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272話 帰り道にて

『ユニーククエスト【真なる鼓動の眠り姫】をクリアしました』

『プレイヤー名レアの経験を確認しました。ユニークスキルが強化され、新たな武技を獲得しました』


 私たちがジェミニさんたちから水晶玉を受け取ると、その直後に立て続けにシステムアナウンスが流れてきました。やはりこれにてこのクエストは終わりみたいですし、無事にクリア出来たみたいですね!


 しかも、このタイミングで新たなユニークスキルの武技を覚えることも出来たらしく、それについてのシステムアナウンスまで聞こえてきました!なので、これについては今度確認するとしましょう!今は流石に確認する暇がないので、明日くらいにでも、ですね!


「それじゃあ、私たちは」

「役目も終わったし、この辺りでいくね!」

「あ、わかりました!また会いましょうね!」

「またな、ジェミニ」

「「うん!二人も元気でね!」」


 ジェミニさんたちはその言葉を最後に転移らしきものでこの場から消えてしまったので、これにてここにいるのは私と兄様の二人だけとなりました。


  ふう、今回は砂漠の噂を確かめるためにここへ来たのですが、思ったよりも内容が濃かったせいで少々疲れてしまいましたね。この監獄もそうですが、何よりも封じられていたというあの肉塊です。アレは邪神によって生み出された存在とのことだったので、もしかするといつか邪神と直接対峙した時にはああいったモンスターとも戦う可能性はありそうですね?


 今のアレですら苦戦していたため、もうそうだとしたらかなり手こずってしまいそうですが……とりあえず、私たちがもっと成長して強くなればいいですね!それなら再び対面したとしてもなんとかなるかもしれませんし、もっと強くなれるよう頑張りましょうか…!


「よし、これで用事は終わったし、そろそろ戻るか?」

「そうですね。いつまでもここにいても気が滅入りますし、そうしますか」


 兄様もそう言ってますし、この辺りで私たちも街に戻るとしますか!ここにいつまでもいても意味がないのですから、さっさと街に戻ってログアウトをしないと…!すでに時刻は十時を超えているため、いつもならすでに眠っている時間であり、結構眠いので!


 加えて明日からはついに学校が始まるのですし、明日のためにも早めに寝ておく必要がありますからね!まあなんにせよ、さっさとここから出て街に戻りますか!ここでしておかないといけないこともすでにないですし、さっさと戻りますよ!


「あ、【時空姫】に【剣聖】じゃないですか!もう攻略は終わったので?」


 そうして街に戻るべく最奥の部屋から外に出てここまだ来た道を引き返していると、その道中で部屋の散策をしていたはずの数名のプレイヤーと出会いました。


 確かこの人たちは、このエリアの調査をしていたんでしたっけ。私たちは部屋の探索をしないで奥に進んでいましたが、そちらには何かあったのでしょうか?一応ここは邪神に関係したエリアのようなので、それにちなんだもの、とか…?


「ああ、そうだ。そっちはどうだった?」

「俺たちの方は特にこれといったものはなかったですね。あ、でもこんなのは見つけましたよ!」


 そう言って男性が私たちへと見せてきたのは、一冊の本でした。ふむ、このエリアにも本が置いたあったのですか。どうやら内容に関しては読めないせいでわからないようなので、ここは私が読んで伝えるとしますか!最初に見つけたのはこの男性なんですし、一番に知る権利があるのですからね!


 そのうえ私には【言語学】スキルがあるのですから、ここで使わなくてどこで使うというのですか!こうした時のために獲得しているため、今が使い時ですっ!


「よければ、私がこれを読んで皆さんに伝えますか?」

「お?【時空姫】は文字が読めるのですか?」

「はい、これでも【言語学】スキルを持っていますからね」


  私の提案に対してちょっぴり驚いた様子でそのように返してきた男性でしたが、そこまで驚くことなのでしょうか?


 確かにプレイヤーが本を読めるのはこの世界では珍しいとは思えますが、別にこのくらいは読もうと思えばすぐに覚えて読めるのですけどね?私だってスキルを獲得してから読み始めたんですし、皆さんも読もうとすれば容易に出来ますよ!


 まあSPを使う必要があるので、【言語学】スキルを獲得したいという人は少ないとは感じますが。だって、このスキルは戦闘においてなんの役にも立たないのですからね。なので戦闘を主にするプレイヤーにとってはいらないスキルと思われていても不思議ではありません。


 まあそれは今はいいとして、まずはこの本に関してです。私の提案を聞いた男性は少しだけ考えた後に"じゃあお願いします"と言って渡してきたので、早速内容を確認して皆さんに伝えますよ!


「…ふむふむ、なるほどなるほど」

「なんて書いてあったんだ?」


 男性から受け取った本を手早く読み進めていた私でしたが、そこに兄様からそう問いかけられました。


 ふむ、ひとまずはここまでに読んだところでわかった内容もあるのですから、とりあえずはこれについて教えておきますか。まあここに書かれていた内容を真に理解するには奥まで行った私と兄様でないと難しそうですけど、それでもわかる内容はありますからね。


 なので、この本を渡してくれて男性にもしっかりと伝えますよ!最初に見つけてきた人がわからなくては意味がないので、わかりやすく伝えるべきですが……さて、どう言葉にしましょうか。私と兄様以外にもわかるように伝える必要があるので、要点を噛み砕いて説明するのがいいですね。


「…とりあえずわかったのは、このエリアに封じられていたあの肉塊は邪神の蘇生実験の過程で生まれた魔物であるらしい点と、このエリアが古神である秩序の神の手にやって造られた場所、というくらいですね」

「…ふむ、実験の過程の魔物か」

「ここのエリア、神様の手で造られた場所だったんだね!」

「ってか、肉塊ってなんですか?実験の過程で生み出された、っと【時空姫】は言ってますが…」

「それはこのエリアの最奥にいたモンスターであり、さっき俺たちが討伐してきた存在だな。なんでも、邪神の手によって生み出されたモンスターとか」

「この世界、邪神なんていたんですね!」

「俺、初めて聞いたぞ…!」


 私の説明を聞いた皆さんはそう言いながら驚いているみたいですが、兄様の付け加えてくれた説明もあってかさらに驚愕していますね。まあそれも当然と言えば当然ですか。


 なんたって、邪神の存在について教えられたのですからね。私やそのフレンド以外では邪神について一切知らなかったはずですし、その反応も仕方ありません。というか、こんな一般プレイヤーにこのことを伝えてもよかったのでしょうか?いえ、この人たちがこの本を見つけてきてくれたのですから、聞く権利は全然ありますね。別に話してはいけないわけではないのですから、別にいいですか。


「…このくらいが、これを読んでわかった内容です。それにしてもお兄さん、よくこれを見つけてきましたね?」

「まあ本棚に置いてあっただけですからね!別に大したことはしてませんよ!」

「そうそう!俺たちは単に見つけてきただからね!」


 私の言葉を聞いた男性プレイヤーの皆さんは口々にそう返してきましたが、それでも、ですよ!この本がなければあの肉塊の詳しいことはわからなかったはずですし、今回のこれは本当にお手柄です!謙遜しているようですけど、ここは素直に褒め言葉として受け取ってください!別に褒められるのがダメなわけではないはずですからね!


「それじゃあ本の内容も知ることが出来たし、この辺で俺たちは行きますね!」

「わかりました。まあ私たちも帰る途中だったので、一緒にですけどね」

「あ、そうだったんだな?なら、さっさと行こうぜ!」


 私から返された本を受け取った男性はそう口にしていますが、私たちもちょうど帰る途中だったので、一緒に街へ戻るとしますか。この人たちもすでにここでやるべきことは終わっているようなので、さっさと街を目指さないとですね!


 明日からはついに学校が始まるのですから、街につき次第ログアウトをして寝なくては…!今日は久しぶりに夜更かしをしてしまったので、少しだけ明日が心配になってしまいます…!

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