第十一章 二時間目②
俺達は中庭に辿り着いた。
「はあ…」
中庭は惨殺された死体だれけだった。
「池の水も血で赤く染まってる…」
「おい…あそこ!」
浩二が小声で叫んだ。
「人が…」
ぐしゃ…ぐしゃ…
「うえ…」
俺は目を背けた。人が斧でズタズタのされていたのだ。誰なのかは分からないが、絶対冥王小学校の生徒だろう。
「早くここから逃げた方が…ハクション!!」
「バカ!浩二!」
たしかにここは外だし、まだ二月の中旬だから寒いのは当たり前だが、こんな所でくしゃみをする事はないだろう。
「ヤバッ、アイツがこっちに気付いたみたい」
ビュッ
「伏せろ!!」
奥村が叫んでその場にしゃがんだので、俺達も奥村の真似をしてしゃがんだら、自分達の上を、小型の斧が通過していくのが見えた。
「盗み見はよくないぞ!」
巨大な斧を持った少年が俺達に近づいてきた。歳はおそらく十五歳あたりだろう。目の部分になにやら変な機械が張り付いている。
「君達の名前は…鈴木今日子…三堂一郎…奥村昭平…中島浩二…か…君達も俺のいい作品になってくれそうだな!」
少年はそう言うと、物凄い高さのジャンプをした。
「上から切り刻んでやる!!」
「逃げろ!」
俺と今日子は右に、浩二と奥村は左に散った。
「どっちからいこうか…」
着地した少年が俺達四人の方を見渡した。
「んじゃ…こっちにするか!」
少年が俺達の方に走り出した。
「いい芸術作品になってくれよ!三堂一郎!鈴木今日子!」
どんどん俺達二人と少年の差は縮まっていく。
「きゃ」
今日子が木の根につまずいて、派手のこけてしまった。
「シネェ!!!!!」
少年が斧を今日子に向けて振り上げた。
「今日子!」
どうしよう…俺はとっさに持っていた箒を少年の顔に叩き付けた。
「グッ!」
少年は斧を落として、両手で目についている機械を押さえ込んで、その場に座り込んだ。彼に何があったのだろうか?
「いこう!」
今日子が叫んだので、俺達は浩二と奥村の方に走り出した。
「大丈夫か!?」
浩二が心配そうに叫んだ。
「ああ、それにしてもアイツどうしたんだ?」
俺は座り込んで唸っている少年を指差した。
「知らないよ、こんな事俺は」
「いくぞ、お前ら」
俺達は中庭を出て、また再びヤツらからへの逃走を続けた。




