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四季彩インベーダー24 ――四季彩星の24人の小さな宇宙戦士たち――  作者: さざ波和音


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第三章 物語を失った少女、ノエ

 大きな本の中から、一人の少女が現れた。


 年齢は、ニジたちより少し幼く見える。


 髪は夜空のような深い藍色。


 瞳には、星の光が宿っていた。


 しかし、その表情には、どこか寂しさがあった。


「あなたが、わたしを呼んだの?」


 ルミナが尋ねると、少女は小さくうなずいた。


「わたしの名前は、ノエ」


「ノエちゃんは、この村に住んでいるの?」


「ううん。わたしは、物語の中にいたの。でも、物語が忘れられてしまって、どこへ帰ればいいのか分からなくなったの」


 アマネは、ノエのそばへ歩み寄った。


「どんな物語だったの?」


 ノエは、少し考えた。


「分からないの。わたしには、始まりも、終わりもないから」


 ニジは優しく尋ねた。


「それでも、何か覚えていることはある?」


 ノエは、胸に手を当てた。


「誰かが、わたしを待っていた気がする」


「誰か?」


「うん。とても大切な人。でも、その人の顔も、声も、思い出せないの」


 ルミナは、ノエの手を握った。


「思い出せなくても、探していいんだよ。わたしたちも一緒に探すから」


 そのとき、ノエの足元に小さな光が現れた。


 光は、一本の細い糸になって、図書館の外へ伸びていった。


 司書は驚いたように言った。


「これは……物語のつながりを示す糸です」


 アカシアが、その糸を見つめる。


「この糸をたどれば、ノエの物語の続きを見つけられるかもしれません」


 ノエは、ニジたちを見上げた。


「本当に、一緒に来てくれるの?」


 ニジは笑顔で答えた。


「もちろん。物語の続きを見つけるまで、ぼくたちは一緒だよ」


 ノエは、初めて笑った。


 その笑顔は、長い夜の向こうから届いた朝日のように、静かで美しかった。


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