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チートなジョブで転移無双  作者: 綾瀬 律
第2章 王立学院

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156.ルカロ子爵

 パーティー会場である王宮に着いた。公爵家の紋章とカゲツの存在があるからフリーパスで進んで行く。

 馬車が止まった。すかさず扉が開かれて、白い手袋を嵌めた手が差し出される。セイが先に降りると俺を手を差し出す。その手に手を預けて馬車を降りた。


 カゲツは後ろに控えてセイに手を引かれて進んで行く。後の馬車からお兄様方と、お父様とお母様が降りた。

 俺を見て少し固まってからふわりと微笑む。俺は軽く胸に手を当てて歩き始めた。


 パーティーの入場は始まったばかり。なので控室に向かう。前を歩くティア姉様は俺たちを振り返って二度見した。

 控室に入ると寄ってきて

「セイル兄様、カスミ…またとんでもなくきれいなのね…」

 複雑そうに言われた。なんでだ?


「セイは笑いながら、カスミの方が女っぷりが上だな」

「男だ…」

 ティア姉様が

「そんなに可愛いらしい髪型で…負けたわ」

 肩をすくめた。隣の婚約者とは夏前に結婚するティア姉様だ。


「初めまして、だね。カスミ君。私はアイスリード侯爵家のカルバンだよ。話には聞いていたが…本当に儚くてきれいな子だね」

 子じゃねーよ…16だ!


「初めまして…」

「今日はまたその儚さを最大限に引き出した装いね…」

 なんで答えたらいいんだよ?セイを見上げると

「ティア、カスミは全く自覚がないから…」

「やぁセイル、カスミ…本当に見るたびに素晴らしいな」

 お父様が助け舟か!?


「父上、ありがとうございます」

「お父様、ありがとうございます」

「本当になんて可愛らしいのかしら…これは男性がたくさん寄ってきそうね」

 なんでだ?


「無自覚か?」

「はい…」

 なんで可哀想な子を見るような目なんだ。


 そこに今度はお義父とお義母がやって来た。

「パルシェン公爵家の皆様、こんばんは。また素晴らしい装いですな」

「やあ、こんばんは。固いぞ!」

 和やかに挨拶をする。


 あれだな、周りへの牽制だな。

「私共と子供も…久しぶりのパーティーですの」

 ハンナお義母だ。

「やぁ、相変わらず素晴らしくきれいだな」

「「ありがとうございます…」」


 双子は全く隠すことのない視線を俺に送る。なんていうかな、少しは…演技しろよ?

「カスミ可愛い」

「可愛い…」


「ん…お2人も大変麗しく…本日はよろしく頼む」

「「こちらこそ…」」

 周りが聞き耳を立ててめっちゃ静かになってる。早く入場させてくれー!!


 ようやく入場が始まった。

 ルキとロキが会場に入るとシーンとしてからざわざわとした。やり過ぎたか?きれいなんだが、少し可愛く仕立てたからなぁ。なのに方マントはカッコいい。

 ギャップ萌えだ。


 そして俺はセイに手を引かれて入場した。やはりシーンとした。

 それからまたざわざわと…。しかし果敢に近寄ってくる奴らがいた。

「は、初めまして…パルシェン公爵家令息様。私は…」


 凄かった。

 目がチカチカする。俺だけじゃなくセイも、そして近くにいる双子も囲まれてる。怖え…俺は思わずセイにしがみ付いた。手を握りながら肩を回して抱き寄せられる。途端に

「「キャー!」」

 うるせーよ…


 セイの胸に顔を寄せて現実逃避していたら、さらに

「「イヤー!!」」

 なんだよ、もう。セイも頬が引き攣っている。珍しい。


 顔を寄せて

「今日は姿を見せてる間、ずっとこうだからな…」

 やめてくれ…。セイの後ろにいたカゲツに手を伸ばすと、しっかりと握りしめてくれた。


 またしても

「「キャーキャー!!」」

 帰りたい…



 その後は王族が来て褒賞を貰い、俺から進呈した宝石でシーンとし…ルカロ子爵を賜ってダンスだ。

 ここでもわーわーきゃーきゃーと凄かった。特に俺とセイが双子と踊ったことで最高潮に達したようで、俺たちは無心で踊った。


 いや、俺だけか。ルキもロキも

「カスミと踊れて嬉しい…」

 頬を染めて喜んでいた。

 それを見た周りがまたわーわーきゃーきゃーとな。ほんと耳がおかしくなるかと思った。


 終わった後は逃げ回ってなんとか庭で撒いた。いや、怖かった。隠蔽を発動して、少し離れたところからカゲツが俺を見守る。

 姿を現している間に貰った飲み物や食べ物には媚薬が結構入っていて…トーカが渡してくれるものしか口にしなかった。


 隠蔽と認識阻害をしてからは、心置きなく食事をした。みんなあんまり食わないから、最後の方は余ってる食べ物を亜空間に閉まって早めに退散だ。


 控えめに言って地獄だった。

 ただな、俺の双子が嬉しそうだったから良しとしよう。

「カスミとダンス…へへっ」

「可愛いカスミと体が密着…ふふっ」


 今までは双子同士でしか踊っていなかっただろうから、ある意味初ダンスだ。それが嬉しかったようだ。

 そこら中で倒れる婦女子に男性たち…カオスだった。


 夢遊病のように

「眼福ですわ…」「死ねる…」「良き…」

「はぁはぁ」

 ヤバ過ぎだろ?つぶやきが貴族として。


 俺たち4人にトーカ、クリス、リグ。少し離れてカゲツ。そこに突撃する頭の悪い奴ら。自分を見てから来いや!

 全く。あ、ミロやカルロスは許すぞ。知り合いは良いのだ。


 さり気なくリヴ兄様がやって来てミロとカルロスに仕事の話をしていた。どんだけ仕事中毒だよ?




 ふう…疲れた。

 俺たちはダンスの後に庭に出てから会場に戻り、またたらふく食ってから帰って来た。

 あんな目がチカチカする場所に居られない。そこら中で噂されてるのもな。


「見ました?」「魅惑の双子でしょ?色気が出て来て…倒れそうでしたわ!」

「あの美しいお顔…」「細い体…」

「あぁ、迫られたいですわぁ」

「倒れてよろしいかしら?」

「想像しただけで…ご馳走様ですわ」


 ルキとロキは凄えガツガツ食ってたぞ?聞こえないふりだな。よしよし、口元を拭い皿に食事を載せてやる。

 大変だな、美形は。

 セイもな?


「見ました?」「パルシェン公爵家のセイルール様ですわよね?」「男ぶりが上がってましたわ!」

「あの逞しい腕に…はぁ」

「しかも、魅惑の双子とダンスを…私涙が出て止まりませんでしたわ!」

「ベッドの上で抱き合って…いや、もう想像だけで倒れましてよ?」



 セイも猛烈な勢いでステーキを頬張っていた。分かるぞ。俺が仕上げたセイはまぁ本当にカッコいいからな。やり過ぎたか?



 俺はモブで良かった。



 実際にはカスミの話も双子とセイルールと同じくらい囁かれていたが、本人の耳には不思議なほど入って来なかった。自分が噂をされてるとは思っていないから、全く気にもしていなかったのだ。



「ねぇ、見ました?あのパルシェン公爵家の…」

「あの、瑕疵のある?」

「えぇ、でもまだ学生なのに叙爵されましてよ?」

「王に献上した宝石、凄かったですわ」

「手元にはどれほどの宝石があるのかしら?」


「それにあの美貌…瑕疵の付いた人ならば、或いは…ねぇ」

「麗しの双子とのダンス…眼福でしたわ」

「私、恥ずかしながら倒れましたの」



 なんて囁かれていた。さらには


「おい、見たか?パルシェン公爵家の…」

「男だよな?可愛いかったぞ」

「あぁ、うるさい女性よりはよほど可愛らしかったな…」


「アリだな」「欲しい…」

「双子とはどんな関係だ?」

「セイルール殿は軽々と腰を抱きしめていたな…」

「はぁはぁ…良き」



 何故か本人にはそれらの声が聞こえない謎だ。




 屋敷に帰って来てソファに座ると、ヒルガが淹れてくれた紅茶を飲んで寛いだ。その後はセイの面倒をクリスに頼んで、俺は双子と部屋に戻った。


 服を脱がせようとしたら

「カスミ、休む」「こっち」

 何故かソファに座った。挟まれている。

「おでこ可愛い」「可愛い…」

 双子はそのまま熱烈なキスをして…そのまままったりした。


 起き上がると風呂だ。

 ま、お互い疲れてるからな。お世話をしてゆったりとお湯に浸かって…。ふう、体がほぐれていく。


「カスミ、衣装凄く良くて…」

「周りの反応が凄くウザかった。でもカスミが作ってれたから、我慢した」

「「ありがとう、大好き」」

「そんな2人が俺も大好きだぞ」



 こうして波乱のパーティーはなんとか乗り切った。



 後日、俺や双子、セイの髪型が人気になったのは…知らん。誰もがポンパが似合うと思うなよ!

 そこんとこよろしくな!!



中途半端な感じですが、ここで一区切りとなりますので

一旦完結とします。

ここまでお付き合いくださりありがとうございました!


物語は続きますので、また整理できたら再開します。

ぼちぼち書き散らかしてる他の作品も投稿していく予定です。

神官と聖女シリーズも止まっていたので数話投稿して完結です。



*読んでくださる皆さんにお願いです*


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評価は任意ですが…もらえるととっても嬉しいです!

モチベーションになりますのでどうぞよろしくお願いします♪

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