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四季彩インベーダー24 ――四季彩星の24人の小さな宇宙戦士たち――  作者: さざ波和音


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第三章 消えゆく未来の文字

 ミライアの空に現れた亀裂は、少しずつ広がっていた。


 その向こう側には、星も光も見えない。


 ただ、何も描かれていない巨大な空白が広がっていた。


 トワが目を閉じる。


「これは、記憶を消す力ではない。未来そのものを、まだ存在しなかったことにしようとしている」


 アマネは創世の紋章を輝かせた。


「生命の始まりを拒む力……。でも、自然に生まれようとするものを、誰かが無理に消している」


 そのとき、ミライアの住人たちが一斉に空を見上げた。


 彼らの胸元から、かすかな光が浮かび上がり、空白へ吸い込まれていく。


 雨の音を好きだと言った住人も、胸を押さえて倒れ込んだ。


「私……今、何かを感じていたはずなのに……」


 ルミナが駆け寄る。


「大丈夫! その気持ちは、消させない!」


 しかし、住人の胸元の光は、どんどん弱くなっていった。


 そのとき、白紙の本がニジの手の中で震え始めた。


 ページが風もないのにめくられ、何も書かれていなかった紙の上に、文字が浮かび上がる。


『未来を恐れる者が、未来を閉じようとしている。』


 そして、次のページには、ひとつの名前が現れた。


「ノクス」


「ノクス……。これが、敵の名前なのか?」


 ユイが問いかけた。


 その直後、空白の亀裂から、黒い衣をまとった人物が現れた。


 顔は仮面に覆われ、その手には、文字のない長い杖が握られていた。


「私はノクス。未完の物語を閉じる者」


 その声は、静かで冷たかった。


「まだ生まれていない物語など、必要ない。未来は不確かで、希望は人を傷つける。ならば、何も始まらなければ、誰も悲しまずに済む」


 ニジは一歩前に出た。


「悲しみを恐れる気持ちは分かる。でも、だからといって、未来を奪っていい理由にはならない!」


 ノクスは答えた。


「君たちは、出会いを語り、友情を語り、奇跡を語る。しかし、その先には別れもある。失敗もある。失われるものもある。なぜ、そんな不確かなものを守ろうとする?」


 クロノスが、静かに前へ進み出た。


「私もかつて、同じように考えていた。色を奪えば、悲しみも消えると思っていた。だが、それは間違いだった」


 バラグも続いた。


「物語を断ち切れば、苦しみも終わると思っていた。だが、物語を奪われた者は、苦しみの中に取り残されるだけだった」


 ノクスは二人を見つめた。


「過ちを犯した者たちが、未来を語るのか」


 ニジは答えた。


「そうだよ。間違えたからこそ、ぼくたちは知っている。未来は、誰かが決めてしまうものじゃない。自分たちで選び、つくっていくものなんだ!」


 ノクスの杖が輝いた。


「ならば、君たちの物語も、ここで閉じよう」


 黒い光が、ミライアの空を覆った。


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