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四季彩インベーダー24 ――四季彩星の24人の小さな宇宙戦士たち――  作者: さざ波和音


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第三章 生まれなかった星の記憶

 創世海の入り口にたどり着いた一行は、そこで不思議な惑星を発見した。


 その星には、大陸も海も山もなかった。


 ただ、広大な銀色の砂原が広がっていた。


 星の中心には、一本の枯れた樹木が立っている。


 枝には葉がなく、幹には無数の小さな光の跡が刻まれていた。


 ルミナが近づくと、樹木の表面に淡い文字が浮かび上がった。


『生まれることのできなかった星々の記憶』


「生まれなかった星……?」


 ニジがつぶやく。


 その瞬間、周囲の景色が一変した。


 一行の前に、無数の幻影が現れた。


 海を持つはずだった星。


 花を咲かせるはずだった星。


 笑い声の響くはずだった星。


 それらはすべて、誕生する直前に創世海の光を失い、存在することができなかった世界だった。


 小さな星の幻影が、ニジに語りかけた。


「ぼくたちにも、空が欲しかった」


 別の幻影が続ける。


「わたしたちにも、誰かと出会う未来が欲しかった」


 ルミナの胸が痛んだ。


「生まれることができなかった命にも、願いがあったんだね……」


 クロノスは目を伏せた。


「私もかつて、自分の過ちによって多くの未来を奪った。生まれるはずだった可能性まで、消してしまったのかもしれない」


 ニジはクロノスの肩に手を置いた。


「過去は消せない。でも、これから何をするかは選べるよ」


 そのとき、枯れた樹木の根元から、小さな光が現れた。


 光は、ゆっくりと形を変え、ひとつの種になった。


 それは、まだ何の色も持たない透明な種だった。


 ルミナはその種を両手で包み込んだ。


「この種は、まだ生まれることを諦めていないんだ」


 すると、遠くから先ほどの声が響いた。


『無駄なことだ』


『生まれなかったものは、永遠に生まれない』


 ニジは、光を失いかけた種を見つめた。


「そんなことはない。未来は、まだ決まっていない!」


 その言葉に応えるように、透明な種が一度だけ、かすかに瞬いた。


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