第三十三章 C
「あーあ、逃げられちゃったわね」
Cはそう呟いて、自分の足を掴んだままの大崎東とそれを外そうとするPとの戦いをまじまじと見つめていた。
この男は懸命に、冥王小学校の生徒達を血祭りにあげているが、彼女は全くやる気はなかった。と言うのも、彼女が人を殺すのは、上から命令を受けた時、または自分が相手を殺さなければ、自分がその相手に殺されるといった時だけであった。
こんなお遊戯位では真の犯罪者は人は殺したりはしない。
そう彼女は思っていた。
そんなCが、なぜこんなゲームに参加したのか。その理由は、このゲームを提案したAにあった。
AもCと同じ様な考えの持ち主であった。そんな彼がこんな下らないゲームを提案する筈がない。そう思ったCは、そんな彼の心境を調べるために、このゲームに参加したのである。
大崎東は死んで、硬直が始まってしまっているのか、Pがどんなに彼の手を足から外そうとしても、彼の手はいっこうにPの足を掴んで離さなかった。
「あああ…」
外そうとするのに疲れたのか、Pは近くの壁にもたれ掛かった。
「なあC…俺は一生コイツの死体を引きずりながら生きていかなきゃならないのか?」
この低脳め…
「…この人の手を切り落とせばいいじゃない…」
「そ…その手があったか!」
Pは急いで大崎東に刺さっているオノの一つを引き抜いた。
やっと気付いたか…
Cは、まるで親が子供の成長を見守る様な優しい目で、彼を見つめた。




