第十三章 二十分休み
チャイムが高々と鳴って、二時間目が終わった。
「生存者の数を見に行こう」
浩二の提案で俺達は運動場へいった。校舎の屋上の大画面は、【486】と映し出されていた。
「だいぶ減ったんだな…」
俺があたりを見渡すと、まだかなりの生徒がフラフラと歩いていたが、皆目が死んでいた。
「もしかすると、もうすぐこの中から犠牲者が出るかもな」
「そんな事を言うのはやめろ、奥村」
「ヘイヘイ…」
奥村の言う通り、もしかしたらこの中から犠牲者が出てしまうかもしれない。
「落ち着く所にいかない?」
二時間目と三時間目の間は二十分間の休み時間がある。俺は腕時計をみたら、まだ五分しか経っていなかった。
「いくか…」
俺達は玄関から校舎の中に入った。
「どこか…落ち着く所にいこう」
「それなら…」
奥村が指を指した部屋は保健室だった。
「ここなら柔らかいベッドやソファがある」
問題は死体があるかないかだ。
「失礼します」
俺は一言声をかけて保健室の扉をガラガラと開けた。ソファには…先客が二人いた。
「おっ、お前らか」
そこにいたのは俺達の担任の大崎東先生と、三年生担任の舟原供太先生だった。この二人は外にいた他の生徒達とは違って、まだ僅かに目に何かの光があった。
「せ…先生!」
今日子が俺を押しのけて、保健室の中に入った。
「おお、鈴木、お前もいたのか」
「まあ、君達も座りなさい」
舟原先生に言われて俺達は仕方なく開いているベッドやソファに座った。
「他の先生方は?」
ベッドに座った瞬間に、俺は先生にそう言った。
「…探してみればまだいるのかもしれないが…私達が出会った先生達は全員死んだ」
俺は改めてアイツら、SCYの威力を思い知った。
「もしかしたら…俺達しか教師陣は残ってないかもな…」
たしかに生徒達に比べて教師は少ないが、これはないだろう。
「俺達のクラスの生徒は!?」
「たぶん…半分くらいしか残ってないだろう」
「そんな…」
俺の体全体から力が抜けていくのが感じられた。
「そうだ」
浩二がハッとした様に先生達に言った。
「僕達と一緒にいきません?大勢の方が安全だろうですし」
先生達は少し黙って考えると、舟原先生が口を開いた。
「こんな時まで…君達生徒の面倒を見切れないよ、それに私は今ここで死ぬわけには…」
「…そうですか」
キーン、コーン、カーン、コーン
「三時間目が…始まったか…」
「いくか」
俺達六人は保健室から出た。幸いヤツらはいない。
「お前ら」
東先生が俺達四人に言った。
「…気をつけろよ…」
そう言うと、先生達は廊下を走りだした。
「俺達もいくぞ!」
「よしっ!」
気合をいれ、俺達は再び修羅の巷へとくり出した。




