↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
35/94

第五部 創世銀河の秘密 ~宇宙の外側に眠る、27番目の奇跡~

 序章 宇宙の果てに響く声


 幻色銀河に、再び色彩が戻ってから、いくつもの星月日が過ぎていた。


 春には桜の花びらが風に舞い、夏には青い海が太陽の光をきらめかせる。秋には黄金色の木々が大地を染め、冬には真白な雪が静かに星の丘を覆っていた。


 四季彩星には、穏やかな日々が戻っていた。


 24人の守護戦士たちは、それぞれの季節の星で人々と暮らし、25番目の光ニジと、26番目の守護者ルミナも、仲間たちとともに平和を楽しんでいた。


 かつて宇宙を脅かしたクロノスも、今では失われた星々の再生を手伝いながら、過去の過ちを償う旅を続けている。


 時の始祖アカシアも、時空の流れを静かに見守っていた。


 幻色王ヴェイルもまた、色を失った世界を訪ね歩き、違いを認め合うことの大切さを伝えていた。


 すべてが穏やかに見えた、その夜。


 ニジは、四季彩星の高い丘に立ち、果てしなく広がる星空を眺めていた。


 隣にはルミナがいる。


「ねえ、ニジ。あの星たちの向こうには、何があるんだろう?」


 ルミナが小さな指で夜空を指した。


「まだ見たことのない星が、きっとたくさんあるよ」


「それじゃあ、その星の向こうには?」


 ニジは答えようとして、言葉を止めた。


 その瞬間だった。


 星々の輝きが、一斉に揺らいだ。


 夜空の彼方から、これまでに聞いたことのない声が響いてきた。


『二十六の光を宿す者たちよ……』


 その声は、遠く離れた場所から届いているようでありながら、まるで心の奥底に直接語りかけてくるようだった。


『よくぞ、ここまで歩んできた』


 ニジは空を見上げた。


「あなたは誰ですか?」


『私は、星が生まれるよりも前、色が生まれるよりも前、時さえまだ流れていなかった頃から存在するもの』


 ルミナの瞳が大きく開いた。


『宇宙の外側に広がる、創世海へ来なさい』


 その声とともに、星空の一角がゆっくりと開いていった。


 そこには、無数の光が流れる巨大な海が広がっていた。


 海なのに水はない。


 波なのに音はない。


 そこには、まだ形を持たない星のかけらや、誕生する前の命の輝きが、淡い光となって漂っていた。


 ニジは思わず息をのんだ。


「宇宙の外側……」


 ルミナは胸に手を当てた。


「何かが、わたしを呼んでいる気がする」


 そのとき、二人の前に、金色の小さな光が一つ現れた。


 それは、まるで遠い昔から二人を知っているかのように、優しく瞬いていた。


 そして、光の中から最後の言葉が聞こえた。


『二十七番目の奇跡が、目覚めようとしている』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。