第三章 永遠王エターナス
時計塔の最上階に、一人の王がいた。
白銀の冠を戴き、星の輝きを織り込んだ衣をまとっている。
その姿は美しく、威厳に満ちていた。
しかし、瞳の奥には深い孤独が沈んでいた。
「私が永遠王エターナスだ」
王は、二十七人を見渡した。
「創世海から生まれた星々は、いつか滅びる。愛する者も、いつか去っていく。お前たちは、それを受け入れられるのか?」
ニジは答えた。
「悲しいことはあるよ。でも、だからといって、時間を止めてしまうのは違うと思う」
エターナスは静かに笑った。
「まだ若いな。お前たちは、失うことの本当の意味を知らない」
その瞬間、王の背後に巨大な光の輪が現れた。
輪の中には、永遠星の人々が映し出されている。
「私は、この星のすべてを守っている。誰も老いず、誰も別れず、誰も傷つかない。これ以上の幸福があるだろうか」
ルミナは、王の目を見つめた。
「でも、王様は幸せなの?」
エターナスの表情が、一瞬だけ曇った。
「何を言う」
「王様は、ずっと誰かを待っているように見える」
その言葉に、王の指がわずかに震えた。
「黙れ」
王は手を掲げた。
時計塔全体に無数の光の鎖が走り、二十七人を包み込もうとする。
ニジたちは身構えた。
しかし、アマネが前へ出た。
「王様。あなたが守りたい人は、今もここにいるの?」
エターナスは答えなかった。
ただ、遠くの窓を見つめていた。
そこには、時の止まった庭園があった。
一本の大きな桜の木。
その根元には、小さな少女の姿があった。




