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四季彩インベーダー24 ――四季彩星の24人の小さな宇宙戦士たち――  作者: さざ波和音


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第九部 原初銀河の約束  ~すべての光が生まれる前に~

 序章 過去でも未来でもない扉

 交差銀河の図書館に、静かな夜が訪れていた。


 三十人の守護者たちが、それぞれの旅の疲れを癒やしているころ、図書館の窓の向こうでは、星々がゆっくりと瞬いていた。


 白紙の本は、いつものように中央の机に置かれている。


 ハジメは、その本のそばで、今日も新しい物語を書いていた。


「今日は、ミライアの雨の話を書こう。あの星の人たちが、初めて自分の好きなものを見つけた日のことを」


 ハジメが羽根ペンを走らせると、文字のひとつひとつが小さな光になって、ページの上に浮かび上がった。


 そのときだった。


 図書館の奥から、低く澄んだ音が響いた。


 ――ゴーン。


 鐘の音に似ていたが、どこか遠い宇宙の始まりを告げるような、不思議な響きだった。


 ニジが顔を上げる。


「今の音は……?」


 ルミナが窓辺へ駆け寄った。


「みんな、見て!」


 交差銀河の彼方に、あの扉が浮かんでいた。


 第八部の終わりに現れた、過去でも未来でもない、不思議な紋章を刻んだ扉。


 しかし、以前とは様子が違っていた。


 扉の周囲には、無数の光の輪が広がり、その奥から、色とも時間とも呼べない不思議な輝きが漏れていた。


 アマネが胸元の創世の紋章を押さえる。


「この気配……創世銀河よりも、さらに古い。宇宙が生まれる前の記憶に似ているわ」


 トワも、静かに目を閉じた。


「永遠星の記録にもない。時間が始まる前には、まだ時間という概念さえなかったはず……」


 ニジは、仲間たちを見渡した。


「行ってみよう。あの扉は、ぼくたちを待っている気がする」


 三十人は、光の扉の前に集まった。


 ハジメが白紙の本を抱え、扉の紋章にそっと触れる。


 すると、表面に文字が浮かび上がった。


『すべての物語には、始まりがある。では、始まりを生んだものは何か。』


 扉が、ゆっくりと開いた。


 その向こうには、星も、銀河も、時間も存在しない、果てしない光の海が広がっていた。


 そして、その海の彼方から、誰かの声が聞こえた。


「ようやく来たのですね。三十の光を受け継ぐ者たちよ」


 その声は、懐かしくもあり、初めて聞くものでもあった。


「あなたたちが歩んできた物語には、まだ語られていない最初の約束があります」


 ニジは一歩、光の海へ踏み出した。


 第九部の冒険が、始まろうとしていた。


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