横恋慕と命名
注※今回のお話ではステラがアリスの手で実質的に死亡します、なので読む前に覚悟してから読んでください。
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泣き疲れたヴィンデが眠ってしまった後、デュランはヴィンデを客間のベッドへ寝かせてきてから再度話し合いを再開した。
「……さてと、じゃあアリスにステラ。さっきのヴィンデの話を聞いた上で考えを纏めたんだが。
そのカオスってやつが現状どこで何をするのか分からない以上、世界中の国々へこの情報を秘密裏に伝えるべきだと俺は考えてる。
アリス達はどう思う? 二人の意見を聞かせてくれ!!」
……さっきは空気を読んで突っ込まなかったけど、未だにピンク色のメイド服と猫耳はそのままなの草。ステラはさっきまで黙ってて空気だったし(笑)
「僕はデュランの意見に賛成だよ! 相手は神様だから最悪の最悪くらいを想定した方がいいと思うしね!!
……ただそのままバカ正直に情報を伝えようとしてもねじ曲げられるだけだと思うから話す相手は国の上層部の人達と国を守る騎士団長や剣帝の人達に限定するべきだと思う。
僕達へ情報を話す許可をお母様に与えたと言うことはそういう行動に出るのはカオスさん? も分っているはずだから」
「私はウィンクルム連合王国の上層部やヘルト達に一番最初に相談してどうするか方針を決めるのがいいと思います、今回の話は国単位で対処しなければいけない事柄ですから」
「……そうだな。正直祭り上げられる気しかしないから気は進まないんだが、ウィンクルム連合王国の上層部には俺がデュラン・ライオットの生まれ変わりであることを伝えた上でコンタクトを取ろう。
剣帝であるレウスと現国王のヘルトの言葉もあれば信じてもらえる筈だからな。
……本当に気は全然進まねぇがな、ハァッ」
本当に嫌そうな顔をしながら部屋を出て行ったデュランの姿を苦笑しながら見送った後、アリスはそう言えば今日のステラはいつもみたいにデュランへの告白をしていなかったことを思いだし。
いつもは嫌がらせかのようにこちらの迷惑を考えずにどこでも告白してるけど、何故今日はデュランへ告白しなかったの? と興味本位でアリスが聞いてみると「さすがにあの状況で告白するほど恥知らずじゃないです、私は」という驚きの答えが返ってきたため。思わずアリスはステラを殴り倒してしまった。
アリスは内心しまったと思ったが、自身の夫のストーカーである目の前のステラを潰すいい機会だと考え直した後。
春風――百年前にデュランからプレゼントされた棒状の武器――を倒れたステラの首に叩きつけた。
……こ、恐い。
「……じゃあさ、僕の夫への誘惑や告白をしないでよ。
いつもウジ虫をデュランに内緒で殺そうか悩むくらい、僕はそれが嫌なんだ。
けど僕達が争ったらデュランが悲しむから、必死に我慢してるんだ。
だからさ、あんまり好き勝手するんだったら――本当に殺しちゃうよ??」
「――ッ!!?」
ステラはアリスの無表情と目の前に巨大な鎌を持った死神の姿で可視化された強烈な殺気を感じ取り、脅しではないと悟って冷や汗を流しながらもニヤリと笑みを浮べた。
その表情が気に入らなかったアリスはもう一度ステラの首へ春風を叩きつけた後、ステラの両手両足をへし折った。
「ッ~~~~~~~!!!!!!?」
「声が出ないことが不思議そうだね? デュランがこないようにお前の声を奪っているに決まってるでしょ、バーカ。
目は口ほどに物を言うからね、お前の煩わしい声なんか――最初から聞く気はないんだよ。
お前が今しなくちゃいけないのは惨めったらしく頭を僕に下げて反省することだけなんだ。分ったら瞬きを三回連続でしてくれ」
そこまで言われてもステラは瞬きをすることはなく顔を背けたので、アリスは春風でステラの手足の指を一本ずつ潰していったが。ステラが態度を改めることは無かった。
その様子を目にしてこれは何をしても無駄だと理解したアリスはステラの頭を掴み、かつて自分が魔物の進化した個体である魔王からやられそうになった洗脳をステラへと使うことを決めた。
「ステラ、今から洗脳をしてあなたの頭の中からデュランへの恋情の大半を削除させてもらうね。
一応言っておくけどそれ以外は何もしないから安心していいよ? まあ――ステラにとっては死ぬよりも辛いんでしょうけど、いい気味だわ」
「――ッ!!!!!!!!!!?」
アリスがそういうとステラは死に物狂いで暴れ出したが、体と魂をいつの間にか鎖で縛られていたため。一ミリすら体を動かせずにアリスの洗脳が発動した。
「バイバイ、デュランに恋していたステラ。
次のあなたとはきっと仲良く出来ると思うわ――私とデュランの子供ですもの」
アリスは死んだように目を閉じたまま動かないステラの頭を優しく撫でてから全ての怪我を治した後、何食わぬ顔で部屋を出て行った。
実質的に自分の実の娘を殺したような物なのにも関わらず、部屋を出るアリスの顔は笑顔で足取りも軽かった。
……アリスもデュランのバカに脳みそを焼かれてるからなぁ、しかたない結末だよね。うん、これ以上はノーコメントで。
部屋を出た後、デュランは廊下の鏡を目にしたことでまだピンク色のメイド服と猫耳と尻尾がそのままだったことに気がついたが。
今さら部屋へ戻るのも面倒くさかったので服だけいつもの物に変えて猫耳に関しては諦め、尻尾は服の中に隠してからレウスの部屋へと向かった。
「――というわけでなるべく早くウィンクルム連合王国の上層部やヘルトと会談したい。悪いけどレウス、頼んだ。
後、国の上層部には俺がデュラン・ライオットの生まれ変わりであることを明かして話の信憑性を上げといてくれ、突拍子もな話だからな」
「分かった!! すぐに行ってくる!!!
けど……それはそれとしてデュラン、その猫耳はどうしたんだい??」
「……アリスからのおしおきで生やされただけだよ、いいから早く行けよ」
聞かれたくなかったことを聞かれたデュランはそう言うとアリスにこの呪いを解いてもらうため、部屋のある方向へと歩き出した。
そして何故か機嫌がいいアリスと廊下の途中で出会い、呪いを解いてもらってからデュランの修行相手として用意されたという泥人形が待っている外へと向かった。
「……へぇ、聞いてはいたけど顔とかも全く一緒なんだな。少し変な感じだ」
「そうですか、ワタシにはそういった感情はないのでよく分かりませんが顔を変えたほうがいいですか? すぐに出来ますよ??」
「別にそこまでしなくていい、それよりお前の名前を聞かせてくれないか? そうじゃないとなんて呼べばいいか分からないからな」
「……名前、ですか」
デュランが名前を教えてくれというとスワンプマンが首を傾げたため、どうしたのか聞いてみると名前がないという驚きの答えが返ってきた。
デュランは思わず頭を抱えながら親玉のカオスからはなんて呼ばれていたか聞いても剣神としか言われたことがないと返され、もう色々と面倒くさくなったのでスワンプマンに「お前の名前は剣で決定な、異論は認めない」と言って話を打ち切った。
幸い名前を気に入ったようだったのでスワンプマンの名前は剣となり、後々レウス達が剣を家族扱いしたので彼の名前は剣・クラインハルトとなった。
その後は修行相手である剣の強さが気になり、クラインハルト邸の庭で木刀を使った模擬戦を剣としたがデュランは何一つとして反応できずに敗北した。
剣が予想以上よりも強くて大喜びのデュランは本気で剣と闘うため、死んでもすぐに生き返る夢の世界へアリスに連れて行ってもらってから戦闘を開始するのでした。
「そんじゃあ、剣先生!! 全力で殺し合おうぜッ!!」
「……分りました」
……殺し合いは全力でするものじゃねぇだろ、常識的に考えて。やっぱり戦闘狂の考えは理解できねぇなッ!
※よいこはマネしないでね。
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少し前まで参加していた自主企画【気に入ったキャラクターのAIイラストを作りたいと思います。】の主催者である幸さんからイラストをいただいたので下に貼っておきます。とても素敵イラストですので是非見ていってください。
幸さん、本当にありがとうございました!




