33 見えない同行者
「例の予言者に言われたんだよ。私の使命を果たす相手は、青い剣を持つ、同じ青い髪をした青年だと。そして、その剣の名はラディウス ソリッシュと言うとね」
「アグリモニー星で会った予言者のばあさんも、剣の名を知ってたな。大方、指揮官に助言した予言者も、ロイのお師匠さんの仲間なのかもしれないな」
「ああ、きっとそうだろう」マーティに頷くロイが「指揮官。どうか、剣の名は他言無用でお願いいたします」
「もちろんだ。予言者にも同じことを言われてる。剣の持ち主とその仲間以外に口外してはならないと」
「そうですか」
「それで、シュールというのは?」
「……そうですね。この剣について、その予言者からほかに何か聞いてますか?」
「いや。青い剣で、ラディウス ソリッシュという名前だけだよ」
「そうですか」
『剣に憑りついてる幽霊だよぉって言ったら?』
「プッ」と噴きだすルベル。
「いいのか?」ロイが聞くと「エッ? なんのことかな?」指揮官が聞き返す。
「アッ、いえ、独り言です」
『やっぱり、私の声は聞こえないんだね』
「幽霊の声じゃなあ」ルベルがバーネットを見ると「聞こえないでしょうね」と頷く。
「シュールとは、この剣の別名と思ってください」ロイが説明すると「別名ですか?」
「そうです」
アキレア指揮官はロイを見ると「どうやら、私の知りえない何かがありそうだね。わかった、そういうことにしておこう」
「すみません」
「では、私は一旦戻って、映像視聴許可の申請手続きをするよ。許可が出たら連絡する」
「ありがとうございます。連絡をお待ちしてます」
「指揮官。いつ頃になりそうですか?」待ちきれないバーネットが聞くと「そんなに時間はかからないだろう。一両日中には連絡できると思う」
「指揮官。ありがとう、ございます」笑顔のアニス。
『どんな鳥かな?』ワクワクのシュール。
『写真、欲しいです』無茶を言う「時の宮殿」のルー。
『ルー。写真はダメだと言われただろう?』やんわりと注意する「水の宮殿」のクララ。
『では、それまでは居るとするか』滞在を決める「冥府の宮殿」のコモン。
「指揮官。申し訳ございませんが、先にお帰りいただけるでしょうか」イノンドが立ち上がる指揮官に声を掛ける。「彼らと少し話があるので」
指揮官はイノンドを見ると「そうか。わかった」
ロイが隣のコントロール室にいるエルに連絡して、指揮官を出口まで案内するよう言うと、迎えに来たエルと一緒に、アキレア指揮官が会議室から出ていく。
指揮官を見送って席に着くと「それで、俺たちにどんな話があるんだ?」マーティがイノンドに声を掛ける。「これからの進路のことか?」
「いえ。実は、彼と話がしたいんです」と言って、向かいに座っているコモンを見る。
『俺か?』
「はい。少しいいですか?」
『……わかった』立ち上がると、出入り口のドア横へ歩いていく。




