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四季彩インベーダー24 ――四季彩星の24人の小さな宇宙戦士たち――  作者: さざ波和音


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第二章 色を持たない星、ミライア

 白紙の本が示した星は、交差銀河の外れに浮かぶ、小さな惑星だった。


 その星の名は、ミライア。


 地表には草原が広がり、山々が連なり、透き通った川が流れていた。


 けれど、不思議なことに、そこには色がなかった。


 草は白く、空は淡い灰色で、川は透明なまま光を映していない。


 花は咲いているのに、花びらの色が分からない。


 鳥は空を飛んでいるのに、羽の模様が見えない。


 そして、星の住人たちは、みな同じような姿をしていた。


 誰もが穏やかで、争いもなかった。


 しかし、誰も笑わず、誰も泣かず、誰も誰かを特別に思うことがなかった。


「ここは……とても静かだけれど、少し寂しいね」


 春の桜花隊のひとりがつぶやいた。


「花が咲いているのに、春の色がない。夏の海も、秋の夕焼けも、冬の雪明かりも感じられない」


 蒼海隊の仲間が、遠くの川を見つめた。


 そのとき、ひとりの小さな住人が近づいてきた。


「旅の方々。あなたたちは、どこから来たのですか?」


 ニジが答える。


「ぼくたちは、交差銀河から来たんだ。この星のことを知りたくてね」


 住人は首をかしげた。


「交差銀河……。それは、物語が集まる場所ですか?」


「そうだよ」


「では、私たちにも物語があるのでしょうか?」


 その問いに、ニジはすぐには答えられなかった。


 住人は続けた。


「私たちは、毎日同じように暮らしています。生まれたときから、何も変わりません。誰かと出会っても、別れても、心に残るものがないのです」


 ルミナは、そっと住人の手を取った。


「あなたは、何か好きなものがある?」


「好き……?」


「きれいだと思うものでも、うれしいと思うことでもいいの」


 住人はしばらく考えた。


 やがて、小さな声で答えた。


「……雨の音が、少し好きです」


「どうして?」


「分かりません。ただ、雨が降ると、世界が私に話しかけてくれるような気がするのです」


 その瞬間、住人の胸元に、小さな水色の光が灯った。


 ルミナの瞳が輝いた。


「見て! あなたの心に、色が生まれたよ!」


 しかし、その光はすぐに消えてしまった。


 住人は驚き、胸元を押さえた。


「今のは……何だったのでしょう?」


 アマネは静かに答えた。


「あなたの中にあった、まだ名前のない気持ちよ」


 そのとき、遠くの空に、黒い亀裂が走った。


 ミライアの空に、白紙のような闇が広がり始めていた。


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