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266話 監獄

「そ、それで、【時空姫】たちはなんのようで来たんですか?」

「私たちも噂の調査に来たのですが、混ざらせてもらってもよいですか?」

「も、もちろんです!どうぞどうぞ!」


 私の言葉にそう返してくれた男性プレイヤーでしたが、別に取って食うわけではないのですからそこまで下手に出なくてもよいのですけどね。


 ともかく、私たちも混じってもいいみたいですし、とりあえず調査を始めるとしますか。あ、その前にこの人たちに対してここまでで調べられたことについて聞いてみましょうか。わざわざ私たちが最初から調べに動くよりもそうした方が早いでしょうし、教えてくれるでしょうか?


 自分たちが頑張って調べた情報なので教えてくれない可能性は大いにありますが、まあその時はその時です。その場合は自分たちで調べればいいだけですしね。別に情報を集めるためにここに来たのですから、それも苦ではないので!


「あの、すみません。ここで集められた情報とかって教えてもらうことは出来ますか?」

「ん?あ、構わないですよ!まあ俺たちが集められた情報もたかが知れてますが…」


 私の問いかけに対してそう前置きをしてから、男性プレイヤーはあっさりと自分たちが調べあげた情報について教えてくれました。


 が、それを聞いたところによると、どうやらこの建物に入ることは未だに出来ておらず、これといった情報は集められていないとのことでした。しかし、唯一見つけたという謎の鍵穴については重要そうな情報で助かりはしましたけどね。


 それにしても、謎の鍵穴ですか。それがあるということは、なんらかの鍵がこの場には必要なのだと容易に想像が出来ますが、それは一体どこにあるのでしょうか?おそらくはこのエリアにて手に入れることが出来るのでしょうけど、流石に鍵がどこにあるのかはわかりませんね。


 …あ、そういえば私、この砂漠エリアにて謎の鍵を前に入手していましたね?あの時はなんの鍵かわからなかったので放置していましたが、もしかしてここに使う鍵だったり…?なら、まずはその鍵穴まで案内してもらって試してみますか!


「…よければ、そこに案内してもらってもいいですか?」

「まあ構わないですけど……鍵は持っていませんよ?」


 男性プレイヤーはそう言いつつも、見つけたという鍵穴の元に私と兄様を案内してくれましたが、その鍵穴はどうやらこの建物の正面にあるらしくすぐに鍵穴の前に到着しました。


 そこは門のような形をした入り口となっており、壁で囲まれているこの建物に唯一入れる場所となっています。ここに鍵穴があるということですけど、まあ見た目通りでしたね。加えてここ以外は壁に囲まれているとのことですし、探さなくてもすぐにわかったかもしれません。…まあそれは一旦置いておくとして、今は私の持っている鍵を試してみますか。


 出来ることならこれが合えば良いのですけど、どうでしょうか?もし違うのなら鍵を探すのが最優先事項になりますし、少々面倒くさいのでこれで決まって欲しいですが…!


「ん?レア、お前鍵なんて持ってたんだな?」


 私がインベントリから取り出した青い宝石がついた金色の鍵を見て、兄様が僅かに驚きながらそのように聞いてきました。


 まあその反応も当然ですよね。初めてきたところにも関わらず、すでに鍵となるものを持っていればそんな反応にもなります。私だって兄様と同じ立場ならそうなると予想がつくので。だとしても、この鍵がここに合うかはわからないので、そこまで期待をされてはちょっとだけ緊張してしまいますが。


 この鍵は砂漠エリアで手に入れたものとはいえ、ここの鍵穴に入るかはわかりませんしね!…まあそれはともかく、兄様の言葉には返事をしないとですね。流石になんの反応も返さないのは冷たいので!


「結構前に手に入れて忘れていたものですけどね。とりあえず、これを試してみようと思います!」


 私は皆に聞こえるようにそう言葉にした後、そのまま手に持つ金色の鍵を鍵穴に差し込んでみます。すると鍵は驚くほど簡単に挿さり、次の瞬間にはその鍵から光が溢れ、そのまま鍵穴があった正面の壁が崩れるように通り道が生まれました。


 …どうやら、この鍵はここに使うものであっていたみたいです。周りからの注目を浴びていたので緊張してしまいましたが、これで一安心ですね!…ですが、何故ここに使う鍵が砂漠エリアで手に入れることが出来たのでしょうか?


 確かこの鍵を手に入れたのは、初めて砂漠に来た時に見つけた石像によるものでしたけど、それがここに関わっている、ということのなのですかね…?あの石像を元の状態に戻しただけで手に入れましたし、私がここに来るように誘われていた、という可能性もありそうですね…?


 この世界には神様やユニークモンスターなど、実に多種多様な存在がいるのですから、それらの人たちの仕業だとはなんとなく想像がつきますが……まあこんなところで考えていてもわからないですし、今は置いておきますか。


「…まさか、俺たちが悩んでいたことを…」

「【時空姫】がこうも易々と見つけるとは…」

「やっぱりトッププレイヤーなだけはあるんだな…!」

「レアは俺の妹であり、プレイヤーの中でもトップだからな。もっと褒めるがいい」

「流石です!【時空姫】!」

「いよ、【時空姫】最強!」

「そこ!悪ふざけはやめてください!」


 私が鍵を使って道を作ったのを見て、周りにいたプレイヤーたちが思い思いにそう口にしているので、私はそんな皆さんに向けてそう声をあげます。


 褒めるのはいいですけど、そんな言い方では馬鹿にされている感じがして嫌なのでやめてください!兄様も、周りを煽てないでくださいよ!私はそのように褒められても嬉しくはありませんっ!


 全く、男性の方はすぐに調子に乗るんですから!そんなことをしないためにも、もう少し落ち着きというものを持って欲しいです!そんな反応をされても私は嬉しくないのですから、少しは考えて動いてくださいっ…!


「まあとりあえず、これで中に入れるみたいだし、早速行くか?そのためにここに来たんだしな」

「…そうですね。ここで待機していても変わらないですし、行ってみますか」


 私はジトーっと視線を兄様へ向けていましたが、兄様はそれを全く気にする様子もなくそう述べてきたので、私もそれに対してそう返します。


 兄様も言ってますが、この砂漠の噂を確かめるためにここに来たんですし、それの大元である謎の建造物に入ることが出来るのなら、こんなところで立ち尽くしている訳にはいきませんよね!周りにいる他のプレイヤーたちも気になっているみたいですし、私たちもさっさと行かなくては!


 周りのプレイヤーたちは抜け駆けをする気もないらしく、私たちが一番先に行くのを待っているみたいでもあるため、早めに行かないと他のプレイヤーの方が行けないみたいです。なのでさっさと行きますよ、兄様!ここからは未踏のエリアなんですし、警戒は怠らずに、です!




「…特にこれといったものはないみたいだな?」

「ですね。というか、やはり外観通り監獄なのでしょうか?」


 そうして私と兄様は揃って建物の中へと足を踏み入れたのですが、そんな感想をこぼしてしまうくらいには何もないのですよね。


 強いて言えば複数の部屋を見つけはしましたが、そちらは後からやってきた他のプレイヤーたちに任せることにして先に進んでいるため、私たちは特にこれといったものは見つけていない、というわけでもありますが。


 それにしても、私が今口にした通り、外から見た時にも思ったように内装も監獄のようでちょっとだけ暗い雰囲気が漂っていますね?マップを見て確認したエリア名も『蜃気楼の監獄領域プラズマ・ジェミニ』という名前であるため、その予想は当たっていそうです。


「…というか、奥に進むにつれてなんだか嫌な雰囲気がしてきているな?」

「このエリアは監獄のようですし、それのせいでしょうか?」


 特に阻むものがないおかげで私たちは奥に向かってどんどん進むことは出来ているのですが、お互いに思わず口にしてしまった通り、徐々に雰囲気も暗く、空気も澱んできているのがありありと伝わってきています。


 うーむ、今のところは何かが起きたりしているわけでもないのですが、ここまで空気が重くては精神的に疲れてしまいますね?明らかに単なる隠しエリアとは思えませんし、ほぼ確実に何かが奥に潜んでいるという予感もしてしまうほどです。


「ここは…」

「…やはり、監獄ということですか…!」


 そんな気持ちを思いつつも足を止めず、奥にあった階段も通って私と兄様はさらに奥へと進んでいたのですが、そこに広がっていた光景を見て、思わずそう言葉を漏らしてしまいました。


 何故ならそこには、無数の檻が立ち並んでいたからです。中には誰もいないのですけど、それでも見ていて気分が良くなるものではありません。…ここは隠されていたエリアですけど、これを見るに隠す必要がある"何か"がある、ということですかね…?どう見ても単なる建物ではないのですから、これは流石に見過ごせませんが……まあ見ただけなので、結局のところはどうなのかはわかりませんか。


「…レア、この先が終着点みたいだ」

「むっ、もうそこまで来ていましたか」


 立ち並ぶ無数の檻を流し見つつも歩いていた私でしたが、そこに兄様の声がかけられました。兄様が言うにはこの先がこの監獄の一番奥のようですし、そこにも何かがあったりするのでしょうか…?


 そう声に出している兄様の目の前には小さめの扉がありますし、その先がこの建物の一番奥なのだとはわ私にも予想が出来ます。…とりあえず、いつまでもこんなところにはいたくないですし、このまま立っていないで入ってみますか。


 この先からは何やら物音がするのでもしかすると何かがいるのかもしれませんが、ここで物怖じしていては何がいるかもわからないのですから、念の為警戒を強めながら入りましょうか…!ここは監獄とのことですし、何か悪さをした人でもいるのでしょうか?

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