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357話 魔を祓うは召喚されし勇者たち3

「隙だらけですよ!はぁ!」

「ゴガアァ!?」


 私はアンデッドたちに意識が向いていて隙だらけだったオーガの首を狙って右手を払い、それによって触れた空気を刃として放つことでオーガの首を切断します。


「ん、私も!〈切り断つ糸スラッシュ・ファーデン〉!」

「ブガアアッ!?」


 そしてそんな私と同様にして、ラーニョさんも私とは違う個体を狙って雷を纏った糸による斬撃を放ち、敵であるオークの全身を切り裂いて赤いポリゴンを撒き散らしながら倒していました。


「あ"あ"あ"っ!」

「カラカラ!」

「キィイイッ!」

「ギギャ!?」

「ギャギャッ!?」


 加えて、私が生み出した多数のアンデッドたちもそれに続くようにしてゴブリンの群れに襲いかかっており、こちらも私たちと同じくゴブリンたちを倒しているみたいです。


 …それにしても、このアンデッドたちはなかなか便利ですね?自身が傷つくのも躊躇わずに攻撃をしており、かつ数も多いので多少やられたところで痛くも痒くもありません。なので、数で攻めるこの場面ではかなり助かっています…!


 やはり特殊なスキルなだけはあって、それ相応に強力ということでしょうか?それに、二つのスキルを獲得しているの私だけだったので、ますます謎が深まります。本当に、何故私だけが二つもスキルを得ていたのですかね…?


 まあそれについては気にしてもわからないので放置するとして、今は目の前に無数にいるモンスターたちの相手を、です。


「ゴガアァ!」

「フゴォ!」

「っと、やはり数が多いですね!〈第二の時(ツヴァイ)〉!」


 こちら目掛けて肉薄して繰り出してきたオーガとオークによる攻撃を私は後方に下がることで避けた後、そのまま左手を徐に横に伸ばすことで空気に触れ、そこから動きを遅延させるユニークスキルを発動させます。


 すると、私の予想していた通り空気を介して武技が発動したらしく、私に向けて攻撃をしてきていた二体のオーガとオークの動きが目に見えて遅くなりました。


 よし、狙い通り敵の動きを遅くすることが出来ました!これを見るに、やはりこの手袋、かなり強い装備ですね?

 今までは私の武器である双銃や剣によって敵などに攻撃を当ててスキルを使っていましたが、これを使えばわざわざ攻撃を当てなくても発動することが出来るみたいです…!


 っと、それはいいとして、モンスターに与えた遅延効果があるうちに倒さなくては…!わざわざユニークスキルを使ったのに放置をするなんて、時間の無駄ですからね!


「まずは土で拘束して、その次に風で!」

「ガァアッ!?」

「ブゴォ!?」


 そう瞬時に判断した私はすぐさま地面に手をついて大地を武器に変え、それによって粘土の如く動き出した土によってオーガとオークの足を拘束して動きをさらに止めます。

 そして、そこに放つようにして空気にも触れ、一気に風の刃を放つことで先程と同様に二体のオーガとオークの首を刎ね飛ばすことでポリゴンに変えることに成功しました。


「よし、やはりこの戦闘スタイルはかなり私に合っていますね!では、次は…」


 目の前でポリゴンとなって消えていくモンスターを尻目に、私はすぐさま周囲へと視線を走らせます。が、そのタイミングで突如激しい戦闘音らしきものが私の耳にまで届きます。


 …音のする方角からして、ルミナリアたちの仕業ですかね?確かルミナリアは私たちとは違って正面から一気に攻めると言っていたので、この予想は外れてはいないはずです。


 であれば、私たちはこのままここで暴れることで敵の戦力を分けさせるとしますか。そうすれば、どちらかが先にやられてしまう可能性も低いですよね…!


「ゴガアアアッ!」

「ガルゥッ!」

「グガァ!」

「おっと、こちらにも戦力が集まり始めましたね。では、このままここで全部倒させてもらいますよ!」

「ん、頑張る!」


 私とラーニョさんはそう声に出して気合を入れ直した後、自身の武器を構えてこちらに向かってくるモンスターたちの相手をしていきます。


 いくらこちらの数が少ないとしても、あちらとの戦力差は歴然なのです!なので、そう易々とはやられずに全て倒していきますよっ!




「貴様らか、我が軍団を倒していたのは」


 そうして次々と襲いかかってくるモンスターを片っ端から倒していた私とラーニョさんでしたが、気がついたらモンスターの姿がすでに消えており、そこに一人の男性らしき声が響きます。


 それを聞いて即座に二人してそちらへの視線を向けると、なんとそこには角の生えた身長二メートルくらいの赤髪の男性が立っていました。

 …私たちの視線の先にいる男性が発した言葉からして、この人がここの拠点を管理しているボス……なのでしょうか?


 そしてその見た目からは私たちプレイヤーも作ることが出来る鬼人にと見えるのですけど……ここにいるということは、やはり敵、なんですよね…?


「…貴方は何者ですか?」

「俺はテンラ!魔王様に仕える四天王の一人、炎剣のテンラだ!」


 私の問いかけにそう答えてくれた鬼人の男性、テンラさんはその言葉からもわかるように、どうやら魔王の配下の一人だったみたいでした。

 しかも四天王の一人ということは、それだけの実力があるのだとも容易に想像がつきます。


 …というか、そんな魔王の配下の中でも一際大物であるテンラさんがこの拠点にいるのですか。つまり、それだけ私たちを召喚した国を潰すために動いていた、ということでもありそうですね?


 なるほど、つまり王様とロランさんの二人から前もって聞いていた、国を襲うために魔王軍が森に拠点を作っている、というのは当たっていたとみて間違いなさそうです。


 そうすると、ここを潰すために動いていた私たちの動きは正解でもあっていたのですか。私たちがここを潰さなくては、確実にあの国が滅んでいたことに違いありませんしね。


「我が軍団を殲滅した貴様らは、今ここで始末させてもらうとしよう!」

「ラーニョさん、きます!〈第一の時(アイン)〉!」

「ん!〈罠の斬糸(トラップ・エッジ)〉!」


 そう言って肩に担いでいた炎を凝縮したような真っ赤な大剣を構えて踏み込んでくるテンラさんを視界に捉えつつ、私は動きを加速させる武技を使用しながらラーニョさんにも聞こえるように声に出し、警戒を促します。


 が、それを聞いたラーニョさんは水属性を纏わせている糸による罠をテンラさんの進行方向へと仕掛けていました。ラーニョさんが罠を張るのなら、私は周りにいるアンデッドたちを消しかけるとしますか!


 あちら側の強さもまだ未知数なので、ひとまずはその動きを見るためにもアンデッドたちを使って確認としましょうか…!それならこれといった被害もないので、ベストなはずですが…!


「ふん、甘い!」

「…ちっ、破壊された」

「しかも、アンデッドでは肉壁にすらなりませんか…!」


 そうラーニョさんと私が口にしているように、なんとテンラさんはその手に構えて大剣を力強く振るい、仕掛けられている罠を破壊するのと同時に迫ってきていた無数のアンデッドを一太刀で消し去ったのです!


 しかも、そのまま一番近くにいた私に向けて近づいたと思った次の瞬間には、その大剣を一気に振り下ろしてきました。


 なので、私は即座に空気を触って多少なりとも壁にしつつ後方に大きく跳ぶことで下がりましたが、それでも完璧には躱せずに顔をわずかに掠めて赤いポリゴンが私の頬を走ります。


 …むぅ、確かにこの人がかなりの強敵だとはわかっていましたが、それでもそう簡単に対応されるとは思いませんでした…!それにあの大剣、ただの武器では無さそうにも見えますね?


 振るわれた瞬間に赤い光をかすかに纏っていたので、おそらくは攻撃力を上げる何か、とか?まあ考察をしても詳しくはわからないですし、あちらからも攻撃をしてきたのです。


 なら、今度はこちらからも攻める番ですよ!貴方が四天王の一人でいくら強いのだとしても、今ここで倒さなくては被害が出てしまうのは確実ですからね!


「まずは関節を…!はぁ!」

「ん!」

「ふんっ!効かぬぞ!」


 私は次々と放たれるテンラさんからの攻撃を〈第一の時(アイン)〉による加速を活かすようにゆらゆらとした不規則な動きで躱しつつ、隙を見て足や腕の関節に向けて連続で空気の刃を放ち、対してラーニョさんは大剣を手にしている右腕を主に狙って四方から糸による攻撃を繰り出します。


 しかし、それでもテンラさんにとっては特に問題となることでもないのか、私の連続して放った空気の刃は細かい足捌きで避けられ、続けて放たれた多数の糸による攻撃も手にした大剣を素早く振るうことでその全てを切り捨てます。


 …ですが、それによって動きがわずかに止まったのは事実です。であれば、ここで私のユニークスキルも活躍するべきです…!

 私の放つユニークスキルはこの手袋ならば空気を介した付与することが出来るのですから、これを活かさない手はありません!


「…〈第零(ヌル)第七の時(ズィーベン)〉!」

「ぬっ、数が増えた?」


 私はテンラさんの動きが止まった瞬間を見逃さず、瞬時に後方に下がりながら自身の身体に左手を付けて……そこから無数の幻影を生み出す武技を発動させた次の瞬間。

 私とテンラさんの周囲に無数の私の姿が現れ、テンラさんの意識を逸らすことに成功します。


 よし、キチンとユニークスキルも使用が出来ましたし、この幻影がいる間にこの人を倒すために攻撃をしていきますよ…!効果時間は三十秒と短いため、倒すまではいなかくてもHPは削りますっ!


「攻めますよ!〈第二の時(ツヴァイ)〉!はぁ!」

「ん、同意!〈沸る血糸ブラッド・スレッドパワー〉!」

「何をするかは知らんが、そう易々とやられはせんぞ!」


 私は【暗殺者の極意】に内包されている隠蔽能力を発動させつつ幻影に紛れ、靴についている〈飛翔する翼(スカイ・ステップ)〉を組み合わせた三次元的動きで周囲を飛び交い、そこから動きを遅くさせる〈第二の時(ツヴァイ)〉と空気の刃を連続してテンラさんに向けて放ちます。


 そしてラーニョさんも私と同じようにして幻影に紛れ、テンラさんの死角や正面から囮として放った様々の属性を乗せた糸による攻撃を繰り出しいるのが私にもわかりました。


 そんな周囲から飛んでくる攻撃に手に持つ大剣を振るって対処をしていたテンラさんだったのですが、流石に動きが鈍くなっている状況ではこれら全ての相手をするのは難しいのか、徐々に身体に傷がついていくことでHPが削られていきます。


 …とはいえ、この人は自分でも言っていたような四天王の一人らしいのです。そのため、そう簡単に倒すことは出来ないとは思いますが……さて、どう動いてくるか…!

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