表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チートなジョブで転移無双  作者: 綾瀬 律
第2章 王立学院

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

132/157

131.魔術大会3日目の前日

 食べ終わって居間に集合する。

 ソファでまったりと紅茶を飲む。ちなみにアマランとウルグは別室で夕食を食べた。誘ったけど無理って言われた。2人にはちょっと辛いかな。

 リュカはレナン湖に里帰り中だ。


 で、家族だけの団欒タイムだ。

「昨日といい、今日といい…カスミはほぼ動いてないな」

 お父様が言う。


「本当に…やっぱり顔かしら?」

 とお母様。顔?

 セシア兄様とニア兄様は苦笑する。

 セイが

「カスミの儚い様子で、じっと見られて動けなかったんじゃないかってことだ」


 …無いだろ?

「きっとそう」「可愛いカスミに攻撃とか無理」

 双子の意見は完全に俺寄りだから無視して。

「やっぱりそうだろうなぁ。私がもしカスミの対戦相手だったら、即土下座して降参するな」


 お義父様もトンデモ発言ですが。何故かリヴ兄様は頷いたよ。お義母様はやっぱり頷きながら

「カスミを害するなんて…即死だわ、ねぇあなた」

「もちろんだよ、ハンナ」

 優しく微笑みながら言う言葉なのか?


「死刑」「死なす」

 何故かシュプラール侯爵家の方々はやる気満々。対戦相手が可哀想になるな。

 ん、もしや圧は俺じゃ無くVIPルームの圧か!?うん、あり得る。


「それにしても、リグの戦いはなかなか楽しかったな」

「女狐に天罰」「カスミのリグに手を出すなんて、ね?死にたいみたい」

 過激だね、みなさん。セイに助けを求めると鷹揚に頷いた。


 なんで?ニア兄様を見る。にっこりされた。だからなんで?

 ティア姉様を見ると

「当然」

 何が?


「我々の「私たちの「大切なカスミになにしてる!」よね」だな」

 …にこにこと頷き合いながら交わされる言葉に戦慄した。

 うん、逆らっちゃいけないね。


「あれは魔法を返したんだな?ロキは反魔法と呼んだが」

「はい、受けた攻撃に少し付加して返しています。普通に返したのではつまらないので。お土産付きにしました」


 1番エゲツないのはカスミだった。


「クリスは素晴らしい剣技だったな」

「僕が教えた」

 ルキが胸を張る。

「やはり剣豪のスキルは有用だな。戦時下で無くとも、大切なものを守る剣となるからな」

「はい、だから頑張った」

 本当は剣聖だけどな。


 クリスは鮮やかな剣捌きで、相手を圧倒した。剣には水魔法を纏わせたから、剣が伸びて相手は後退し、舞台から落ちた。

 振り抜いた剣の軌道はとてもきれいだった。それを褒められているのだ。


「トーカは杖でしたね。昨日は剣だったので、相手が焦っていました。あの顔はなかなかでしたよ」

 リヴ兄様が言う。そう、トーカこそチートなので、相手を見て武器を変えた。読めるからな。近接のつもりだった相手はなす術もなく、風の刃から逃げて舞台から落ちた。


「明日はカスミの勇姿を見て、そしたら仕事も頑張れるな」

「そうですね、カミール商会からは優勝者にインク壺のいらない羽ペンが30本も進呈されるんですよね。カスミが優勝したらぜひ私に少し売ってくれ」

 ニア兄様…俺が貰っても要らないから横流し希望なんだな。


「普通に声を掛けてくれたら用意するのに」

「あははっだからだよ。正規のルートで買いたいからな」

 真面目なんだな、本当に。


「それにしても、今日の料理もまたとても美味しかった」

 カツな、明日は勝つのカツだ。

「本当に、サクサクとしてて。カスミが作るものを食べていたら太ってしまうわ」

「本当に!」

 お母様方で盛り上がる。


「なのに、ハンナ様のご子息は本当にスリムでいらっしゃるのね」

「なんでかしら?カスミちゃんもよ…そんなに細くて。ちゃんと食べられてるの?とても少なかったわ」

 俺に来た。


「カスミは痩せたから…」「まだ戻らない」

 双子が俺の手を握る。

「トーカによると、魔力を常時使っているからみたいだぞ。それが体力を使ってるみたいで、使った分以上食べないと太らないらしい」

「カスミは少食」


 本当は転移者だからなんだけどな。もともと待っていない魔力を後付けしてるから、魔力を使うのにとてもエネルギーを使うんだと。こちらの世界の人が魔力を使うよりもより体力が奪われる。


 俺が痩せてる原因はそれらしい。ジョブやスキルを常時展開してる状態だからな。余計だ。

 それが原因で太らない。双子が心配するから戻したいんだがな。


「それから今日のデザート、あれはもしかしてレシピ登録をしたのかしら?」

 お義母様だ。

「してない」「必要ない」

「不要と判断しました」

 双子とリヴ兄様が続ける。


 俺は登録するかって聞いたんだぞ?でもな、却下された。

「安心したわ…ダメよ、あんな美味しいもの」

 あれ、そっち。


 なんか、ほんとこの家族はみんな温かい。それを与えてくれたセイとそしてルキとロキには本当に感謝だ。

 明日は絶対勝たないとな。



 居間での話は終わり、両家はみんなは帰って行った。なんか少し寂しく感じる。

 双子は

「お風呂入って早く寝よう」「明日に備えて…」

 それもそうだな。


 セイにおやすみを言って風呂に入り…世話をして寝た。子供たちはアマランたちが預かってくれた。

 双子に挟まれて…すうと眠りに落ちて行った。いつからこの温もりが大切だと思ったんだろう、そう考えながら。




 目を覚ます。両側からホールドされていた。そこからはいつものルーティンで朝ごはんを食べて、出発だ。

 双子はアマランたちと後から来るから、俺はセイに手を引かれて馬車に向かう。


(カスミ、見てるから)(応援してる)

 振り返って

(見ててくれな!)

 俺は馬車に乗って学院に向かった。


 来賓が到着するのはまだ先で、馬車寄せは静かだった。みんな早く到着しているみたいだ。

 セイにエスコートされて馬車を降りる。

 公爵家の控室に着くとセイは教師たちが待機する場所へと向かう。


 別れ際にセイが声を掛けてきた。

「カスミ」

 緊張して次の言葉を待つと

「やり過ぎるなよ」

 がくっとした。ここは普通激励するところだろう。


 くすっと笑うとふわりと抱きしめられた。耳元で

「勝てよ!」

 全くセイらしい。俺も軽く抱きしめかえすとセイの耳元で

「任せろ、セイ兄様」

 みるみる赤く染まる頬に軽くキスをして体を離すと頭を撫でられた。


 昨日までは王族と一緒に使っていた控室だが、勝ち残って来たので今日からは別々だ。

 といってもクリスとトーカ、リグは一緒だ。


 64人参加して1回戦で32、そして2回戦で16人に絞られた。

 3回戦で8人、4回戦で4人、5回戦で2人となり、最後が決勝戦だ。

 初日が32組で、2か所の舞台で。

 2日目からは舞台一つ、で、今日は3回戦以降決勝戦まで行う。

 ただ、決勝戦だけは3年生まで終わった最後にまとめてやる。

 体力の問題があるので、連戦を避けるためだ。


 3回戦の第一試合はエルサダと魔術師風のローブを着た少女。

 少女は善戦したが、魔力が尽きて降参した。でも果敢に水魔法で攻める様子はおおむね好意的に受け止められた。


 対するエルサダは大きな火の玉をただ投げつけるだけの技で、正直あまりって感じだった。

 本人はやり切った顔だったが、ロイナス魔導士が僅かに眉を顰めたのが分かった。


 ちなみに俺たちは控室で歓声を聞いているだけなんだが、クリスによる映像化でだいたいは見える。

 他の奴らには秘密だけどな。


 第二試合はクリスとミロだ。これはもうミロが可哀そうな組み合わせだ。

 しかしやはりクリスはちゃんとミロの見せ場を作る。勢いよく迫る火を華麗に避けて、次の火が来るのも避ける。


 どうやらミロの力をしっかりと見せられるよう立ち回っているようだ。最後の方は避けるのではなく水魔法をまとわせた剣で火の玉を切り、喉元に剣を突き付けてミロが降参した。


 握手をして舞台を降りる2人には惜しみのない拍手が送られた。うん、いい試合だった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ