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勇者召喚に巻き込まれた俺は第二の人生と思って楽しむ事にする  作者: 望


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8/10

魔法が一応使える様になる


 食事を終え洗い物を食洗機に任せた俺達は居間に戻り、地球の機械を動かす電気と言う物の説明をフレイにすると、

 フレイ「成程ね・・・、シモンの居た世界には魔力が無い代わりに電気を作り出し、それを利用して便利な道具を動かし生活しているのね」

フレイは手の平を自分の目の前に持ち上げ、手の平からバチバチッと電気を発生させ、

 フレイ「これがあの冷蔵庫やお皿を洗ってくれる道具を動かしてるのねぇ・・・」

不思議そうにするフレイは、

 フレイ「この空間では魔法を使えるけどシモンの世界では使えないのかしらね?」

そう言われてどうなんだろう?と考え、そもそも魔力があるかどうかも分からないが、そういえば動画とかで嘘か本当か分からないけど空中浮遊とか科学的に証明出来ない事をする人とかはいたなと思いながら、

 俺「魔力がそもそもどんな物か分からないので、あったかどうかは分からないですね、嘘か本当か分からない特殊な能力を持った人はいたっぽいですけど・・・」

 フレイ「シモンは確か魔力自体は持っていたわよね?」

召喚された時に鑑定され、その時のステータス欄の魔力は他のステータスの中では一番高かった覚えがあったので、

 俺「有りましたよ?確かステータスの中では一番高かったですよ」

 フレイ「この空間を出す時に魔力を使っているはずなんだけど・・・、何か感じてないかしら?」

そう言われてマイホームを出す時を思い出してみるが、特に何も感じた事が無いので、

 俺「何も感じた事が無いですね」

そのまま伝えると、

 フレイ「何も感じないって事は使用魔力が少ないのかしら?それとも特殊な固有能力だから魔力消費が少ないのかしら?」

顎に手を当て何か考えながら呟くフレイは、

 フレイ「魔法は体内の魔力を使って使用するから、魔力を使う感覚が分かっていると教えやすいのよね・・・、どの属性に適性があるかも分からないしとりあえず・・・、コレをあげるわ」

フレイが空間収納から取り出した分厚い本を渡して来たのを俺は受け取るのだった。


 受け取った分厚い本のタイトルに初級魔法と書かれており、

 フレイ「それがエルフ族が1番最初に覚えさせられる初級魔法の教本よ、ただ歩いて旅するよりそれを読んで試しながら得意な系統を見つけながら行きましょうね?」

知らない文字なのだが読もうとすると勝手に日本語が浮かび上がる事に、そういえば異世界に来てから文字の読み書きに今更困っていなかった事に気付き、

 俺「因みにこの文字はエルフ文字だったりするのかな?」

初級魔法と書かれた文字を指差し聞くと、

 フレイ「あっ!異世界人のシモンには文字がそもそも読めないのね?異世界とは文字が違うものね・・・、私も異世界の文字は読めないんだしシモンも私の世界の文字は読めないわよね、言葉が通じてるから全然気にしていなかったわ・・・、まずは文字を教える所からやらないといけないのね」

少し一緒にいる間にフレイの見方が、高ランクS級冒険者で大人の落ち着いた年上の美女から、落ち着きの無い子供っぽい悪戯好きの強い美女に変わっていきながら、

 俺「考え中申し訳無いけど、文字は何か勝手に私の国の文字に翻訳されているので読めますよ、気付いてなかったんですけど書いた文字も勝手に異世界の言葉になってたっぽいですね、冒険者登録や宿の記帳の時に名前を書いていたのに気にしていなかったですよ」

 フレイ「そうなの?異世界からの召喚者には召喚時に、こちらの世界で円滑に生活出来る様に何か術式が召喚陣に組み込まれているのかもしれないわね?読み書きに問題が無いのであれば問題無さそうね」

湯呑みに入れたお茶を慣れた仕草でズズ〜っと飲み、

 フレイ「このリョクチャ?と言うのも独特な苦味が癖になる味ね・・・、それじゃ魔法に付いての授業を少ししましょうか」

俺は大分夜も更けてしまっていたので少しだけフレイから魔法の授業を受けるのだった。


 水宮さんに貸した時は新品の使っていない布団だったので気兼ねなく貸せたのだが、既に俺が使用してしまっている布団を貸すのもどうかと思っていると、

 フレイ「私はこの部屋のタタミの上でいいわ、このタタミって良い匂いがするし寝心地も良いから問題ないわよ、このザブトンって言うクッションは枕にもなるのね」

そう言ってザブトンを枕に居間で寝たフレイは、寝相が悪いのかあられもない格好で目の毒というか保養になる姿で寝ており、俺が襖を開けても気づいて起きる気配も無く寝る姿に、

 俺「本当に高ランク冒険者なのか?普通に襲えそうなんだが・・・」

 フレイ「ハラミ〜・・・、まだまだ食べれるわ〜・・・」

涎を垂らしながら寝るエルフ美女を起こすのはあれだし、とりあえず朝食でも作っておくかと台所へと向かうのだった。


 和風出汁をお湯に投入し味噌を溶かした後に、乾燥野菜の袋から適当にパラパラと野菜を味噌汁の中に投入しておくと、

 俺「次の街ではもっと野菜を買っておきたいなぁ・・・、大根とかゴボウとか、キノコ類も欲しいけど・・・、コンニャクとかは無さそうだしネットショッピングで買えるか探しておくか・・・、後は肉も追加しとかないと・・・、漬物は浅漬けとかも作っときたいな・・・、魚も冷凍冷蔵でけっこうあるな・・・」

米と味噌汁だけの寂しい朝食に添える物をスマホで探しカートに突っ込んでいき、昨日無くなってしまった牛ハラミも補充し、俺は脂っこくてしんどいけどフレイは好きそうなカルビ、俺が好きな牛タンを頼んでいると、

 フレイ「おはようシモン、タタミの不思議と落ち着く匂いでよく眠れたわ〜」

伸びをしながら台所に入って来たフレイの盛り上がった部分に一瞬視線がいきながら、

 俺「朝ご飯ちょっと食材が無くてご飯とスープだけですけど出来てますよ」

 フレイ「タタミと同じく安心する様な良い匂いね?」

 俺「味噌汁って言う日本の代表的なスープですよ」

 フレイ「食材が無いって言ってたけど大分具沢山なスープじゃない」

 俺「それは野菜を乾燥させた保存食を味噌汁で戻しただけですよ」

乾燥野菜の入った袋を見せて言うと、

 フレイ「キャベッツやキャロットがシワシワでカリカリね・・・、成程水分を極限まで抜いているのね」

食洗機から乾燥まで終わっている昨日使った茶碗を取り出しお盆に乗せ、味噌汁は気分的に木のお椀を使いたいので棚から取り出し茶碗を乗せたお盆に乗っけると、

 俺「居間に持っていって貰っていいですか?私、味噌汁の鍋と炊飯機持っていくので」

 フレイ「それぐらい任せて頂戴っ」

冷蔵庫からサイダーの缶を取り出しお盆に乗せたフレイはお盆を持って居間へと向かい、

 俺「異世界人にも糖尿病とか痛風とかってあるのか?」

これからしばらくご飯を提供する事になると思い、エルフ美女の歩くだけで痛がる姿とか見たく無いなと思い、ちゃんとバランス良く食事が取れるよう考えないとなと決め、片手に味噌汁の入った鍋を、もう片手に炊飯機を持ち居間へと向かうのだった。


 手に持っていた鍋と炊飯機をテーブルの上に置いた俺は、先に居間に入り待っていたフレイが運んできてくれたお盆から木のお椀を取り味噌汁をよそい、

 俺「米は自分で食べれる分よそって下さい」

味噌汁をフレイの前に置き言うと、フレイは茶碗に山盛りに米をよそい、昨日あれだけ夜に食べたのに朝からよく食べるなと思いながら自分の分もよそうと、フレイは昨日と同じ様に神様か何かに感謝の言葉を告げ、俺は手を合わせ、

 俺「頂きます」

フレイの祈るような姿が解けるのを待ち食事を始め、まずは一口味噌汁を啜ると、口の中に拡がるお手軽鰹出汁の風味と合わせ味噌のホッとする香りと味に、

 俺「ふ〜・・・、やっぱり味噌汁を飲むとホッとするな・・・」

本当はワカメと豆腐、それにネギを入れたのが一番好きなのだが、ワカメと豆腐と長ネギの入手が異世界で出来るのか謎なので、これもネットショッピングで今度探しておくかと脳内リストに加えていると、

 フレイ「成程、その長い棒2本でどうやってスープを飲むのかと思っていたが、器そのものを口に運ぶのね?それにしても器用に使うわね?」

味噌汁を啜ってからの米の味を堪能していると、その様子をフレイが観察し、異世界には無いのか箸を使った食事に器用だと感嘆しているので、

 俺「慣れると箸のほうが便利だったりするんですよ?持ち替えたりしないで食事出来ますし、そのうち作りますけど、うどんや蕎麦、ラーメンと言う麺料理はフォークだと食べづらいですからね、もし良かったら試してみます?」

俺はスプーンを手に持つフレイに聞いてみると、

 フレイ「そうね、何事も経験だし試してみようかしら?」

箸を経験してみると言うフレイに俺は、未使用の新品の箸があったと思い台所へ向かうのだった。


 台所から新品未使用の何処か旅行に行った時に買った、綺麗なエルフを連想するような翡翠色に塗られた箸と、何時買ったか思い出せないが旅館の朝食に出てくるような個包装の味付け海苔の入ったボトルを見つけた俺はそれを持って居間に戻ると、1杯目の山盛りに持った米と味噌汁をスプーンで食べたフレイが自分でそれぞれ2杯目をよそっており、

 フレイ「このミソシルとやらはコメに良く合うわね?香ばしさを感じる不思議な風味に程良い塩味の不思議とホッとする味、キャベッツのシャキシャキっとした食感とキャロットの甘みが時折追加されて良いわね」

食レポするフレイに、

 俺「これ上げるので使ってみて下さい」

渡した桐箱から取り出した若狭塗で塗られた翡翠色の模様の入ったお箸を目の前に持ち上げ、

 フレイ「綺麗な模様ね・・・、こんな高そうな物貰っていいの?」

確か箸にしてはお高めではあったが、たまの旅行という事と綺麗な色合いという事もあって買ってしまったが、勿体なくて自分ではどうせ使わないので、

 俺「大分買ってから放置してましたし、他にもまだ何本か有るので使って下さい」

 フレイ「有難う、大事に使わせて貰うわ」

箸を眺めながら言うフレイに、

 俺「それじゃ持ち方を真似して貰えますか?」

俺はフレイに基本的な箸の持ち方を教えるのだった。


 フレイ「お箸だと米の一粒も無駄にする事無く食べれるのねっ、このノリって言うほんのり甘辛い香ばしいパリパリするのもコメとよく合うわっ」

基本がハイスペックなのか教えたら即普通に使えるようになった箸で、教えた味付け海苔でコメを巻いてバクバクと食べるフレイは、茶碗に残ったコメの残りを一粒一粒器用に箸で摘み綺麗に食べ、お代わりをよそうと味付け海苔でバクバクと食べるを繰り返し、流石に朝からオカズもないし3合で足りるだろと炊いた米を食い尽くし、

 フレイ「プハァ〜ッ・・・、まだ食べれるけどこれから歩くんだしこの位にしとくわ〜」

最後にサイダーの缶をゴクゴクとイッキ飲みしたフレイが、居酒屋なんかでよく見るビールを飲むオヤジのような仕草をしながら言い、俺は半分近く消費された味付け海苔のボトルを見て、

 俺「これも買っとくようか・・・」

追加で買うものリストに追加し、

 俺「片付けて準備をしたら出発しましょうか」

 フレイ「は〜い」

食べた後直ぐに寝転がる馴染みすぎな気がするフレイに、

 俺「そのお箸は食洗機で洗えないので手洗いして下さいね?」

 フレイ「りょうか〜い」

寝転がったまま片手を上げて返事するフレイだった。


 フレイ「それじゃ私が先に出て安全かどうか確認するわ、安全だったら合図するからそれから出てきて頂戴」

さっきまでのフレイと違い高ランク冒険者感を感じるフレイがマイホームの空間から出ていくと、しばらくして手だけがにょきりと空間から生え、その手が来い来いと動いてにゅっと出ていったので、少し時間を置いてマイホームを出ると、

 フレイ「まっ、私の結界もあったし問題無かったわね」

太陽が出て明るくなった平原の昨日と変わらない様子を確認した俺は、

 俺「態々私なんて追ってこないと思いますけど、早めにこの国を出たいので行きますか」

 フレイ「そうね、他の国に行けばシモンの家にあった高級品の胡椒や白砂糖なんかを売ってお金に出来る様になって、そのお金でねっとしょっぴんぐとやらで色々買えるのよね?」

 俺「今でも一応買えるんですけど、元の世界の貯金が無くなったら公共料金が払えるのかどうか分からないのでなるべく残して置きたいので」

街道に出て歩き出した俺達は話をしながら歩き、

 フレイ「お金に余裕があればもっと美味しい物が食べれるのよね?」

 俺「まぁ、昨日食べたお肉なんかでも更にグレードの高いお肉は量が減るのに値段は倍以上になったりする物があったりしますからね」

 フレイ「昨日食べたあの肉でさえこちらの世界の上位魔物の肉と同等の美味しさだったのに更に上があるのね・・・、そういえば昨日の分を払っていなかったわね?いくら位かしら?」

昨日の食事で使った牛ハラミ4袋のうち3袋がフレイの胃袋に消えたので、

 俺「銀貨4枚と銅貨5枚ですね」

金額を言うと、

 フレイ「えっ!?あのお肉が金貨1枚もいかないの?ミノタウロス肉だったら一皿で金貨2枚は取られるわよ?」

どうやら昨日食べた牛ハラミが異世界にいる牛の2足歩行の魔物と美味しさが同じぐらいの様で、そのお肉をあの量食べて4分の1で済む安さに驚き、

 フレイ「多めに払うからぎゅうハラミ買っておいて頂戴っ!」

金貨2枚を渡された俺は、

 俺「冷蔵庫の入る容量があるから多めに貰っても買えないですよ?他にも色々頼んでるのでそれを消費するか追加の冷凍庫を買わないと」

 フレイ「追加のレイトウコとやらはいくら位かしら?」

 俺「調べてみないと分からないので、とりあえず金貨はお返ししますよ」

金貨を返そうとすると、

 フレイ「どうせ今日の夜もご馳走になるのだから取っておいて頂戴、余った分はレイトウコというのを買うのに回せばいいのだし」

金貨を差し出した手を押し戻された俺は、綺麗な華奢に見える手がビクともしない事にステータスの差を感じ、金貨を返す事を諦めバッグの中に入れたお財布袋に入れるのだった。


 俺「アースバレットッ!」

気合を入れて土属性初級魔法の名前を叫ぶと、前に突き出した手の平からピンポン玉サイズの土がポーンと放物線を描きながら飛んでいき、

 フレイ「シモンの魔法適性が高そうなのは土属性が1番で次に水かしらね?火と風の適性は低そうね」

歩きながら魔法の練習をしている俺は、昨日渡された初級魔法教本の各属性の1番最初に乗っている、ファイアバレット、ウォーターバレット、ウインドバレット、アースバレットの順番で使い、魔法の出方から適正の判断をしてもらった所、土と水に適性が有り、その中でも土が1番適性が高い事が分かったので、

 フレイ「火と風はいくら頑張っても使い物にならないと思うから、これからは土と水、特に土を重点的に鍛えましょうね?」

歩いている間に魔法を使うコツとして肩から腕へと魔力を流して貰う事で魔力の流れを教えて貰った俺は、最初は中々魔法が発生しなかったのだがそれをしてから手の平から魔法が発生する様になり、お昼になる頃にやっと飛ばせる様になった所で、

 フレイ「ずっと魔法を使用してたから大分魔力が減ってるんじゃないかしら?魔力切れを起こす前にちょっと確認しといた方がいいわよ?」

 俺「どうやって確認するんですか?」

 フレイ「鑑定持ちでしょシモンは?自分を鑑定してみなさい?」

鑑定って自分にも使えるのかと、

 俺「鑑定」

自分に鑑定を使ってみると鑑定結果が目の前に浮き上がり、名前や種族年齢身長体重レベル等がズラズラと並び、その中の魔力を見ると10/90と出ており、左が残量で右が最大値かなと予想し、

 俺「後10しか無いですね」

 フレイ「初級魔法のバレット系は基本的に1回使うのに2消費するから、マイホームの消費量が分からないし今日はもう練習は止めときましょうね」

使おうとして失敗しても魔力は消費するみたいなので40回も使ったのかと思いながら、自分の手の平から出る魔法に改めて異世界なんだなぁと思うのであった。


 急ぎ進んでいる為今日も昼休憩無しで進もうと、昼に昨日騒動の原因になった1本満足のチョコバーをフレイに渡すと、

 フレイ「これこれっ!この甘くてサクサクとした食感とカリカリのナッツの味が美味しいのよねぇ〜」

あっと言う間に1本を食べ終え2本目の袋を開け、

 フレイ「これは白いのね・・・、味はさっきのよりも更に甘いのねっ!さっきの黒い方は少し苦味があったけどこっちはそれがないのねっ!中身のサクサクとナッツは変わらないけど、こっちの方が甘くて良いわねっ!」

2本目のホワイトチョコバーも直ぐに食べ切り、

 フレイ「次は・・・、あら?可愛いピンク色ね?」

イチゴ味のチョコバーの袋を開け中から出てきたピンク色のチョコバーを食べると、

 フレイ「これは・・・、ベリー系の味かしら?これも甘くてサクサクカリカリで美味しいわね〜」

3本食べたフレイがこちらを見てくるので、更に追加で3本渡し、

 俺「これはそんなバクバク食べる物じゃ無いんですからね?2本食べてる時点でも多いのに・・・」

 フレイ「だいじょーぶよ、私はどんなに食べても太らないんだから」

自分の分のチョコバーを1本食べ切り、もうワンセットを食べるフレイの実際細い腰を見て、昨日もそうだが食べた物が異次元に消えているのでは?と疑うのだった。


 旅の行程の半分手前で日が暮れ始めたので、

 フレイ「そろそろマイホームに行きましょうか、もうすぐ街から街への中間地点だから魔物も出やすいし野盗が出る可能性が高いわ、私は問題無いけどシモンには暗くなってからの移動は厳しいわ」

フレイの言う通り気配探知等が出来ない俺は夜道で待ち伏せでもされたら気付きようがないし、夜目も効かない俺は異世界の月明かりしか無い夜はほとんど見えていないのと同じなので、素直にフレイに従い結界を張ってもらった後にマイホームを出現させ中へと入り、鑑定を自分に使用し魔力を調べると、

 俺「減るどころか増えてる?」

10だった魔力が35に増えており、

 フレイ「偶に空気中に漂う魔素を吸収して魔力を回復する能力持ちがいる事はあるけど・・・、シモンはそういった能力は持っていなかったわよね?」

ステータス欄を上から下まで見てもそんな能力は書いてないので、

 俺「そんな能力は持ってないですね」

 フレイ「基本的には睡眠を取ることで回復するのだけどね・・・、マイホームを使うと魔力が回復するなんておかしな事も無いでしょうし・・・」

とりあえずマイホーム使用による魔力の消費については不明という事で一旦置いて、俺達は玄関前に置かれた届いた荷物を家の中に入れると仕分け作業を行なったのだった。


 仕分けをする前にフレイにお風呂のお湯の入れ方を教えると、

 フレイ「栓をしたらボタンを1回押すだけで自動でお湯が貯まるなんてね、温度もこのボタンを押すだけで好きな温度に設定出来るし、異世界のカガクって奴は凄いわね」

適応力が高いのか1回教えると普通に使いこなせるフレイに、

 俺「好みによるんですけどお湯の温度は大体38℃から42℃の間に設定して下さいね?長風呂したければ低めの温度で入れると良いですよ、下げ過ぎると冷たいし上げ過ぎても熱いので38から42の間で好きな温度を見つけて下さいね?」

 フレイ「分かったわ〜」

日本語の読めないフレイが興味深そうに操作パネルを見ているので、

 俺「変な所触って昨日みたいな事になっても俺は知らないですよ?」

そう言うと昨日の自分の醜態を思い出し若干顔を赤くしながら、

 フレイ「分かってるわよっ、使うのはシャワーの温度を変えるこの上下のボタン位で、下げ過ぎや上げ過ぎに注意ねっ」

初めてウォッシュレットを使ったフレイは、俺が弱めに設定していた水圧を何故か1番強くし使用した事で、その水圧の強さに驚き悲鳴を上げながらトイレから飛び出て、俺が悲鳴に何事かと廊下に出て見るとそこには大事な部分を手で抑えた尻丸出しのフレイがおり、高性能な日本のトイレは人が座っていないと洗浄ノズルから水が出なくなるので、そんなに水でトイレが濡れるという事は無かったので後始末は直ぐに済んだと言うハプニングを思い出し、好奇心旺盛なのは良いがまたそんな醜態、俺にとっては目の保養になるイベントを起こさないよう注意するのだった。


 特に変なイベントが起きる事もなくフレイ、俺の順番でお風呂を済ませ、フレイがお風呂に入っている間に居間にある物の準備を済ませておいた俺は、

 俺「今日のご飯はこれを焼きます」

冷凍庫から業務用と書かれた袋を持って来た俺はフレイにそれを見せると、

 フレイ「焼きますと言うがなんでこの部屋なのかしら?料理をするならキッチンではないの?それにテーブルの上に置かれた平べったいこれは何かしら?」

目の前に置かれた物の正体を知らないフレイの質問に、

 俺「これはホットプレートと言って電気が流れる事でこの鉄板が熱くなり、この熱くなる鉄板の上で調理が出来る道具なんですよ、キッチンにある火の出ないコンロの移動出来る版って感じですかね?」

 フレイ「火が出ないのに調理できる意味が未だに良く分かって無いけどそう言う物だと思って受け入れるけど、ここでその袋の中身を調理する理由は何なのかしら?」

 俺「それは・・・、こっちの方が圧倒的に1回で作れる量が多いからですよっ」

俺は手に持った業務用の冷凍餃子60個が多分1回の食事で無くなる事を見越し、フライパンで何回かに分けて焼くのでは無く一度に全て焼いてしまおうと思いホットプレートを用意し、ハサミで冷凍餃子の袋を開け中身をホットプレートの上に並べていくと、

 フレイ「面白い見た目の食べ物ね?何かをこの白いので包んでいるみたいだけど」

 俺「これは餃子って言う食べ物ですよ、元々は私の国の食べ物じゃないんですけど、日本は他の国の食べ物を自分の国で食べやすく改造したりアレンジしちゃう食にはこだわる国でして、この餃子も本場では基本お湯で茹でる水餃子って言うのが主流で、食べ方も餃子を主食として食べるらしいんですけど、日本では焼いて食べる焼き餃子が主流で、一部地域を除き大体が餃子をおかずとして主食の米を食べるんですよ」

ホットプレートの上にぎっしりと餃子を並べた俺は上からサラダ油を全体に行き渡る様に掛け、ホットプレートのつまみを回し熱を入れると、次にポットからお湯を1リットルまで測れる計量カップに注ぎ、

お湯を餃子の3分の1が浸かる位までホットプレートに注ぐと蓋をして、

 俺「これでさっきいれたお湯が全部無くなるまで放置です」

 フレイ「並べて置いておくだけとは大分簡単に作れる料理なのね」

 俺「作るのは楽しいですけど1から作るならそれなりに大変な料理ですよ?皮から作るのは流石にやった事ないですけど、中の具を自作で作って、買って来た皮に包む作業をするだけでもかなり時間が掛かりますからね」

 フレイ「確かにさっきの様に綺麗に包むのは難しそうだし、1個1個包むとなると時間は掛かりそうね」

餃子が出来るまで時間があるので、

 俺「今の内にネットショッピングで買う物を買っておきますか」

俺はスマホを取り出しネットショッピングを開くのだった。



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