表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チートなジョブで転移無双  作者: 綾瀬 律
第2章 王立学院

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

146/148

145.ダンジョンの戦い

 終わってみれば呆気なかった。

 さすが魔導師。

 もっとも無傷とは行かなかったが、俺がカゲツやクリスが戦うのを良しとしなかったから、俺たちは新しいケガはしていない。


 手首が飛んだり太ももから下が舞ったりしたが、ポーションで治していた。笑いながらポーションかけて

「流石特級だな」

 とか言ってる魔術師、というか魔導師ヤバいだろ。カゲツの顔も引き攣っていた。気持ちは分かる。


 なので無傷では無かった。

「魔獣暴走の予兆だったな…食い止められて良かった」

 とはロイナス魔導師だ。


 魔獣が落ち着くと

「「主!」」「「カスミ!」」

 ん、1人多いぞ?


 セイ?クリスの後ろから走ってくるのはセイだ。クリス、トーカ、リグが俺に抱きいて落ち着くまでそわそわと待つと、クリスたちが離れてすぐ俺を抱き上げて全身を触った。


「少し内臓に負担が掛かってるな…それに打撲もある」

 そう言っておでこにキスし、両頬をキスをし、最後に鼻にキスをした。ふわりと何かが入ってくるような感覚がした。セイのガチな祝福だ。


 これはセイの魔力を祝福として俺に渡すのだ。セイなりの心遣いだ。

「ありがとう、楽になった」

 ぎゅっと抱きしめられた。俺も抱きしめ返す。


「セイ兄様…」

 耳元で言えば真っ赤になった。

「からかうな!」


 俺を離すとカゲツに近寄り

「カゲツ、大丈夫か?」

 やっぱり全身くまなく触られて顔にキスされていた。


 複雑な顔をしながらも

「セイル兄様、ありがとうございます」

「カスミを守ってくれたんだな」

 首を振って

「守られたのは私です」


 俺は思わず

「そんなことはない!1人じゃないから頑張れたんだ」

 セイは驚いてからふっと笑うと

「そうか、ならやっぱりありがとうだな、カゲツ」


 カゲツは少しふらついて、セイに支えられた。我慢してたんだな、俺の前では。

 額に少し汗をかいている。セイがカゲツをしっかり支える。


 セイがカエサル導師に

「我々は戻ります」

 と伝えると声を掛けられた。

「カスミ、この先はどうなっている?」

「降っていくと地底湖がある。そこにいたイカはリュカが討伐済みだ」


 リュカで隣にいる人化したリュカを見る。

「!!」

 カエサル導師は目を見開くと跪く。


「あなた様は聖なるお方とお見受けします。私は魔導師のカエサルと申します」

「良い、無礼講じゃ。我はリュカ。カスミと懇意にしておる。よしなに」

「カスミと!?」


「あーリュカはレナン湖を守る水龍のうちの1柱だな。討伐はもう1柱のリュクスと成した」

「もう1柱…水龍様でしたか」


 また深く頭を垂れる。それはほかの魔導師たちもだ。

「頭を上げよ!カスミが危ないと思い致しただけだ。この新しいダンジョンのボスであったようだな」

 マジで?


「コアは残してあるからここはそのままダンジョンとして残るであろう」

 何処にあった?コアって。兄ちゃんを見る。首を振った。


「リュクスが持って帰ったぞ!」

 あーなるほど。そう言えばやたらとキラキラしい玉を咥えてたな。あれか。


「と、討伐のなにか証拠は?」

 カエサル導師が聞くと、ポンッと箱が出て来た。デカい。腕に抱えるほどの箱だ。そしてやたらと輝いている。


「これだな」

「豪華だなぁ」

「カスミ、開けてくれ」

「おう」


 トーカを見ると頷く。

 蓋を開けると、王冠とマントに王笏まである。豪華だな。王冠は銀色に輝いている。王笏も銀色で、マントは白だ。


「リュカ、凄えカッコいいぞ!似合うからな、付けてみろ」

 頭に王冠を、肩からマントそしてその手に王笏を持たせる。

「似合うぞ!」

「そうであるかの…ふふっ」


 嬉しそうなリュカとやりきった感のカスミ。ほんわかした2人を周りは唖然として見ていた。いや、セイルールとカゲツ、クリスたちは微笑ましく見ていた。


「おっ、腕輪とこれはアレだな、額につけるアクセサリーだ。真っ青だぞ!サファイアかな。これも似合うだろ」

 いそいそと取り出してリュカに付ける。


 それはカスミが言う通りでとても似合っていた。

「ほう、予想通りだ!流石リュカだな」

「そうであるか、そうであるか…ははっ」

 やっぱり周りは唖然として見ていた。


「箱も水底宮殿に置いておけばいいぞ。宝物入れだ。腕輪はまだ4つあるからリュクスとカリュにも渡せばいい。次の子の分まであるぞ」

「1つ渡してくれ」


 カスミがリュカに渡すと、カスミの腕に付けた。

「お揃いじゃな」

「いいのか?やりい。ありがとな」

「なんのなんの…」


 もうカエサルなどはひっくり返る寸前だった。そもそも宝箱の中身が豪華だ。その一つを簡単にカスミに渡すリュカと2人の気安いやり取りに驚きすぎて固まっていたのだ。


「よし、我がこの先の案内をしようぞ!カスミたちは帰るが良い。また夜に会おう」

「では、我々は戻ります」

「あ、あぁ…騎士を数人付けるから気を付けて帰るのだぞ」


「「はい!」」

 ふらつくカゲツはセイが抱き上げて、周りを騎士に守られて森の出口に向かった。



 ふう、流石に兄ちゃんはセイの抱っこに恥ずかしそうだが役得だろ。もたれておけと思った俺だ。それに良かった、兄ちゃんがいなかったら俺が抱っこされる所だった。


 俺自身も完全な状態じゃないから、トーカに手を引かれて歩いていた。それを見た大柄な騎士に抱き上げられて結局これかと思った。

 でも凄く安心出来たからうっかり寝た。


 そっと馬車に横たえられた時に目を覚ました。あれ?目をパチパチする。騎士を見ると笑いを堪えながら

「疲れてたんだな…まだケガは治ってないだろうからゆっくり休めよ」

 そう言って頭を撫でられた。恥ずかしい…寝落ちするとかな。


「あははっ。私はロスガレスだ。少年」

「カスミだよ、運んでくれてありがとう。凄く安心出来た!」

「それは良かった。早く治せよ!」

「うん、ロスガレス様はケガしてない?」

 目を見張ると豪快に笑った。


「あははっ、いや悪い。大丈夫だ。かすりキズだから」

「悪い何かが入るかもしれないから、ちゃんと手当してな!良かったらこれ。キズを洗うのに使って」

 速攻で作った消毒薬、マ◯ロン風の瓶を渡した。


 ロスガレス様は手に取ると

「分かった、ありがとうカスミ」

「うん、またね!」

「おう、またな!」

 頬を撫でると馬車から離れて行った。


 こうして長い実務試験が終わった…。カスミが回収されたのは試験の翌日の午後だった。




 カゲツは騎士団に合流して事の顛末を話す筈だったが、俺が行方不明になっていたことから説明義務を果たせとセイに言われてそのまま俺と屋敷に向かった。

 俺の保護者はセイだから、俺たちが住んでいる屋敷に向かう。


 同じ馬車に乗りこんで、扉が閉まると自分に回帰をした。そして兄ちゃんの手に触れて

「回帰…」

 ふわんと水色に光ると兄ちゃんはえっという顔をして

「治った…これが回帰か」


 その言葉を聞いてセイとリグたちが驚いた。

「カスミ、話したのか?」

「あぁ、カゲツなら大丈夫だ。透視で見たからな」

 やっぱり驚くよな。ただ、兄ちゃんのことはルキとロキに先に紹介したい。だから

「ルキとロキに紹介したいんだ」



 その時、セイたちが複雑な顔をしていたことに俺は気が付かなかった。



 で、馬車の中で俺は兄ちゃんと隣り合って屋敷の話をした。アルパカを飼ってると言えば見たいといい、他にも烏骨鶏とツノうさぎとキツネがいると言えばやっぱり驚いて、でも喜んでくれた。


 俺は早くみんなに兄ちゃんを紹介したくて、屋敷に着いて迎えてくれたルカとロキを抱きしめてキスした後

「ルキ、ロキ、紹介したい人がいるんだ」

 と伝えて兄ちゃんの手を握って

「大切な家族なんだ…カゲツって」


「カスミ酷い」

「浮気…したの?ずっと待ってたのに」

 はっ?何言ってんだよ。


「おい、違っ」

「心配してご飯だっておかわりしなかったのに…」

 普段が食べ過ぎだろ。

「毎日3食しか食べれなかったのに…」

 それも普通だろ。


「カスミなんて知らない!」

「大嫌い!」



 はぁ、俺は深い深いため息を吐いた。なんでこうなる?

 ルキとロキが泣きながら屋敷を出て行った。


 アイツら本当話を聞かねーな。特に俺が絡むとポンコツ具合が加速する。

 紹介したかっただけなのに。俺は盛大なため息を吐いた。兄ちゃんだぞ?なんで俺が浮気をした前提なんだよ。


「カスミ、配慮が足りない。命の危機にある時にはな、そっちが昂るんだ。だからな。それに俺の大切な家族って…そりゃ誤解するぞ」

「なんでだ?」

「主は自分が思うより顔面がよろしいのですよ。心配なんですよ、モテると思ってるので」

「モテてないだろ?」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ