第四十章 六時間目①
六時間目が始まった時、物陰から誰かが飛び出してきた。
一時間目に出くわしたハサミの少年である。
「クッ…」
俺は思いっきり地面を蹴って走り出した。
「今度は逃げさせねぇ…」
ハサミの少年もそう呟いてハサミを大きく開いて走り出した。
一時間目の時と比べるとかなり足が速くなっている。コイツもあの注射器を使ったのか?
「クソッ!」
俺は自分の足に鞭を打って加速しようとした。
その時、俺の目の前をギュンと何かが飛んできた。
それは俺を囲む様に回ると、飛んできた方に戻っていった。
巨大なブーメランである。
このブーメランは四時間目の逃げている途中にも見た事がある。確かこれを使っていたのは、Lとかいった、ゴスロリ風の服を着たヤツだったっけ…確かあの時はヤツの携帯電話の着信があって、その隙に逃げ出す事が出来たのだ。
「ナイス!L!」
さっきのブーメランで、足が止まってしまった俺は、ハサミの少年に突き飛ばされた。
ハサミの少年は俺を仰向けにし、俺の首を締め付け、小型のハサミを取り出した。
「グチャグチャにしてやる…!」
太陽の光の反射を受け、銀色のハサミが鈍く光る。
俺は両腕に力を入れた。
今ここで死ぬ訳にはいかないのだ!
「てやっ!」
俺はハサミの少年の脇を掴み、思い切り投げ飛ばした。
「うあああぁぁぁ…」
ハサミの少年は、頭からアスファルトの地面に突っ込み、その場にグッタリと伸びた。
その時、俺の左腕の手首が無くなり、血が噴出した。
飛んできたブーメランが吹き飛ばしたのだ。
「グゾッ!」
素早く起き上がると、俺は校舎の中に転がり込んだ。




