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四季彩インベーダー24 ――四季彩星の24人の小さな宇宙戦士たち――  作者: さざ波和音


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第五章 断章王バラグ

 交差銀河の中心に近づくほど、周囲の光は弱くなっていった。


 道標の文字が消え、星々のつながりがほどけていく。


 遠くに見えた銀河が、少しずつ紙片のように裂け始めた。


 そして、空から無数の黒いページが降ってきた。


 そのページは地面に触れると、黒い霧となって広がっていく。


「これは、何なの?」


 ルミナが尋ねた。


 司書は、深刻な表情で答えた。


「断章です。物語を途中で切り離し、つながりを失わせる力です」


 そのとき、黒い霧の向こうから、一人の王が現れた。


 身体は破れた本のページでできているようだった。


 頭には、黒い文字が絡み合った冠を戴いている。


「私は断章王バラグ」


 王の声は、古びた紙を裂くように乾いていた。


「物語など、すべて終わらせてしまえばよい」


 ニジは前に出た。


「どうして、そんなことをするんだ!」


 バラグは、冷たい笑みを浮かべた。


「物語は、誰かを喜ばせる一方で、誰かを悲しませる。出会いがあれば別れがあり、願いがあれば失望がある。ならば、物語そのものを断ち切ればよい」


 ルミナは、首を横に振った。


「悲しい出来事があっても、物語には優しい時間もあるよ」


「優しさなど、いつか忘れられる」


「それでも、誰かの心に残ることがある!」


 ノエが叫んだ。


 バラグは、ノエを見た。


「お前は、忘れられた物語の残りかす。誰にも覚えてもらえなかった存在だ」


 ノエの身体が震えた。


「わたしは……」


「お前に続きなど必要ない。物語は終わったのだ」


 その言葉とともに、黒いページがノエを包み込もうとした。


 しかし、ニジが飛び出し、ノエの前に立った。


「ノエの物語は、まだ終わっていない!」


 二十八の守護者たちが、一斉に構えた。


 バラグの背後には、巨大な黒い本が浮かび上がっていた。


 その本の表紙には、こう記されていた。


『終わりのない断章』


 そして、戦いが始まった。


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