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第四話

「弟としてね・・・」



言いにくそうに早苗は淳に告げた。

「・・・弟?」

淳はボー然として早苗を見つめた。そこにはいつもの優しい目で見てくれている早苗がいた。


「そう・・・なんだ。私には君は、大好きな大切な一人の弟にしか見えない。それが私の正直な気持ち・・・なんだ。ホントは最後にそんな大切な弟にこれから頑張れってエールを送りたかったんだ」


淳の頭の中は空っぽだった。

(何を・・・何て返したらいいんだろう。俺は何て返したらかっこつくんだろう。)



そんなことが頭を回っている間も早苗はせきを切ったかのように淳の素敵な好きな所を並べていっている。

「・・・それでね、淳はいつもみんなに・・・」


「早苗さん!!」


急に大きな声を出した淳を早苗がびっくりしたように見つめた。

「どした・・・?」

早苗が問いかける。淳は一つ深呼吸をして息を整える。


「俺は、早苗さんを愛しています!!誰よりも、誰よりも愛しています!!お願いします!!」


世界中で一番使われている愛の言葉をぶつける淳。ホントは分かっていた。どんな返事が返ってくるのかも。ホントは分かっていた。どんなに頑張っても早苗の気持ちが変わらないことを。





「・・・ごめんね。」

早苗さんはじっと俺の目を見て謝ってくれた。

「本当にごめんね、ごめんね。」

何度も何度も謝ってくれた。そこにはいつもの優しい目をしている早苗さんがいた。あの時・・・告白した時に見えた涙の・・・内面の早苗さんはそこにはいなかった。


その時点で俺は気付いた。

(あぁ、この人をこれ以上苦しめちゃいけない。早く諦めてあげなきゃ余計辛くさせてしまう・・・)

そう思ったらふっと気持ちが冷めてしまった。まるで好きだという気持ちにふたをされてしまったようだった。


それから一時間くらい二人で話し合った。これまでのこと、これからのこと。


そして別れの時間が来た。

「じゃあね!淳。これからも勉強・バイト頑張るんだぞ!!これが伝えられただけで私は気が済んだよ〜」

「ありがとうございます。」

俺はぺこぺこ頭を下げた。他人から見たらふった人、ふられた人には見えないだろう。本当に姉弟に見えたりして。頭の中で変な自問を繰り返す。


「バイバイ」

早苗が去っていく。それを手を振り見送る俺。


「早苗さん!!」

言葉が・・・口を勝手に出た。

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