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第三十二章 五時間目②

 ………


 痛くない。


 もしかしたら、これが死ぬ瞬間なのかもしれない…


 浩二や奥村もこんな感じで死んでいったのか…






 ドサッ…






 俺の前で何かが倒れる様な音がした。


 何だ?


 俺は恐る恐る目を開いた。


「先生?」


 俺の目の前で、先生が倒れていた。胸に二本のオノが刺さっている。


 オノを持った少年は、鳩が豆鉄砲をくらった感じで、呆然と立ち尽くしていた。


「い…いくぞ!」


 いつまでも倒れている先生を見ている訳にもいかなかったので、俺は今日子の腕を掴み、その場から逃げようとした。


「逃がすか!三堂一郎!鈴木今日子!」


 地面に置いていたオノを素早く拾って、少年が俺達に襲いかかろうと襲い掛かろうとした時だ。


 ドサアッ!


 少年がこけた。


 別に少年がドジを踏んだ訳ではない。先生の片腕が走り出そうとする少年の足を掴んだからだ。


「痛ぇ…」


 顔から派手に地面に突っ込んだので、少年の鼻からは血がポタポタと出ている。そんな少年をCが冷たい目で見つめていた。


 ありがとう、先生…


 俺は心の中でそう呟いて、今日子をつれて、その場から逃げ出した。

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