ。
うん、麗しい…俺よ、よくやった。シルバーの手袋には宝石のかけらを散らばした。
鏡に映った自身を見て、セイは驚いていた。
「私か?なんか男前が上がったような」
「元から天元突破してんだろ?今更だ」
全く無自覚イケメンが!
セイが部屋に戻ると次はルキとロキを呼ぶ。
(俺の部屋に…)
2人はそわそわと部屋に入る。
着ている服を脱がして順番に着せて行く。濃紺のウインドウペンチェック。似合う、濃い色も似合い過ぎる!
マジか…俺の双子はやっぱり最強だ。
立ち襟に水色のネクタイ。こちらはタータンチェックだ。
髪の毛は片側を編み込んでアメジストピンで留める。見えてる耳にはシンプルなポストピアス。ブルーとパースだ。そう、俺の色。ドヤッ
お互いに見合ってから
「カスミの色…いい」「カスミがいる…」
フラワーホールにスズランとカスミ草をモチーフにした水晶で作ったピンバッチ。
これはセイと俺と双子でお揃いだ。
俺も着替えるか。
濃紺にピンストライプのスーツ、ライトグレーの立ち襟にグレーのクラバット。そして髪の毛はポンパドールだ。留め付けるのは水色と淡い紫のリボン。左耳にはアメジストとサファイアの連なったピアス。
まだ体も大きくない俺にはこんな装いが意外に似合う。
その俺を見て双子が
「ダメ…」「人に見せちゃダメ」
と言った。そんなにおかしいか?首を傾げると
「「可愛過ぎる!」」
抱きつかれた。
「おでこに見えてる」「耳が可愛い…」
…双子こそヤバ可愛いぞ?
「お前たちだってすぐに攫われるレベルのきれいさだぞ?自覚ないのか??」
「「カスミも!」」
セイが俺たちを見て
「色々とな…似合いすぎだ」
「セイルさんも」「凄くいい」
俺たちはかなり遅めに出ればいいが、とは言っても双子と俺は同じ馬車に乗らない。
トーカとリグにクリスは既に出た。
やがて呼びに来たヒルガが俺たちを見て絶句した。
「いやはや…またかなりの完成度ですな…。充分にお気をつけて下さいませ」
激励された。
同じタイミングで屋敷を出る俺たち。
公爵家の馬車の前にはカゲツが正装で立っていた。凄え目立つ上にやたらとカッコよかった。
白いカッチリした襟に紋章をつけた服。袖には3本線。隊長は5本、副隊長4本、副隊長のすぐ下に付く隊員が3本で一般の隊員は2本、新人は1本だ。
「セイル兄様、素晴らしい装いです。カスミ、なんと可愛らしい…」
おい、可愛いはいらんぞ!
「これはまた目立つな…」
俺のかっこうは地味な筈。
「あーカスミは無自覚だから」
「そのようだ、これは守り甲斐がある」
深く考えちゃ負けだな。
カゲツのエスコートで馬車に乗り込み、出発した。
後少しで一旦完結とします…
*読んでくださる皆さんにお願いです*
面白い、続きが読みたいと思って貰えましたらいいね、やブックマーク、↓の☆から評価をよろしくお願いします♪
評価は任意ですが…もらえるととっても嬉しいです!
モチベーションになりますのでどうぞよろしくお願いします♪




