表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
363/369

354話 勇者

「魔王の討伐、ですか」

「そうだ。召喚されたお主たちには特殊なスキルが宿っているはずなので、それを使ってもらえればおそらくは倒せるはずだ。もちろん、魔王討伐の協力は惜しまないぞ。こちらはいきなり召喚してしまった立場なのでな」


 私の呟いた言葉にそう声をかけてきた王様でしたが、この勇者召喚では特殊なスキルを獲得出来るのですね?

 それに協力も惜しまないとも言ってくれているため、これならば敵が強大であるとわかる魔王相手でもなんとかなる……かも?


 だとしても、そんな魔王の相手を私たちだけで出来るのですかね?本来ならばここに召喚されていたはずの勇者とは違って私達がこの場に呼び出されたため、少々不安に思ってしまいます。


 …けど、今更変えることも出来ないので私たちで頑張るしかありませんね。幸いなことに、この場に召喚されたのは私一人ではないのです。であれば、皆さんとの力も合わせれば魔王を倒してクリアまではいけるはずです…!


「それでは、まずあなたたちのステータスの確認をさせてもらってもよろしいですか?」

「あ、わかりました!…しかし、ステータスは元の世界と同じなのでしょうか…?」


 私はそう言って近寄ってきたロランさんにそう答えつつ、誰にともなく呟いてちょっぴりどうなるか不安になってしまいます。


 一応、ここは特殊な世界とはいえ同じゲーム内の世界なんですし、そこまで確認するステータスが変化はしてません、よね?何にせよ、確認しないことにはわからないのですし、さっさと確認をしてみるとしますか。


「ステータスオープンと言っていただければ、我々にも見える形でステータスか表示されます。では、よいですか?」

「…まさにライトノベルの勇者召喚ですね……わかりました。とりあえず、"ステータスオープン"!」


 私はロランさんの言葉を聞いて早速とばかりに言われた通りの言葉を口にすると、"ステータスオープン"の言葉と同時に私のすぐ目の前に一枚のステータス表が現れました。


 ➖➖➖➖➖

 名前 レア

 種族 狼人族

 性別 女

 スキル

【暗殺者の極意】【死者の呼び声】

 ユニークスキル

時空の姫(クロノス・プリンセス)

 EXスキル

【心力解放】【嫉妬の大罪(レヴィアタン)】【領域解放】

 所持SP 0

 称号

 〈東の森のボスを倒し者〉

 〈時空神の祝福〉

 〈第一回バトルフェス準優勝〉

 〈深森の好敵手〉

 〈西の湿地のボスを倒し者〉

 〈火霊旅騎士の魔印〉

 〈時駆ける少女〉

 〈蟲惑の暗殺者の弟子〉

 〈南の平原のボスを倒し者〉

 〈北の山のボスを倒し者〉

 〈人業のお気に入り〉

 〈世喰の玩具〉

 〈天災を鎮めし者〉

 〈戦神の加護〉

 〈秩序神の加護〉

 〈静海を抑えし者〉

 〈医術神の加護〉

 ➖➖➖➖➖


 私のすぐ目の前の虚空にステータス表が突如現れましたが、なんとこの世界では元の世界のスキルなどが全てなくなっているらしく、特殊なステータスとなっているみたいでした。


 が、唯一残っているスキルも僅かにあり、それはユニークスキルとEXスキルです。EXスキルはともかくとして、ユニークスキルが残っているのはまだ幸いでした!このスキルは私の力の源なんですし、他のスキルと同様になくなっていなかったのには安心ですね!


 …まあそちらについては一旦置いておくとして、この世界では元の世界で使えたスキルの代わりとして、この世界で使える通常スキルもあるみたいなのですよね。それがステータス表にも書いてある通り、【暗殺者の極意】と【死者の呼び声】という名前の二つです。


 どうやら【暗殺者の極意】はその名の通り暗殺者としての動きが出来るようになるものであり、【死者の呼び声】は、まあ簡単に言えばファンタジーでよくある死霊術師みたいなことが出来るものでした。死体を生み出して操ったり、あるいは闇魔法と似たようなものを使えたり、ですね。


「ほほう、お嬢さんは暗殺者なのですな」

「みたいです。皆さんはどんなものだったのですか?」

「私は【戦士の極意】だったよ!」

「ふむ、基本はそのようなスキルなんだね?あ、私は【僧侶の極意】だったね」

「ん、私は【軽戦士の極意】」

「はいはーい!私は【勇者の極意】だったよ!いやあ、私が勇者だとはねー!」


 私の疑問に対して、皆さんはそれぞれが自分の獲得したスキルについて答えてくれました。


 マキさんは【戦士の極意】、ルーンさんが【僧侶の極意】、ラーニョさんが【軽戦士の極意】、そしてルミナリアがなんと【勇者の極意】といったスキルのようです。


 ふむ、基本的には職業と思われるスキルが獲得出来たようですね?つまり、これらのスキルがこの世界においての私たちの戦い方の基本となるわけですか。

 というか、私が獲得していた【死者の呼び声】のような二つ目のスキルを皆さんは獲得していないみたいですけど……これは何か理由があるのでしょうか?


 それに加えて、まさかルミナリアが勇者とは……確かにルミナリアには似合ってますが、それでも多少の驚きはありますね。まあルミナリア以外で勇者が合う人もいないので、こうなるのも仕方ないとか言えますか。


「ふむ、そちらのお嬢様が勇者でしたか。ではステータスの確認もさせていただきましたし、次はあなた方が使える装備をお渡ししましょう。ついてきてくださいませ。陛下、それでは失礼いたします!」

「うむ。魔王討伐、頼んだぞ」

「うん、出来る限りは頑張るよ!」


 ロランさんと王様の言葉に皆を代表してルミナリアがそう答えた後、私たちはロランさんに連れられて玉座の間から出てどこかを目指して歩いていきます。


「あの、どこに向かっているのですか?」


 その道中にて、私はふと気になったことを目の前を歩いているロランさんに向けて問いかけます。だって、ついてきてとは言われましたが、どこに向かっているのかなどは聞いてませんですからね。


 まあ先の言葉からしておそらくは装備の置かれている場所を目指していると予想は出来ますけど……それでもそこがどこかはわからないので。


「おっと、言い忘れておりました。今我々が向かっているのは、宝物庫でございます。そこで、あなた方に装備を渡すのですよ」

「なるほど、宝物庫でしたか」

「それなら納得だね」

「ん、理解」


 私に続いてルーンさんとラーニョさんの二人もそのように声に出して納得していますが、今向かっている場所が宝物庫だとは…!王様は"魔王討伐の協力は惜しまない"と言ってましたし、それだからこそ、そこにある装備をもらえる、とか?


「着きましたよ、ここです」

「っと、もう着きましたか」


 そうしてそれからも歩き続けること数分。ロランさの言葉からようやく宝物庫の前に到着したのがわかりました。


 宝物庫の入り口は三メートルくらいはありそうなほどに大きい扉が存在を放っており、その左右には盗賊対策なのか騎士らしき人が二人立っています。やはり宝物庫というだけはあってきちんと警備をしている、ということですね。


「おや、ロラン様。何かご用ですか?」

「ええ、この勇者様たちに装備を渡しに来たのですよ」

「おお、勇者様御一行でしたか!わかりました、どうぞ!」


 ロランさんと軽く言葉を交わした二人の騎士さんは、そう言って宝物庫の扉を押し開けて中へと招いてくれます。


 そんな二人の騎士さんに私たちは会釈をしつつ中へと足を踏み入れたのですが、その空間内はやはり宝物庫というだけはあって多種多様な素材や装備などが所狭しと並んでいます。


 しかも、内装に関しても宝物庫という名前に見劣りしないくらい豪華でもあるため、これは見ているだけでも少しだけワクワクしちゃいます!


 とりあえず、この中から私たちが使う装備を選べばいいのですよね?私は"暗殺者"であり、皆さんは"戦士"、"僧侶"、"軽戦士"、"勇者"なので、それに見合った装備が必要ですが……さて、何が良いでしょうか?




「…ふぅ、少しだけ疲れたねぇ」

「ですね。まさか、勇者召喚の場に居合わせることになるとは…」


 あの後は宝物庫内を見て回ってそれぞれが使う武器などをもらったわけですけど、今はそこから少しだけ時間が経過しており、私たちにあてがわれた部屋にて皆で揃って会話をしているところです。


 しかし、ルミナリアも口にしたようにちょっとだけ疲れてしまいましたよ…!肉体的にはそうでもないですが、精神的にきているのです。なにせ魔王討伐をいきなりお願いされ、尚且つ緊張してしまう場面だったので!


「けど、レアのユニークスキルはすごいね?こんな特殊なクエストと一緒に記憶の世界までこれるなんて」

「ん、びっくり」

「もしかして、レアちゃんはこれまでにもこうしたことをしてきてたの?」

「そうですね。そこまで多いわけではないとはいえ、したことはありますよ」


 マキさんからの問いかけにそう答えた私は、そのままこの世界での動き方について皆の相談を開始します。


「さて、とりあえず魔王討伐を目指すことにはなりましたが、この後はどうしますか?」


 今の時刻はまだ十時を少しだけ過ぎたくらいであり、まだゲームをしていられる時間は意外とあります。なので、魔王討伐のためにも何かしらをするべきではあると思います。


 けど、皆さんがどういった考えなのかもわからないのでそう相談をしてみましたが……さて、どう返してくるか…!一応、この時間は軽く攻略を目指して動くかもとは予想をしています。が、それで決まりというわけでもないため、皆の考え次第です…!


「そうだねぇ……時間にも余裕があるし、ひとまずはこの世界での戦い方の確認でもする?」

「それか、そのまますぐにでも魔王討伐のための攻略を、かな?」

「ん、私はどっちでも構わない」

「わ、私もラーニョちゃんと同じだよ!」


 ふむふむ、ルミナリアは戦い方の確認で、ルーンさんは攻略を目指すべき、と。

 そしてラーニョさんとマキさんの二人はどちらでも良いとのことですし、ここはどちらにするべきか…


 うーん……なら、この時間はこの世界での戦闘スタイルの確認にしますかね?元の世界とは違い、こちらではスキルや武器、なんなら状況も普段とは違うので、この時間はそれに費やすのが良いはずですね…!


 ということで、午前中はそれの確認に精を出し、午後から魔王討伐のための攻略を、といった感じにしますか!これなら皆さんも反対意見はないでしょうし、そうするとしましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ