エルフ美女の胃袋は無限かもしれない・・・
フレイと言うエルフ美女を旅の同行者に加えた俺は、お昼にひと騒動あったが無事に2日目の旅を終え、昨日と同じ様な岩の近くにマイホームへの入口を出そうとすると、
フレイ「ちょっと待って頂戴・・・」
フレイさんは何か能力を使っているのか周囲を見廻し、
フレイ「大丈夫そうね、見える範囲に潜んでいる人や魔物は居ないわ」
俺「フレイさんの視界って何処まで見えてるんですか?昨日俺も周囲は見廻しましたけど見える範囲に誰も居なかったんですけど・・・」
フレイ「フレイでいいわよ?私の視界は能力の遠視を使うと他より高い位置なら10キロ位は軽く見えるわよ?平地だと大地は丸いと言われているから4キロ位かしら?一緒に看破と言う隠れているものを見つける能力も併用してるから見える範囲にいなければ基本シモンの能力がバレる心配は無いわ、ついでに今から認識を阻害する結界も張るから、私よりも技量の高い奴にしかバレる心配は無いわ」
そう言ってフレイさん改めフレイが地面に手を当て認識阻害の結界を使うと、
俺「1メートル位の所に揺らぎのような物が出てきた?」
景色が少し揺らぐような陽炎のようなものが視界の先に出てきたので言うと、
フレイ「あら?意外とシモンは感覚が鋭いのかしら?それともマイホームって言う異空間系統の能力持ちだから空間干渉に敏感なのかしら?普通は揺らぎにも気づかれないのだけどね?」
本当に意外そうな顔をしたフレイに言われ、喜んでいいのかなと疑問に思っていると、
フレイ「もしかしたらそのうち看破と言った見破る系統の能力を獲得出来るかもしれないわよ、行くかは分からないけどダンジョンなんかでは必須能力よ?」
俺「ステータスの伸びがこの世界の人よりちょっとマシ程度の私がダンジョンに行くことは無さそうですけど・・・」
フレイ「う〜ん・・・、シモンはまだこの世界の事を余り知らなそうだし、とりあえずマイホームとやらに言ってからお話ししましょうかっ」
確かにこんな所で長々と立ち話する必要は無いかとマイホームの入り口を岩の表面に出すと、
俺「先に入りますから少し時間を置いてから入って下さいね?」
俺はフレイにそう伝えるとマイホームの中に入り、素早くその場から離れるのだった。
俺がマイホームの空間に入りその場を直ぐに離れると、
フレイ「おっとっと」
直後に凄い勢いで入って来たのか前のめりになったフレイが現れ、その場に突っ立ってたら押し倒されてたかもしれないと思っていると、
フレイ「これが異世界の空気っ!」
大きく腕を広げながら深呼吸すると合わせてどうしても視線が吸い寄せられる場所が突き出され、駄目だと思い視線を逸らすと息を吐き出したフレイが、
フレイ「空気はそこまで変わらないかしら・・・?しかしっ!あの目の前のお家は全然見たことの無い家だわっ!離れた所にある小さな家にも見たことの無い道具があるしっ!」
空気は多分山奥にある家なので異世界と余り変わらないと思うが、家はどちらかと言うと和風建築なので、異世界の西洋風建築の家とは確かに違うだろうなと思っていると、
フレイ「色々聞いたり調べたい所だけど・・・、時間停止系の空間収納と違って時間の流れがあるのよね?」
俺「向こうの世界と同じ時間が流れていますね」
フレイ「であれば時間は有限ですものね、調べるのは時間がある時でいいから、まずはシモンにあちらの世界の事を教えてあげないとね」
興味深そうに周りを見ながらもまずは俺に異世界の事を教授してくれるそうなので、
俺「それじゃ我が家でご飯でも食べながら話を聞きますかね」
俺はフレイを我が家へと案内するのだった。
玄関前に置かれた荷物をとりあえず中に入れる際に、
フレイ「何かしらこの奇妙な箱?随分と柔らかそうだけどこんな物で中の物は無事なのかしら?」
木箱が運送物の容れ物の異世界では見られない段ボールの容れ物に、側面を押して確認したフレイは、こんな柔らかい素材だと潰れてしまうのでは?と疑問に思ったようで、
俺「箱の真ん中はそんなに耐えれないけど、四隅はかなりしっかりしてるので意外と同じ大きさの物を重ねる分には運送時に潰れたりはしないんですよ、片側だけに体重を掛けちゃうと潰れちゃいますけど両側に均等に掛ければ潰れにくいですし」
フレイ「確かに隅は体重を掛けても結構しっかりしてるわね」
段ボールを運ぶのを手伝ってくれるフレイが言われた通り両角に手を当て体重を掛けても潰れないのを確認してるのを見ながら玄関内に段ボールを全て運ぶと、
俺「ここは私の住んでいた地球と言う世界の日本と言う国の古めの家でして、ここまでは靴で入って良いんですけど、この段がある前で靴は脱いでもらってこちらに履き替えて下さい」
水宮さんと違い日本の文化を知らない異世界人のフレイにはちゃんと1から説明しないといけないので、まずは靴を脱ぎ玄関に上がる所を見せ、お客さん用のスリッパを用意し自分は自分用スリッパを履くと、
俺「靴を脱いだら本当はこうやって靴を揃えるんですけど、それは誰が見るわけでもないので別にいいです、出る時に履きやすくはなりますけど・・・、脱いで段差の上に上がったらこの用意したスリッパと言う履物を履いてください」
俺の真似をして靴を脱ぐフレイは不思議な蔦で編んだようなサンダルとブーツが合体したような靴を履いており、どうやって脱ぐのかと思えばシュルシュルと蔦が勝手に縮んでいき、脛まであった蔦が全て縮むとほとんどサンダルになり簡単に脱ぐと、小上がりに上がりスリッパに履き替え、
フレイ「なんで靴を脱いで履き替える必要があるのかしら?しかも結局履物をするなら面倒だしそのままでもいいんじゃないのかしら?」
フレイの疑問に俺は、
俺「ちゃんと理由が有るんですよ、まずはあそこから先に靴についた土なんかの汚れが家の中に入らない様にして掃除の手間を省くって事、それと・・・」
廊下を歩き出した俺に付いてくるフレイにそう言って、廊下を歩いて最初にある部屋の扉である襖を開けながら、
俺「日本家屋にはこういった草で作った畳って言う床も有ってね、この部屋は履いてもらったスリッパも脱いで貰うんだけど、この草で出来た床を汚すと大変だし、私達は直接この床に座ったり寝転んだりするからね、今は体が汚れてるからやらないけどこの畳に寝っ転がると気持ちいいんだよ、それと・・・」
更に廊下を歩いた所にある扉を開け、
俺「これがフレイから見たら異世界のトイレね、トイレにも専用の履物であるスリッパが有ります、これはトイレ内はどうしても不潔な場所なので、そこで付いた汚れを廊下から先に持ち出さない為です」
簡単に日本式の履物を変える文化を教えると、
フレイ「まだ良く分からないけど、さっきのタタミと言うのが有る部屋を汚さない様にするって言うのは理解出来るわ、エルフの里でも草で編んだ敷物には土足で上がらないものね」
エルフの里ではどうやらゴザの様な物を使っている事が分かりながら、
俺「最初は慣れないだろうけど異世界の特に日本の家はこういう決まりだからお願いします」
フレイ「分かったわ」
俺は次の部屋を案内する為にトイレの扉を閉める前に、先にトイレの使い方を説明しておくのだった・・・、変なイベントが起きないようにね・・・。
異世界と違い使用後に流すという事が必要な事と、ウオッシュレットの使い方を説明した俺は次に、
俺「ここが異世界の浴室です、ここが服を脱ぐ場所で・・・、脱いだ服はとりあえずこのカゴに入れて下さい、洗いたい場合はこちらに放り込んで下さい、後で洗っておきます・・・、何です?その変態を見るような目は?」
後で洗うと言ったら物凄く引かれ変態を見るような目で見られた俺が言うと、
フレイ「私の身に着けてた下着を洗いたいって言われたらそれはそういう目で見るでしょう?」
そういう事かと納得し、
俺「この洗濯機と言うそちらの世界だと魔道具の様な物にあたる機械は、中に入れた物を自動で洗って乾燥までしてくれる道具なんですよ、だからフレイの物を俺が洗うわけじゃないです、なんなら後で使い方を教えますよ」
そんな物があるわけないと信じてなさそうなフレイをとりあえず置いといて、
俺「ここを開けたらこっちが浴室です、とりあえず直ぐに入れるようにお風呂入れちゃいますね」
俺は浴槽に栓をすると風呂場の壁に付いたリモコンの電源を入れ、ピロンッと音が鳴り画面が点くと、肩越しに興味津々に覗き見ていたフレイがビクッとしたのを感じ、笑いを堪えながら自動湯張りボタンを押すと
「お湯張りを開始します」
そんな女の人の声がリモコンから聞こえ、覗き見ていたフレイが、
フレイ「喋ったわよコイツッ!?」
飛び退り構えるフレイに
俺「ただの録音された音声案内ですよ」
そんな事をフレイに告げると、ブシャーッと浴槽のアダプターからお湯が出始め、
フレイ「今度はなによッ!?」
俺「浴槽にお湯が出始めた音ですよ」
いちいち驚くフレイに朝の殺気の仕返しが出来たかな?と思いながら、
俺「後は放っておけばお湯が溜まるから、次は台所に行こうか」
俺は浴槽を恐る恐る覗き込み、アダプターからブシャブシャお湯が出る度にビクッとしているフレイに声を掛け台所へと向かうのだった。
台所に到着した俺は、
俺「とりあえず何か飲みながら話そうか・・・」
そういえば異世界で飲み物って何があったっけ?と思いながら、とりあえず紅茶でも出すかと紅茶の黄色ラベルのティーパックをカップに入れお湯を注ぎ、しばらく置いた後ティーパックを取り出し、出しっぱなしだったテーブルの上に置き、出しっぱなしだった折り畳み椅子に座ってもらったフレイに、
俺「紅茶って言う飲み物なんだけど飲めるかな?」
紅茶の入ったカップを慣れた様な仕草で持ち上げたフレイは香りを嗅ぎ、一口火傷に注意しながら口に含むと、
フレイ「これは・・・、似たような物を飲んだ事があるわね・・・、確かティーと言う飲み物だったと思うわ、香りが違うけどこんな味だったと思うわ」
どうやら似たような飲み物を飲んだ事が有るようなので、
俺「これは好きに使って下さい」
一般的な上白糖を入れたシュガーポットと蜂蜜も使うかな?と思いテーブルに置くと、
フレイ「なっ!?コレって白砂糖じゃない!?コレを好きに使っていいって!?」
シュガーポットの中身を見て驚きすぎて椅子を倒しながら立ち上がるフレイに逆に驚きながら、
俺「コレってそんなに驚く程の物なんですか?」
フレイ「白砂糖なんて日常的に使うのは貴族や王族、それか国や貴族に指定された御用商人の様な一部の人だけよ?ワースレスは例外だけど普通の国の人は、コレは不純物が一切無い高級品だけど、普通の人はもっと安い蜂蜜や花から採れる蜜を、少しお金のある裕福な人がこんな白くない茶色や黒い砂糖を使うぐらいよ?」
シュガーポットからスプーン山盛りにした上白糖を取り出したフレイがゴクリと唾を飲み込みながら言うのに、
俺「私の世界じゃ安く手に入るので・・・、ほらっ、まだこんなに有りますので好きなだけ使って下さい」
売れるとは思い大量に購入した砂糖の袋がぎっしり詰まった段ボールを見せると、フレイは眼を限界まで開き、持ち上げた大量の砂糖を紅茶の中に投入するのだった。
フレイ「なんて甘くて美味しいのかしら〜」
砂糖を大量に投入した紅茶の3杯目を飲むフレイに、
俺「そろそろ異世界の事を教えて貰ってもいいですか?」
新しく持ってきたキャンプ用の椅子に座った俺が同じ紅茶のストレートを飲みながら、糖分の摂りすぎで何処かへ意識が飛んでいるんじゃないかと思うフニャフニャになっても美人のフレイに言うと、
フレイ「そうねっ、美味しいものも頂いたし話をしましょうか」
ティーカップを置いたフレイは背筋を伸ばすと、
フレイ「異世界人と同じく私達の世界に生まれた人は皆生まれながらに何か能力を持っていたり、人よりもステータスが高かったりとするのだけれど、まず能力はその人しか持っていない先天性の特殊能力と、後から修行や経験を積むことによって覚える事が出来る後天性の能力があるわ、この後天性の能力にも習得しづらいしやすいそもそも習得できないという個人差があるわ」
話を一回区切り紅茶で喉を潤すと、
フレイ「そしてステータスもさっき言った通り最初から高い人もいたり低くてもレベルが上がる時の上がり幅が高い人がいたりと様々な人がいるのだけど、シモンみたいに今の時点での鑑定上は一般人と大差無くても、レベルが高くなってから急激に上がり幅が大きくなる人もいるのよ」
早熟型と晩成型みたいな物かと思って聞いていると、
フレイ「そして一番重要なのが・・・」
俺「重要なのが・・・?」
重要な事を話すのを溜めるフレイに自然と前のめりになり、
フレイ「重要なのは・・・」
俺「重要なのは・・・?」
更に溜めるフレイにもういいわって言おうと思った所で、
フレイ「重要なのはレベル上限よ」
溜めに溜めた後にあっさりと普通に言われどう反応していいのか分からないのだった。
俺「レベル上限ですか?」
フレイ「ええ、レベル上限よ」
読んで字のごとく99だったり200だったり999だったりするレベルの最大値の事かなと思い、
俺「人によってレベルの上げられる上限が違うって事ですね?」
フレイ「そういう事よ、この上限が低いとどれだけレベルアップの際のステータスの上がり幅が大きくても上がり幅の低い高レベルの相手よりは最終的に弱くなってしまうのよ、だから現状は一般人よりちょっとマシでも後々急に強くなる可能性が有るって事よ」
カップに入っていた紅茶を最後に飲み干すフレイさんは、
フレイ「しばらく私が付いていくからレベル上げは任せなさいっ!」
任せなさいと言い立派な胸を叩くと揺れるのが分かり、天然なのか分かっててやってるのか分からなくなりながら、まぁ付いてこられるのは分かってたんですけどねと心の中で呟くのだった。
話が終わった所で湯張りが終わったので、
俺「お風呂入れるようになったので入って下さい、私はその間に晩御飯の準備するので」
フレイ「異世界の食事を食べれるのねっ!?」
俺「焼くだけの簡単な物ですけどね」
俺はご飯の準備に取り掛かる前に、
俺「その前に風呂場の使い方を教えておきますね」
冷たい水が出てきたとかのハプニングが起きないように風呂場に行きシャワーの出し方や石鹸、シャンプーの説明をした俺は台所に戻ると、
俺「味付け済みのハラミを焼いて、付け合わせに異世界キャベツの千切りでいいかな?ご飯は間に合うか微妙だけど一応炊いておいて、間に合わなかったらパックご飯だな」
一応家族が遊びに来た時用に5合炊きの炊飯器を買ってあったので米を5合炊く準備をし炊飯を開始すると、次に冷凍庫から取り出したハラミ肉2パックを流水解凍しておき、野菜室から取り出したキャベッツを半分に切り、手を抜く為に千切り用のピーラーでキャベッツの千切りを水切りざるの中に作ると一度水にさらしてから水気を切っておき、
俺「汁物が欲しい所だが・・・、地球だと日本人以外の海外の人って確か海藻類って消化出来ないんだっけ?エルフってワカメとかいけるのかな?」
異世界の人と海外の人を一緒にしていいのか分からないが、消化出来なくてお腹を壊されてもなので、
俺「中華出汁で作るオニオンスープでいいか」
大きく漢字二文字の書かれたパッケージの缶を冷蔵庫から取り出し、一応多めに3人分の水を計量した上で小鍋に入れ、水量に合わせた量の中華出汁を入れるとIHのスイッチを入れ、冷暗所からオニオンを1個取り出し皮を剥くと、お尻と頭を切り落とした所で縦半分に切り、切った半分を繊維に沿うように縦に薄くスライスにしていき、残った半分をラップに包んで野菜室に入れたら、スライスしたオニオンを中華スープの中に投入し、後は煮立つまで放置でいいので中華スープの小鍋の横にフライパンを取り出し置きIHのスイッチを入れ、温まったらサラダ油を薄く敷き、流水解凍していた味付きハラミの袋に付いた水を拭き取ると、袋をハサミで開けフライパンの中に投入し、ジュゥゥッと肉が焼ける音と共に漬けダレの焼ける匂いが上がり、二日前に食べたばかりなのにまた直ぐにでも食べたくなる匂いにお腹が刺激されながら、出来上がる前に水気を切っていたキャベッツの千切りを平皿に盛り、焼けた牛ハラミをその上に豪快に乗せれば牛ハラミの焼肉の完成となり、もう1人前はフレイが風呂から上がったら作り始めようと思いフライパンを乗せたIHのスイッチを切ったら、とりあえず着替えていなかった俺は楽な格好に着替える為に一度自分の部屋に行く事にするのだった。
部屋に汚れを持ち込まない為に廊下に革鎧と着ていた服を脱いで置くと、室内にあったジャージに着替え台所に戻り、冷蔵庫で冷やしていたサイダーの缶を取り出し、ステンレスタンブラーに氷を入れプシッと言う炭酸が抜ける音と共にプルタブを引き開けると、氷を入れたタンブラーに注ぎ、
俺「おっとっと」
シュワァァと言う音と共に泡が盛り上がり溢れそうになったのを慌てて口を付け吸い溢れないようにし、泡が落ち着いた所で缶に残ったサイダーを全て入れきると、
フレイ「ふぅぅ〜、お風呂って結構良い物だったのねぇ、それに異世界のシャンプーって言うのと石鹸も良いわ、石鹸は良い匂いがする上に肌がツルツルになったし、髪の毛もサラサラよっ」
やはり空間収納を持っているのかここに来た時と違い、かなりラフな民族衣装の様なものを着たフレイが台所に入って来ると、形の良い鼻をスンスンと鳴らしながらちょっと冷めたが腹を刺激する良い匂いを発する牛ハラミの焼肉の匂いを嗅ぎ、
フレイ「物凄く美味しそうな匂いがするわ・・・」
フレイの獲物を狙う眼が冷めかけた牛ハラミの焼肉をロックオンした所で、
俺「こっちの冷めかけた奴じゃなくて今から出来立てを作るから少し待って下さい」
早炊きにした米も炊き上がりそうなので丁度良いかなと思いながらフレイの分の牛ハラミを焼こうと、サイダーを一口飲んでからテーブルに置くと、
フレイ「不思議な容れ物ね?金属製なのに軽いわ・・・、それにえらく表面がスベスベね・・・、中の飲み物も美味しそうね?お風呂に入って喉が渇いたし一口貰うわね」
ステンレスタンブラーに興味を持ったフレイが容器を持ち上げ興味深く観察し、中に入ったサイダーの匂いを嗅ぎ、甘い匂いから美味しいものだと予想し一口飲むと、
フレイ「くぅ~っ!?何この甘いのにスッキリとする爽快感の有る飲み物はっ!?お風呂上がりに最高じゃないのっ!?」
サイダーの甘さと炭酸による喉を通る際の爽快感に、自然と腰に手を当てゴクゴクと喉を鳴らし飲み干すと、
フレイ「プハァッ!もう1杯っ!」
何処かで見たCMの様な仕草でタンブラーをこちらに差し出すフレイに、冷蔵庫から新しくサイダーの缶を取り出し、
俺「今飲んだのがコレね、こうやって、こうすると開きますから、お代わりは好きに飲んで下さい、氷はここに入ってますから」
俺は缶ジュースの開け方をレクチャーし冷蔵庫の製氷棚を教えると、
フレイ「気になる所だらけで気付いて無かったのだけど、コレは保冷の魔導具って事かしら?成程・・・、場所によって温度が違うのね・・・、ここなんて凍らせて保存出来るのね・・・」
冷蔵庫の扉を全て開けて確認するフレイに、
俺「パカパカ開けたり閉めたりしてると中の温度が上がっちゃうので、開けたら直ぐ閉めるのと意味無く開け閉めしない様にして下さいね?」
注意するとフレイは開けていた扉を閉め、
フレイ「異世界の道具は便利なのね〜」
注いだサイダーをゴクリと飲むのだった。
フレイの分の牛ハラミの焼肉を作った俺は、
俺「出来上がったのでご飯にしましょうか」
丁度良くご飯も炊き上がり、炊き上がりのお知らせの音に驚くフレイに、
俺「今出来たのが私の国の主食の米です、この焼肉と合うと思いますよ、とりあえずオニオンスープと焼肉を最初に案内した部屋に持っていきましょう」
広い場所で食べようと思い、お盆に乗せた牛ハラミの焼肉とオニオンスープを縁側のある居間に持っていき、台所に戻り炊飯器ごと居間に持って戻ると、待ちきれないと涎を垂らしそうな顔で牛ハラミを正座して見つめるフレイさんがおり、
俺「ここに米は置いとくのでお代わりは自分で好きに食べて下さい」
茶碗にご飯をよそいフレイに渡し、自分の分もよそうと、
俺「それじゃ食べるとしましょうか?」
その言葉でフレイは独自の食事前の祈りを捧げ、俺は日本式に手を合わせ、
俺「頂きます」
食事を始めるのだった。
フレイはナイフ、フォーク、スプーンの中からフォークを手に持つと、まずは気になっていた牛ハラミの焼肉をフォークで持ち上げ、出来立ての湯気が上がる焼けた肉からお腹を刺激する嗅ぎ慣れぬ香ばしい匂いを嗅ぎ、匂いを堪能した後はいざ実食と匂いに絶対美味い物だと言う確信を得ながら口に運ぶと、
フレイ「んん〜〜〜っ!?」
昔食べた事のある上位の魔物である2足歩行する牛の魔物であるミノタウロスの肉に近い、柔らかく濃厚な牛の肉の旨味とそれを更に美味しくさせる甘さのある濃厚なタレの味に一口で昇天するのだった。
牛ハラミの焼肉を一口食べたフレイの蕩けたような笑みを浮かべる表情が何か見てはいけない物を見た気がして気まずくなり、
俺「あー、飲み物持ってき忘れたなー」
棒読みでそう言って台所に向かい奪われたサイダーを別のステンレスタンブラーに入れて戻って来ると、若干顔が赤いフレイが物凄い勢いで牛ハラミを食べており、
俺「お代わりいるか?」
皿の上から肉が無くなりそうなのを見て聞くと、ほっぺたを膨らませながら首を縦に振るので、サイダーをテーブルに置くと台所に戻り追加の牛ハラミを電子レンジに入れ解凍し、5袋買った内の最後の残り1袋も多分食べると思い水の中に入れておき、解凍の終わった牛ハラミをフライパンで炒め皿に盛って居間に戻ると、フレイの皿の上に乗っていた肉とタレの染みた千切りキャベッツは綺麗に無くなっており、新たな牛ハラミの焼肉を置くと、
フレイ「生のキャベッツもこのタレが染みてて美味しかったわっ」
新たに目の前に置いた牛ハラミにフォークを伸ばすフレイに、
俺「次は米に一回肉を乗っけて一緒に食べて下さい」
フレイによそった茶碗の米が手付かずだったので米と一緒に食べるよう勧めると、
フレイ「似たようなのを昔何処かで食べたのだけど、パサパサしていてあまり美味しく無かったのよね・・・」
パサパサしていると聞きタイ米系かな?と思いながら異世界にも米は一応あるという情報を頭に入れていると、
フレイ「あらっ?これは美味しいわね・・・、モチモチとした甘みのあるコメと甘じょっぱいタレがよく合うわ、これは更に手が止まらないわっ」
言葉通り肉と米を食べる手が止まらないフレイは凄い勢いで食べ始め、茶碗によそったご飯は直ぐに無くなり、
俺「炊飯機はここを押せば開くので、このシャモジで好きなだけよそって食べて下さい」
好きに食べてくれとフレイの横に炊飯機を置くと、空になった茶碗に米を山盛りによそい肉を乗っけては口に掻き込むフレイの食べっぷりに追加の最後の1パックを焼きに台所に向かうのだった。
新たに焼いた牛ハラミの焼肉を皿に盛って戻ると、丁度さっき焼いた牛ハラミが皿から消えた所で、新たな皿を目の前に置き、
俺「コレが最後です」
もう無いの!?と口いっぱいに頬張った米と肉をモグモグとしながらショックを受けた表情を浮かべるフレイに、
俺「最後です」
もう一度言うと、最後の皿となる牛ハラミを今度はゆっくりと味わうように食べ始め、俺は冷めてしまった自分の分をやっとちゃんと食べれるのだった。
俺が食べ終わり食後にジンジャーエールを飲んでいると、教えてもいないのに皿に残ったタレを米に掛けて食べていたフレイも食べ終わり、5合炊いた米は全てフレイの細い腰のお腹の中に消えており、あれだけ食べたのに膨らみもしていないお腹を撫でるフレイが、
フレイ「あんな美味しい燻製肉がある世界だから、さぞかし美味しい物があると予想していたけど、予想を遥かに超える美味しさだったわ、このシュワっとする甘い飲み物も美味しいしね」
長年住んでいるんじゃないかという程に慣れた感じで台所に行き新たなサイダーを入れてきたフレイが、脚を崩した座り方でサイダーを飲みながら言うのに、
俺「他にも私が飲んでいるやつとか色んな味が有るので今度試してみて下さい、料理によってお勧めの物が有るので、そのサイダーは大体どれでもいけますね」
フレイ「コレはサイダァって言うのね、シモンが飲んでいるのも今度試させてもらうわね」
俺が食べ終わった食器を台所へ運ぼうとすると、
フレイ「あっ、私も手伝うわ、ご飯だけ食べて片付けさせるのも悪いし、今日飲み食いした分は後でちゃんとお金も払うから」
そう言って食器を持つのを手伝って付いてきたフレイに
俺「食器はここで一回水で流したらここに入れて、最後にこのボタンを押せば後は自動で洗われて乾燥までしてくれるので」
水で表面を流し食洗機に並べ、全てを入れたら自動洗浄の開始ボタンを押すと食洗機が動き始め、
フレイ「本当に便利な道具のある世界ね?魔力で動いている感じはないし何で動いてるのかしら?」
俺は台所に来たついでにお茶を入れ湯呑みを2個お盆に乗せ、
俺「話が長くなりそうだし居間で話しましょうか」
そう言って居間へと戻るのだった。
因みに居間に戻る途中でお腹の具合を聞いた所、後皿3枚は余裕ねと言う恐ろしい返事が返ってきたのだった・・・。




