第九章 原初銀河・永遠創約
しかし、最後の闇はまだ残っていた。
原初の門の奥から、巨大な影が現れる。
それは、名を持たぬ者が長い年月をかけて積み重ねてきた孤独そのものだった。
「私は消えない。孤独は、どれほど光を与えられても、完全にはなくならない!」
ミナトは、その影を見つめた。
「そうかもしれない。寂しい気持ちは、すぐには消えないよね」
影がうねる。
「ならば、何をする?」
ミナトは、ニジたちを振り返った。
「寂しさをなくすんじゃなくて、寂しいときに誰かとつながれるようにしたい」
ユイの光の糸が広がった。
ルミナの透明な光が、その糸を包み込む。
ハジメの白紙の本が開き、まだ書かれていない未来のページが輝いた。
アマネの創世の光が命の可能性を照らし、トワの永遠の記憶が過去から続く想いを支える。
二十四人の守護者たちが、春夏秋冬の光を重ねた。
ニジの虹色の光が、その中心を貫く。
クロノスとバラグは、過去の過ちを忘れずに、新しい約束を守る力を注いだ。
ノエは忘れられた物語の声を届け、セレスは最初の約束を円環へと戻した。
そして、ミナトが両手を広げる。
「ぼくたちは、同じでなくていい。違うからこそ、出会える。離れていても、想いはつながる。誰もが、自分の光を持っていていい!」
三十一の光が、ひとつの円環を描いた。
「原初銀河・永遠創約!!」
その光は、宇宙の始まりへと広がった。
最初の光が分かれたときの記憶。
初めて色が生まれた瞬間。
時間が流れ始めた瞬間。
星が輝き、命が生まれ、誰かが誰かを想った瞬間。
すべての記憶が、ひとつの光の中で響き合った。
黒い影は、ゆっくりとほどけていく。
それは消滅したのではなかった。
孤独という名の闇が、誰かと共に生きるための静かな影へと変わっていったのだ。
原初の門が、再び輝き始めた。




