第四章 創世の番人アカシアの秘密
一行は、創世海の中央に浮かぶ巨大な神殿へと向かった。
そこには、古代の文字と、見たこともない紋章が刻まれていた。
神殿の奥には、ひとつの大きな扉がある。
扉には、二十七個の光を受け止めるための紋章が並んでいた。
しかし、そのうち一つだけが、まだ空白だった。
「これは、何の紋章なの?」
ニジが尋ねた。
アカシアは、しばらく沈黙した。
「実は……私には、皆さんに伝えていなかった秘密があります」
仲間たちは、アカシアを見つめた。
「私は時の始祖と呼ばれています。しかし、時間そのものを生み出した存在ではありません」
「では、アカシアは何者なの?」
ルミナが尋ねる。
「私は、創世海から生まれた最初の時の守り手です。宇宙に時間が流れ始めたとき、その流れを見守る役目を与えられました」
アカシアは、扉の空白を見つめた。
「そして、この二十七番目の紋章は、私にも理解できないものでした」
「どうして?」
「この紋章は、命が生まれる前から存在する、まだ形を持たない可能性を表しているからです」
そのとき、神殿の床が震え始めた。
扉の奥から、無数の記憶があふれ出す。
アカシアは目を閉じた。
「私は長い間、時間を守ることだけが自分の使命だと思っていました。でも、時間を守るだけでは、新しい命は生まれません。未来を信じる心が必要なのです」
ニジは、空白の紋章に手を伸ばした。
すると、紋章の周囲に二十六の光が浮かび上がった。
春の桜色。
夏の蒼海色。
秋の紅葉色。
冬の銀雪色。
そしてニジの虹色、ルミナの透明な光。
二十六の光は、ゆっくりと空白の紋章を包み込んだ。
その奥で、誰かが目を覚まそうとしていた。




