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第二章 朝礼

 ピピピピピピピピピピ ピピピピピピピピピピ  カチャ


「はぁ…」


 俺は目覚まし時計のアラームで目が覚めた。


 俺は服を着替えると、いつも通りに一階に下りて朝食を食べに行った。朝食はすでに用意されており、ベーコンの香ばしい匂いが鼻に入ってくる。


「いただきます」


 椅子に座り、手を合わせてそう言うと俺は焼きたてのパンに食らいついた。


「一郎」


 パンを食べ終えた時、母さんが俺に近づいてきた。


「あなた宛に手紙が来ていますよ」


 手紙?俺に手紙?珍しいな…


「ハイ、ありがとう」


 母さんがいなくなると、俺は血の様に赤い蝋で閉じてある手紙の封を開けた。


 手紙には文字は書いていなかった。代わりに黒のインクで描かれた不気味なマークが描かれていた。


 黒い大きな点に、四本の黒い鳥の足のようなものが生えていた。


「ハッ」


 俺は封筒ごと手紙をクシャクシャに丸めると、近くにあったゴミ箱に投げ入れた。昨日の少年と金属製の箱といい、今の変な手紙といい…今の世の中どうかしてる!!


「チッ」


 俺はイライラしながらベーコンを口に入れると、味わう事なく丸呑みにした。



 いつもとは少し遅れて俺は学校に着いた。


「遅いぞ三堂」


 浩二が腕を組んだ状態で俺に言った。


「俺なんか十分前もにきたぜ」


「遅刻しなかったらいつきてもいいじゃないか」


「それもそうだな」


 俺達は声を出して笑った。


「そういえば…」


 浩二の顔から笑みが消え、途端に真剣な顔になった。


「今日の朝、俺宛てにこんなものが届いたんだが、お前の仕業じゃないよな?」


 浩二がポケットから折りたたんだ紙切れを取り出して俺に向けて広げた。


「あっ…それは…」


 朝、俺の家に届いたあのマークが描かれていた。コイツの所にも届いたのか…!


「お前…このマーク知っているのか?」


「ああ、俺の家にも来たよ」


「昨日のアイツと金属製の箱といい、手紙に入っていたこの変なマークといい…今の世の中どうかしてるぜ!」


 俺が今日の朝に思っていた事を浩二も言ったので、俺は噴出しそうになったが、なんとかこらえる事ができた。


「…もうすぐ朝礼が始まるから行くぞ…」


 浩二はそう言って俺より先に教室から出た。


 朝礼か…校長の無駄に長い話を聞かされるのか今日も…だが絶対に出なくてはならない。なにせ、もし出なかったら通知表はほとんど(頑張ろう)になってしまうからだ。


「行ってやるか…」


 俺はそう呟くと、他の生徒の脇をすり抜けて、体育館へと向かった。



 体育館に着いた頃にはほとんどの冥王小学校生徒が集まっていた。今日子もいる。


 しばらくするとステージから校長が出てきた。校長は俺達に朝の挨拶もせずにいきなり話を始めた。(いつもの事なのだが)今日の話は自分の持っているダイアの話らしい。


「このダイアは二十年前私がエジプトに行った時に…」


 いつも通り、馬鹿馬鹿しい話だろうから聞き流すだけでいいだろう。


 数十分後…


「では皆さん、今日の学習を頑張って下さい」


 やれやれ…やっと終わったかよ…


 俺は歩いて出口へと向かった。


 一番先に三年生くらいの男子生徒が体育館の扉を開いた。その次の瞬間…


「キヤァァァァァァァァァァ!!」


 近くにいた女子生徒が悲鳴を上げた。


 扉を開いた男子生徒の首が宙に飛び、首のない胴体部分が噴水のように血をあたり一面に撒き散らしながらゆっくりと倒れたからである。


 な…何事だ…?


 俺がそう思った瞬間、入り口から数十人の少年少女らがゾロゾロと体育館の中に入ってきた。その全員の手にはナイフなどの武器が握られている。


「生存者残り六百十一人…この学校は俺達SCYが乗っ取った!」


 血の付いた日本刀を持った少年の声が体育館中に響きわたった。

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