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チートなジョブで転移無双  作者: 綾瀬 律
第2章 王立学院

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148.実技試験の顛末と処分

後書きにカスミ、ルキ、ロキのイメージ画像貼りました!



 公爵家の個室で息を吐く。

「なんか凄かったな…周りの目線で死ぬかと思った」

 トーカが

「まぁあの実技試験では結構ケガ人も出たからな」

 そうらしい。説明では、骨折とかそれなりに重症者もいたとか。


「1番の重症者は間違いなく主ですけど…まさに死にかけたんですから」

「それな…ほんとスイが居なかったら死んでたんじゃね?また助けられたな」


「まぁそのスイがプリーストになって治癒魔法が使えるのは主がいたからなので…還元ですかね?」

 そんなもんか?

「周りに人がいるとあからさまに私の力も使えませんし…もう少し防御を手厚くした方がいいと思います」

 だよな…俺もそう思う。


「まぁなんだ、あの時は騎士を守るのに必死でな、自分ごと結界をして弱くなると困るなって」

「その検証もロキとした方がいいぞ!また泣かせたら外に出してもらえなくなる」

 それは困るな。


「そうだな、自動発動する結界作るか…」

「ロキ様とセイ様と相談しましょう」

「だな…ルキとロキと、子供たちも残しては死ねないよな。兄ちゃんもいるし」

「そうですよ!」


 話をしながらクリスとリグが昼飯の準備をした。本来だと午前で終わるんだが、クラスでの話があるとかで午後もまだ帰れない。


 ハンバーグにフライドポテト、ビーフコンソメスープを飲んで昼飯は終わり。食後のコーヒーを飲んでまったりした。

 ふう、後1時間くらいで終わるか。


「そろそろ行きましょう」

 クリスに促されて教室に向かった。トーカがみんなで囲んだ方がいいと言うので、迎えに来たセイとリグが横に、前にクリスでトーカが後ろに付いた。


 なんか人が多いな…素早く教室に向かうと入り口にも人が多い。何だ?

 クリスが人混みを縫うように扉に向かって開けるとセイに手を引かれて教室に入った。素早く扉が閉まる。


「なんかあったのか?」

 セイは呆れたように見ると

「カスミを見に来てるんだ」

 首を傾げると

「「カスミ!?」」

 レオとブランだ。


 素早く目の前に来ると

「カスミ、良かった」「良かった…」

 涙目で見られた。

「ケガは大丈夫だったか?」

 と聞くとブランが泣き出した。へっ?レオを見るとやっぱり泣く寸前だ。困ってセイを見ると頭を撫でられた。


 扉が開いてカエサル導師が入って来た。

「席につきなさい」

 ブランはレオが席に座らせた。

 俺も席に着く。


 カエサル導師が

「まず、みんな生きてて本当に良かった。正直、死者が出てもおかしく無い状況だった」

 それから新しいダンジョンが出来たことが告げられた。


 ダンジョンの発生には強い魔力が必要で、大きな魔力溜まりがある。それが魔獣を活性化させ、魔力溜まりから魔力が溢れて放出されると、そのエネルギーを糧にして空間に歪みが生じる。

 それがダンジョンだ。


 ダンジョンができる兆候は複数あって、それがあった筈なのに見過ごされ、よりによって実技試験の日にダンジョンが出来上がったと。それは何か陰謀なのか、本当にたまたまなのかは調査中らしい。

 ただ、あまりにもタイミングが良すぎた。


 聞くだけで面倒ごとだと分かる。俺は全く一切関わりたく無い。断じて関わらない。そう心に誓った。


「今回はカスミといういい意味での例外があって、だからこそ助かった」

 俺ってかトーカとクリスとリグだな。ブランを支えたのは間違いなくリグだし、レオを支えたのは間違いなくトーカだ。


 俺は敢えて言えば騎士、そう兄ちゃんを助けただけだ。もっともトーカもクリスもリグも俺由来だから広義では俺のお陰なのか…?


「カスミには改めて学院からの感謝状と、国王からも褒賞がある」

 うわぁめんどくせ…回避できないのか?

 セイを見るとそっと首を振られた。マジかよ、こんなに目立ちたく無いと思ってるのに。ため息を吐いた。


 感謝状なんて金にもならないし、捨てるわけにもいかないし。全く、どうせなら学院を今すぐに卒業とかにして欲しい。学院長に直談判するか。


 カエサル導師が

「感謝状の拒否は出来んぞ」

 !!何で分かったんだ…。


 驚いていると

「そんなに分かりやすく嫌そうな顔したら誰でも分かるわ!」

 なるほど。


「今年は変則であるが明日から6日間、試験休みがある」

 本当なら実技試験後から休みが1週間ある。今が試験からすでに3日経っているから、休みを1日減らしたのか。

 その後は試験の結果と来学年の案内で1週間登校したら、春休みに入る。


 本来だと2月の末日に実技試験、で3月から休みでまた登校して、3月半ばから4月末までが休みだ。

 その間、学院は次の生徒たちの受け入れ準備をする。俺たちは単に長めの休みだ。


「それでは解散!カスミは呼ばれているから学院長の部屋に私とセイルール殿と行く。みんなはこれで解散だ!」

「はい…」


 俺はミロに軽く手を挙げてセイのところに向かった。レオとブランが何か言いたそうだったが、泣かれるのも困るのでさっさとセイに手を引かれて教室を出た。


 学院長の部屋に着くと、カエサル導師がノックをして返事を待って入室した。

 部屋には学院長とロイナス魔導師、そしてカゲツにロスガレス様がいた。

 カゲツと目が合うと僅かに目元を綻ばせた。何やらピリピリした雰囲気なので、一瞬で元に戻ったが。


「座ってくれ、先生にセイル、カスミも」

 カエサル導師とセイに挟まれて座る。向かいにロイナス魔導師、カゲツ、ロスガレス様の順で座っている。学院長はお誕生日席だ。


「まず、カスミ君。この度のこと、本当にありがとう。甥と姪に息子を助けてくれて」

 俺を見て胸に手を当てた。

「偶然近くにいたので、出来ることをしただけです。その結果です」


 じっと俺を見ると

「なかなか出来ないもんだ。守りながらは大変だっただろう。君たちを見ていた騎士からも報告は聞いている。結局、王族を優先することになって、挟まれた位置にいたカスミ君たちが1番大変だった。グラスゴー侯爵の子息とメニエーラ子爵の子息にも迷惑を掛けた。カスミ君とクリス君のおかげで軽傷で済んだと、両家からも感謝状が届いている」


 そこで言葉を切ると

「セイルから話は聞いていたよ。君が死ななくて本当に良かった…。カゲツも無事に返してくれて」

 そこからはロイナス魔導師とロスガレス様から話があった。


 まず、あのダンジョンはやはりリュカの言う通りボスは討伐されていた事。

 ダンジョンとしては比較的罠も少なく初心者向けである事、そしてドロップ品がいい事。


 ん?俺の時は食料しか出なかったが。

 カゲツを見ると笑いを堪えている。

「ん、そのな…どうやら人を選ぶらしい」

 ロスガレス様も微妙な顔をした。


「ちなみに私やカゲツなど騎士は武器、ロイナス魔導師たち魔導師は魔石、リュカ様は宝石だったな」

「カスミは何がドロップしたんだ?」

 セイ、ここで聞くのか?


「ぶはっ…」

 カゲツを睨む。

「いや、ごめん…」

 堪えられてないぞ!


「…く材…」

「「「えっ?」」」

「だから食材だ!」


 カゲツ以外はぽかんとして

「食材…」「食材…」「食…ぶはっ」

 セイまで噴き出しやがった。ちくせう…。


 憮然としているとあのカエサル導師とロイナス魔導師まで笑っていた。セイが俺の頭を撫でる。叩いてやった。


「人を選ぶ、んだな…あははっ、くはっ…ふふっいや、ごめん…くふっ…」

 全く堪える気ねーな、学院長は。ひとしきり笑うと

「はぁ、ごめんごめん」


「ふう、カスミ君はダンジョンの発見者に与えられるものを知っているか?」

 知らんな。首を振る。


「まず、命名権。次がダンジョンの所有権。所有権は国が買い取るから、正確にはお金が入る。ダンジョンとは別で国王から褒賞が出る」

 要らんのだがな。


「褒賞の内容は通常、叙爵なんだ。まぁ子爵位あたりか。で、セイルの伯爵位をやがて継ぐからそちらの爵位も上げる。ちょうど侯爵家が1つ潰れてるからな」

 あ、あの変態兄弟の家か!


 セイは苦笑いだ。

「それ以外にも何か、品物なり権利なりを希望できる」

 あーそれなら卒業を早める話かな。

「卒業はこれ以上早まらないぞ」

 クソっ見透かされてる。


 なら

「授業への参加を免除とかは?」

 学院長は想定内というように頷くと

「それは議論して、登校日を設けることでよしとした。もちろん、カスミやレオハルト、ブランシェのように理由がある場合に限る」


 レオたちは公務があるからだな。俺は単に学ぶ必要が無いからだ。



カスミ、ルキ、ロキ

挿絵(By みてみん)


アバター製作アプリで作成



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