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四季彩インベーダー24 ――四季彩星の24人の小さな宇宙戦士たち――  作者: さざ波和音


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第五章 セレスの秘密

 三十人が元の世界に戻ると、セレスは円環の前に立っていた。


 その表情には、深い悲しみが浮かんでいる。


「あなたたちは、よく戻ってきました」


 ニジは尋ねた。


「セレスさん。あなたは、最初の約束を守ってきたと言いましたね。では、どうして名を持たぬ者が生まれたんですか?」


 セレスは、長い沈黙のあとに答えた。


「名を持たぬ者は、最初の光から分かれた存在です」


「最初の光から?」


「はい。宇宙が生まれる前、すべての可能性はひとつの光の中にありました。その光は、無数の存在へと分かれました。しかし、ひとつだけ、どこにも分かれなかったものがあったのです」


 セレスの胸元にある円環が、淡く輝いた。


「それは、誰とも出会わず、誰からも選ばれなかった可能性。名も姿も持たず、ただ存在することだけを続けてきたもの。それが、名を持たぬ者です」


 ルミナは悲しそうに目を伏せた。


「誰からも選ばれなかった……。それは、とても寂しいことね」


「彼は、最初の約束に含まれていなかったわけではありません。ただ、自分がその約束の一部だと知ることができなかったのです」


 アマネが気づいたように顔を上げた。


「では、セレスさんは彼を知っていたのですね?」


 セレスはうなずいた。


「私は、彼に約束を伝えようとしました。しかし、彼は私の言葉を受け入れませんでした。そして、私は彼を救うことができなかった」


 ニジは、セレスの瞳を見つめた。


「それでも、今から一緒に向き合うことはできます」


 セレスは、初めて小さく微笑んだ。


「ありがとう。あなたたちなら、彼に伝えられるかもしれません」


 そのとき、円環の中心に、ひとつの空白が現れた。


 そこには、セレスの紋章と同じ形をした、小さな欠けがあった。


 セレスは、その欠けを見つめてつぶやいた。


「最初の約束には、まだ完成していない一節があるのです」


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