271話 真なる鼓動の眠り姫4
「「二人とも、後はお願いするね!私たちはこれを維持しているから!」」
「わかりました!では、確実に倒すためにいきますよ、兄様!」
「任せろ!ここで決めてみせる!」
ジェミニさんたちは後方にてこの封印を維持するので精一杯みたいですし、攻撃は私たちに任せてください!ここが私たちの一番の役目なのですから、絶対に倒してみせないとですね!
ジェミニさんたちの力もあって敵である肉塊の再生能力はガクンと落ちていますし、このまま攻めて攻めて攻め切りますっ!効果時間はしばらくはあるとしても、長引いては私たちのEXスキルの効果も切れてしまうのでそれまでには決めてみせますよ!
それに、周囲にいる肉塊から生み出されているモンスターの数もすでに少なくなっているのですし、この絶好の機会を逃す手はありません!ジェミニさんたちにも言いましたが、ここで確実に仕留めるとしましょうか!
「では、再び攻めます!〈第一の時〉!」
そうして私は先程と同様に〈第一の時〉を筆頭に無数の強化系の武技を自身へと撃ち込んだ後、そのまま最初のように超スピードで肉塊の周囲を分身と無数の幻影と共に飛び回り、銃弾を雨霰とお見舞いします。
私の速度には対応が出来ないみたいですし、このまま倒し切るまで攻撃は続けますよ!もちろん、次から次へと生み出されるモンスターたちも片っ端から倒しつつ、ですけどね!なんせ、受けたダメージを表す赤いポリゴンが撒き散らされるのと同時にどんどん溢れてきているのですから、そうしなくては増えすぎてしまうので!
やはり肉塊の戦闘方法は数で押し潰すもののようですし、その数さえなんとか出来れば思ったよりは戦いやすかったみたいです。まあEXスキルを使った今の状況だからこそ何とか出来ているだけであり、使う前ではかなり苦戦はしましたが。
「レアに遅れは取らないぞ!〈秘剣・焦土〉!」
そんな私とは別に、兄様は地上を駆け抜けつつ通常時よりも遥かに強化された武技を放ち、溢れるモンスター諸共肉塊へと攻撃を加えています。
うんうん、兄様の方もたった一撃にて無数のモンスターと共に肉塊へとダメージを与えられているようですし、いい感じです!それに攻撃が拡大しているのもあって手数も足りているみたいなので、この調子で攻めるとしますか!
今もジェミニさんたちのおかげで再生能力も抑えられていますし、それの効果時間が切れる前に倒さなくては…!いつまでも続くものではないともわかるので、出来る限り早めに決めないとですね…!私たちのEXスキルの残り効果時間もすでに半分を切っているのですから、これが終わる前には仕留めますよっ!
「〈第三の時〉、〈第三の時〉、〈第三の時〉!」
「〈秘剣・時雨〉!」
それからも私たちは肉塊とそこから湧き出てくる無数のモンスターたちへと攻撃を加えていき、ジェミニさんたちのおかげで再生能力が鈍っている肉塊の身体には徐々に傷が目立つようになり、HPもどんどん削れているのが私たちの視界でも確認出来ました。
やはり先程までの有り余る生命力が抑えられているようで、なかなかいい感じでダメージを稼げていますね!ジェミニさんたちのスキルが使われる前は攻めても攻めても再生していたのですから、これなら倒すことは出来そうだと確信が持てます!まあ最後まで油断をしてはいけませんし、気は緩めませんけどね!
「っと、最後の足掻きですかね!」
「なら、限界が近いということだな!」
しかしそんなことを考えつつも攻撃を繰り返していた私たちに対して、肉塊もこのままではまずいと本能的にわかっているのか悪あがきとばかりに先程よりも速く、尚且つ大量のモンスターたちをその身から生み出して私たちに抵抗してきます。
この肉塊の主な戦い方は数で攻めるものなので、おそらくはこれがまさに最後の抵抗なのでしょう。明らかにモンスターの生まれる速度が先程までよりも段違いなせいで手こずりそうですが、ここを乗り切ることが出来たのならばトドメをさせそうですね!なら、ここはEXスキル中にのみ使用できるあのスキルを使い、これらを打ち滅ぼしてみせますよ!
モンスターの数を減らされれば肉塊の戦闘力はガタ落ちなんですから、ここが一番の使い時なはずですよね…!兄様も攻撃には参加してくれているのですから、ひとまず兄様にもこのことを伝えてから一気に攻めるとしましょう!
「兄様!ここは私が道を作るので、兄様は一気に攻めてください!」
「了解!なら、頼む!」
「お任せください!」
よし、兄様からの承諾も受けたのですから、ここでこれを使って道を切り開いてみせます!私が使えるEXスキルには攻撃系の能力もあるのですから、ここがこれを切る場面に相応しいはずです…!兄様に最後の攻撃は任せたんですし、早速スキルを使って肉塊への道を作ってみせます!
「では、いきます!… 時の調べは今、極点へと至る!〈心解・時空を穿つ者〉!」
そして私は短い詠唱を終わらせ、溢れんばかりに生み出されたモンスターたちとその奥にいる肉塊へと照準を合わせ、そのまま"触れた者の耐久や防御を無視して魔法ダメージを与える"という効果を持つ巨大な光線を一気に放ちます。
これが私の使える最後の切り札であるのですから、これで一気に片付けてみせます!数が多くても貫通してダメージを与えられますし、このまま活路を開いて兄様に任せますよ!兄様だってまだ切れる手札があるみたいなので、これで決めてください!
「兄様、今です!」
「レアが作ってくれたこの好機、無駄にはしない!…塞がる万象全て、我が刃にて断ち切らん!〈心解・逢魔絶剣〉!」
そんな私のスキルによって開けた道を駆け抜け、兄様は私と同じように切り札である攻撃を肉塊目掛けて放つと、それは見事にその身体に命中して残っていたHPを一気に削り取ります。
よし、これで肉塊のHPは全て削り切れましたし、倒すことが出来ましたかね?大元である肉塊が倒されたせいか、周りにまだ少しだけ残っていた雑魚敵であるモンスターたちも同時にポリゴンとなっていっているので、おそらくはそれであっているでしょう。
ふう、これにてようやく倒せたみたいですし、何とかなってよかったですね…!ジェミニさんたちによれば、遥か昔にこの肉塊と戦った時は生命力が強すぎて倒せなかったとのことでしたし、よくもまあ私たちで倒せましたよね?一応、ここのエリアにいるからこそその生命力を抑えられたみたいですし、それも大いに関係はしていそうですが。
…しかし、あんなにも強かったモンスターを私たちの力で倒せたなんて、やはりそれだけ成長しているということでもあるのですかね?今回の肉塊を討伐出来たのはジェミニさんたちの協力があったからなのかもしれませんが、それでも倒せたのにはとても嬉しくなっちゃいますね!
「…よし、二人とも!」
「無事倒せたみたいだね!」
「あ、ジェミニさん!疲れましたが、これで終わりですかね?」
「多分そうだよな。今もポリゴンとなっているし」
インベントリへと手に持っていた双銃を仕舞ったタイミングで背後からジェミニさんたちに声をかけられましたが、これで終わりとみて間違いないですよね。
…それにしても、今回は何とかなりましたが、やはり数が相手ではかなり苦戦しましたね。私と兄様の切り札を使うことで何とかなりましたが、最初にも考えて通りもっと人数を増やして挑めばよかったです。まあ今更後悔してもアレなんですから、それはいいですか。
とりあえず今は、肉塊を討伐したことで終わったこのクエストについてです。ジェミニさんたちも安堵の表情をしていますし、ここに来る前に受けたクエストも無事に完了なはずです…!
「いやぁ、ありがとね、二人とも!」
「おかげで倒すことが出来たよ!」
「このくらいは気にしないでください!私たちも好きでやったことなので!」
「そうだな。それに、これで解決ってことだろ?」
「うん!これでここにいなくてもよくなったから」
「二人には感謝だよ!」
どうやらジェミニさんたちがここにいなくてはいけない理由もなくなったらしく、二人は私たちへとそう感謝を伝えてきました。
ここにジェミニさんたちがいたのはあの肉塊がいたからなはずですし、無事に倒すことが出来たおかげでここを離れられるみたいですね?二人はずっとここにいたのかもしれせんし、こんな私たちでも助けになれたのならよかったです!
「よし、これで無事に頼み事も終わったし」
「感謝としてこれを渡しておくね!」
「ん、これはなんですか?」
「…水晶、か?」
やることもこれにて済んだらしく、ジェミニさんたちはそう口にしながら私たちへととあるアイテムを渡してきました。そのアイテムは兄様も口にしている通り、見た目は単なる水晶玉のように見えますが、これは一体何なのでしょうか?
このタイミングで渡してくるということは、まず間違いなく単なる水晶玉ではないと思いますが……流石にこれについては聞かなければわかりませんね。まあ感謝としてこれらを渡してくれるみたいなので、悪いものではないでしょう。
「これはね、"星の水晶玉"と言って」
「一度だけ死んでも生き返らせることが出来るアイテムだよ!」
なんと、まさかの蘇生アイテムでしたか…!この世界では未だにそう言った物は見つけられていませんが、そんなアイテムがあったのですね!
一応、私はスレン湖畔森にて出会ったヴァーテルさんから蘇生薬のレシピをもらっているのですが、それらに使う素材はこれといって見つけられていないため、見つかったとは言えませんからね。まあいずれは作れるかもしれませんけど、これはかなり先になるはずです。
っと、そんな先のことは置いといて、今はこの水晶玉についてですね…!この水晶玉は蘇生アイテムみたいですし、一つだけとはいえ持っていればかなり安心感がありますよね!これはこのクエストの報酬としてもらえるみたいなので、こちらとしても嬉しいのでありがたく受け取りますか!




