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チートなジョブで転移無双  作者: 綾瀬 律
第2章 王立学院

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149.褒賞の内容

 レオたちは公務があるからだな。俺は単に学ぶ必要が無いからだ。


「それは褒賞というよりは、学院としての…だな。また褒賞については話があるだろうし、祝賀を開くからそこで王から褒賞を賜る」

 祝賀?


 セイを見ると苦笑した。

「絶対参加の祝賀だな。で、貴族は全員参加だ」

 ルキたちもか?セイが頷いた。


 そうそう、ロスガレス様は実は騎士団長だった。マジで?俺ってば横抱きにされてたよな。

「しがない勤め人だ」

 嘘だろ?

 騎士団の団長って。カゲツを見ると頷いた。


 その後

「カスミ君、カゲツだが…騎士を辞める。その理由は君がよく知っているだろう。過酷な現場を体験するとな、体が竦んでしまうんだ。今回の件は致し方ないと判断した。膨大な魔力放出に巻き込まれたんだ。そこで出来うる限り魔力を抑え込んだ。大変な功績だ。それを鑑みて、退団を認めた。カゲツは共に命を張ったカスミ君を守りたいと言っている。やがて侯爵家になるなら、護衛騎士は必要だ。そばに置いてやって貰えないか?」


 俺はカゲツを見る。

 そんなの当たり前の前田さんだ!

「カゲツがそれを望むなら、もちろん受ける。こちらの方こそ、そばにいて欲しい」

 学院長は父親の顔を一瞬覗かせて微笑んだ。


「私からも頼むよ、カスミ君ならセイルの家族だ。安心して預けられる。難しい立場だからね、王族からは遠ざけたいんだ」

 だよな、王子たちとは従兄弟だし。それはまぁセイたちもだが。


 それで話が終わり、学院長室を後にした。

 部屋を出るとロイナス魔導師から

「あのダンジョンについて、名前を決めたりその価値を見定める必要がある。地底湖に潜るから、参加して欲しい」

「断りたい…しばらくあそこには近寄りたくない」


 ロイナス魔導師は

「そう言われると思ったんだ。何か発見されれば、ダンジョンの価値が上がる。ならば調査については責任を持って我々と騎士団が行う」

「あぁ、頼む」


 こうして、ひとまずの騒動は終わった。いや、終わってないな…祝賀だよ、最大の爆弾を投下された気分だ。



 そのままセイと馬車に向かい、待っていたクリスたちと屋敷に帰った。

 屋敷の場所寄せに着くと扉が開き、手が差し出された。


 その手に掴まって馬車を降りると

「お帰り」

 ルキが迎えてくれた。

「ただ今、ルキ」

 嬉しそうに俺の手を握って屋敷に入る。


「ロキは?」

「居間で子供たちとリュカと遊んでる」

 ちょうどいい。そのまま居間に向かう。


「カスミ、お帰り」

 ロイスを抱いてかけ寄ってきた。

「ただ今、ロキ」

 ロイスを撫でる。


 ソファに座ると、後からセイとトーカたちも座った。

「あールキ、ロキ。今回のダンジョン騒動に関連してカスミが叙爵される。それに伴って私の持つ爵位が侯爵になって…」


 察したのか2人とも

「祝賀」

「パーティー?」

 セイも嫌そうに頷いた。とはいえ、これは褒賞も賜る俺は強制参加だ。


「2人が嫌なら…」

「行く」「出る」

 被せたな。


「「カスミだけ行かせるなんてダメ!」」

 そう言うと思ったんだ。時間がないが、可愛い2人とセイにはとびっきりの衣装を用意したい。


「明日からの休み、パルシェン公爵家に泊まった後はレナン湖に行く予定だったが、レイラシティに寄っていいか?」

「もちろん」「布買う」


 セイを見ると

「俺はまだ学院に行かなければならないから、レナン湖で合流だな」

「分かった」


 結婚してからパーティーに出るのは初めてだ。

「エスコートはどうする?」

「あぁ、クリス、トーカ、リグも褒賞の対象なんだ。出来ればクリスはグラスゴー侯爵家の子息と出席してもらいたい」

「ならセイは俺とか?」

「あぁ、それがいいだろう」

 ミロは相手が平民だから参加できない。妥当だな。双子と俺は一緒は無理だから。


「近くにいる」「一緒」

「そうだな、危険だし…また適当に隠蔽と認識阻害で逃げよう。セイは…流石に大丈夫か」

「分からんが、カゲツがカスミの護衛につく。来賓だからな。それがカゲツにとって最後の仕事だ」

「そういやパーティーっていつだ?」

「来月の末だ」

 1ヶ月無いんだな。これは亜空間に籠って衣装の作成か。


「お母様に知らせる」「どんな布がいいか教えて」

 そうだな…イメージは水龍かな。リュカの色だ。そしてセイと俺の色でもある。


「青とか水色の布で、薄くて柔らかい素材。今回はコートも作るから…リクの毛で作った生地が欲しいな」

「伝える。作るのはコートとスーツとシャツ?」

「他にも作るが、シュプール商会で買うのはそれくらいだな」

「分かった、リヴ兄様に伝える」


 ルキが部屋の隅にある通信箱に向かい、何かをしたためて箱に入れた。便利だ。

 ふう、ゆっくりしたいが大切なみんなの為だ。亜空間の時間を操作して遅延させよう。10分の1にすればいいだろう。


 夕食は海鮮丼とステーキだった。凄い組み合わせだが、我が屋敷では定番の人気メニューだ。

 ステーキは塩胡椒で味付けをし、焼き加減はミディアム。子供たちはまだ食べられないから、大人だけの特権だ。

 ちなみに子供たちには肉団子だ。柔らかくて味も薄めにするからな。


 で、夜は親子で川の字で寝たぞ。

 冬の夜、子供たちの体温は俺をスッと眠りに導いた。




 僕はカロアを抱いて眠るカスミを見る。

 詳しくは話してくれなかったけど、また危ない目に遭ったんだと分かる。例え回帰しても、魔力が乱れたりする。それは強いジョブを使った反動みたいで、カスミの魔力が散っていた。


 カスミは気が付いていないけど、僕たちには分かる。本当になんでカスミはこんな目に遭うんだろう。しかも、誰かを助けるために。


 自分だけでも助かって欲しいのに、それはわがままなんだろうか。


 規則正しく動く胸、震えるまつ毛。こんなに大切なのに…。反対側からルキもカスミを見つめている。

 巻き込まれても傷付けさせないように…防御を考えなきゃ。


 必ず守るから、大切な僕たちの旦那様。両側からそっとキスをする。

 守るよ、いつだって守られてきたけど、今度は僕たちが守るからね、大好きなカスミ…




 目が覚めるとロイスが腕の中にいた。あれ?昨日はカロアと寝たような?

 で、当然みたいに両側から双子が抱き付いている。幸せな朝だ。2人にそっとキスをして、カロアの頬を撫でると転移した。


 厩舎に行くとリクが脚をかく。

「リクおはよう、走るか?」

(当たり前田!)

 省略したな?


 朝はまだ冷える。白い息を吐いて走るリクはとても楽しそうだ。俺も走ってコハクを捕まえると抱きしめて寝転んだ?ふはっもっさもさだ。さすが冬毛。


 イナリとコハク、子狐たちの抜け毛はまとめて保管してある。それを牛皮に圧着して襟巻きを作るぞ!

 もさもさの襟巻きを着けた双子は絶対に可愛い。想像するだけで萌える。子供たちにはまだ早いか。でもお揃いがいいって言うよな…考えよう。


 まだ寒いが、もう3月。やがて寒さも緩むだろう。待てよ、パーティーは3月の末なんだからコートは要らないか?スプリングコートを用意しようか?片マントもカッコいいかな。


 青系の布を頼んだが、そのまま使うのには目立つ。少し色を足して濃紺に仕上げよう。

 今回はカッチリした軍服風にする。ボタンは5つで、肩には徽章を付ける。


 徽章は職業とか階級を現すが、この世界では一般的か分からない。ならば家族の証として何か図案を考えよう。

 なんとなくスズランがいいと思っている。純粋とかそんな花言葉だった筈。双子にぴったりだ。


 カスミソウは図案にしにくいからな…俺の花だが。

 イメージカラーは白で紫の草模様で囲む。根本に水色のリボンを配置したら良さそうだ。


 ズボンはセンタープレスでビシッと。スラっとしたみんなには絶対に似合うからな。美形が着るんだから何作っても似合う。


 俺のはどうするかな…またあちらから来てきたスーツでいいか。すごく高級ではなかったが、こちらと比較すると良いものだ。シャツを変えればいいだろう。


 ネクタイを新しく作るか、シャツは立ち襟で幅広のネクタイにすればいい。色は紫だ。タイピンを水色にすればいいだろ。


 そうそう、例の騒動で倒した芋虫。クリスが保管してて、調べたら糸袋があるらしい。良質なシルクが取れるとあった。蚕みたいなもんか?

 ならシルクでネクタイを織ればいいな。織り機はクリスに作らせればいい。


 イメージが固まったから細かいデザインはこれから描こう。




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