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第四十七章 六時間目⑦

 それは日本刀だった。


「珍しいだろう?緑色をした刀なんざ。着色とかしてないんだぜ」


 俺の首筋にその日本刀を押し当てたヤツは自慢そうにいった。


 この声は…


「A…」


「覚えてくれていた様だな」


 最後の最後で…コイツに…嫌だ。


 逃げ出そうと思ったが、この少年が出す何かの力が、俺を包み込んで逃がさない…そんな気がした。


 本当にここまでか…そう思った時、Aはポケットから何かを取り出して、俺の目の前に差し出した。


 十円玉だった。


「フェアじゃない勝負は俺は大嫌いなんでね…こうしようじゃないか。

 コイントスを一回行う。

 表の面が出たらお前…いや、お前達の勝ち。家にお前を返してやる。

 だが、裏の面が出たら俺達の勝ち。俺はお前を殺す…どうだ?」


 何故、非道の限りを尽くしたAがいきなりこんな事をするのか、理解不能だったのだが、もう俺にはこれしか生き残る術はない。


 俺は黙って頷いた。


「残り時間も少ない…さっさと投げさせてもらう。お前らは何も手を出すなよ!」


 見ると、しげみをAの仲間達が取り囲んでいた。気付かなかった…


「いくぞ」


 そういって彼は、十円玉を上に投げた。


 周りの連中も黙って見守る。


 十円玉は、クルクルと宙を舞って…






 チャリン…






 

 地面に落ちた。

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