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9/11

東京探訪_アキバ編5

 さてこのアップルパイの実力はいかがなものか。

 外箱からはほのかに温かみを感じる。


 このクソ暑い時期になぜ私はホットスナックを選んでしまったのだろうか、ポップアップして出てきたサイドメニューの中にはマックフルーリーだってあったじゃないか。


 すこし健康志向でサラダを選択する余地だってある、、、ないな。


 ファストフード食いにきてサラダはないわ、うん。


 マックに求めるものは油と塩分、それとなけなしの野菜であってその均衡を崩すことは許されない。


 故に、この数々のサイドメニューから選びたかったわけでもないけど、注文の仕方が分からないが故に無駄に注文したこのアップルパイはあながち間違いではないのだ。




 よし、自己暗示終了。


 さて、私の家の近くで販売されていないこのアップルパイの力、私にとくと見せたまえ。


 見た目・・・こんがり狐色、ヨシ

 温度・・・ほんのり温かみを感じる、ヨシ

 香り・・・油って感じの奥にほのかな甘味とシナモンの匂い、ヨシ

 味・・・カリカリのパイ生地の中にドロッとしたジャムがっあっあっちゅっつああぁあああぁあああああ


 なんだこれ!

 出来立てかよ!

 ファストフードのくせに!

 出来合いじゃねぇのかよ!

 神か?いやアホかぼけ。


 完全に想定していなかった、いや、想定はできたことだけど回避できなかった。

 まさかこんなところでこんなダメージを受けるとは、、、

 もう口の中はデロンデロンだぞ。


 くっそ、なんだよ、、、うめぇじゃねぇか。

 口の中やけどしたけどうめぇじゃねぇか文句言えねぇじゃねえか。

 砂糖をふんだんに使用したまごうことなくジャンク感満載なジャムのくせにアップルパイとして綺麗に整っている。

 これはシナモンの配合をうまくやってるのか果汁の比率がうまいのかなんなのかよく分からんけどうまい。

 パイのサクサク感も相まってこれはだいぶ完成された1品だ。

 1個140円という値段に若干顔が引き攣ってしまったが、これなら納得の味だ。

 多分これは冷めてもうまいんだろう。

 どうせこのパイ生地部分もサクサク感が残るようになってるだろうし。


 あ〜、紅茶が欲しい。

 この甘さには紅茶が欲しい。


 そんなに渋くなくていい。

 リプトンがいい。

 リプトンのレモンティー、あれ好きなんだ。

 持ち帰りってできたんだっけか。


 あ、モバイルオーダーってのがあったな、あれ試してみたいんだよな。

 ほ〜ん、アプリ入れたればええんか、ほ〜ん。

 何これ、最寄りのマック自動で調べてマップ上に表示してくれんの?

 え、初回利用でクーポンつくの?


 、、、あ、アップルパイのクーポンある。

 フィレオフィッシュも、、、。





 買ってしまった、また一つ荷物が増えてしまった。

 だいたい、朝に買った牛タン弁当が残っているのになぜまた別の食料を買ってしまったのか?

 お金は無限じゃないんだぞ、無駄にできないんだぞ。


 今更こんなことを思ったところで紙袋に入っているフィレオフィッシュがなくなるわけではない。

 先ほど自らを愚かだと体感したところじゃないか、覆ることはない。

 愚か者は愚か者なりに人生を歩むしかない。


 さてと、お腹も膨れたところで私は次何をしよう。


 ここはアキバ、戦後の闇市から歴史を積み重ね今や日本のサブカルチャーを牽引する場所へと変貌した。


 私としては嬉しいような寂しいような、昔栄えていたという電気街も今や通販サイトに押され衰退気味だそうだ。

 私はこの電気街の部分がしぶとく生き残って欲しいのだが、時代の潮流には逆らえないということなのだろうか一つまた一つとシャッターに閉ざされていくところを想像すると、故郷でもないのに衰退していく地元の商店街を想像して悲しくなる。


 いくら都会の東京でも寂れていくものがあるんだなと感じる。


 最近ニュースでやっていたが、店じまいしたスペースではレンタルショーケースなんてものをやっているらしい。

 なんでも個人のコレクションを並べておいておける他、販売することもできるらしい。

 いずれ行ってみよう。


 私がまず行かなければならないところは電子部品屋だ。

 そこに浪漫を感じてここまできたのだ。

 電子工作ができるわけでも部品に興奮する変態でもないが、古き良きを味わうには最適だと考えた。

 そうここは電気の街・秋葉原!ここには電波少年が集い趣味に没頭した結果、他の街に比べ一際尖った文化を築き上げてきた街だ。


 ひとまずこの「東京ラジオデパート」に行ってみよう。

 Google先生に聞いたら古くからある店がいっぱい入ったビルらしい。

 ここからの距離もそう遠くない。


 日も落ちてきたが、それと同時に際立ってくるのが店の明かりと煌々と煌めく電飾の輝きだ。

 これが眠らない街東京と言われる所以なのだろうか?

 いや、そう言われているのは歌舞伎町の方だったような気もする。

 ただまぁ実家の方に比べると明らかに夜の明るさが違う。

 眩しくて上しか見れないほどだ。


 今までお上りさんだと思われないようになるべく下を見るようにしていたが、今は下も前も横も眩しすぎて直視することができない。

 必然的に上を向くが、時々あるビルの電飾に目を焼かれるので首から上が忙しない。


 側から見たらなんだこいつみたいになってるんだろうな。


 線路の下に掘られたアンダーパスを通り抜け大きな交差点を左に曲がる。

 今朝見たような見ていないようなそんな気がする道を通り抜け高架橋の真下あたりにある横断歩道の先に目的地はあった。


 電光掲示板には「東京 ジオデパート」と書いてあった。

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