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264話 PKキラー

「…お前、何者だ?」

「そうだな……ただのPKキラー、とだけ言っておこう。強い者を狩るのは俺も好きだが、弱い者いじめは好かないものでね」


 いきなり私のすぐそばに現れた黒髪赤目をした一人の男性プレイヤーに対して、唯一残っているリーダーがそのように問答をしましたが、それに対して男性プレイヤーはそのように言葉を返しています。


 …この状況的に、どうやら私を助けてくれたみたいですね?しかし、今の話を聞く限りはこの人も同じPKであり、尚且つマーカーも赤色になっているのでただの親切なプレイヤーではないとはわかります。そうだとしても助けてくれたのは事実ですが、一体何故助けてくれたのでしょうか?


 この人は弱い者いじめが嫌いとのことですし、それで、ですかね…?何はともあれ、助けてくれたのには違いないのですから、感謝をしておきますか。わざわざ手助けしてくれたのに何も返さないのは失礼ですしね!


「あの、ありがとうございます」

「ふん、俺がやりたくてやったことだから、気にするな」


 私からの感謝を受けてぶっきらぼうにそう返してきた男性ですけど、PKプレイヤーの中にもこんな優しい人もいるのですね。…まあこの人は自分のことをPKキラーとも言ってますし、単なるPKプレイヤーとは違うのでしょうけど。


 それにしても、何故初期の街の近くにこうしたPKプレイヤーがたくさんいるのでしょうか?あ、もしかして初心者を狩りに来ていた、とかですかね?このPKプレイヤーたちは弱い者いじめが好きな性格破綻者でしたし、その予想はあっていそうです…!


「ちっ、何者かはしらんが、ここでやらせてもらうぞ!」

「何を言っているんだ?すでにお前は死んでるぞ?」

「何を……!?」


 私がそんな思考をしている間に、男性プレイヤーに殺意を向けながらPK集団のリーダーが襲い掛かろうとしたタイミングで、ふとあげた男性の声が聞こえたのと同時に、突如リーダーである男性の身体が干からびるかのように即座に変化していき、最終的にポリゴンとなって消えてしまいました。


「…〈奪う肉体細胞(スナッチ・ボディ)〉、その者の細胞を奪う武技だ。まあ、もう聞いちゃいないだろうがな」


 ポリゴンに変わっていくPK集団のリーダーに向けて男性はそう投げかけていますが、すでにポリゴンに変わっているのでそれが聞こえることはなかったでしょうね。というかこの人、もしかしなくても私よりも強そうじゃないですか…?


 ほとんどを最初の不意打ちで倒したとはいえ、明らかにユニークスキルを使ったような戦い方でしたし、その実力もかなりのものだとは予想がつきます。この人もさっきの集団と同じPKプレイヤーですけど、まさか私たちを襲ってきたりしますかね…?流石にこれだけの強さをしているのなら出来ることなら相手はしたくないですが……弱い者いじめは好きではないとのことでしたし、それはないですよね?


「…さて、【時空姫】だったな?」

「あ、はい!まさか、私とも戦うつもりですか!?」

「くくっ、それはとても魅力的だが、今のベストコンディションではないお前とは戦うつもりはないさ。まあそちらが戦いを望むのなら、それはそれでいいがな?」

「も、もう、戦いませんよ!私は!」


 そんな私の言葉を聞いて軽く笑っている男性ですが、どうやらPKプレイヤーとはいえ問答無用で襲ってくるわけではないみたいです。しかしその言葉からするに、もし私がベストコンディションなら襲ってきた、ということでもありそうですね…?


 この人は強い者を狩るのが好きと言ってましたし、おそらくは私もそのうちの一人に入っているのだとはなんとなく想像が出来ます。私的には自分のことをトップにしてはそんなに強くないと思っていますが、周りから見ればトップに立つだけはあってそれ相応の実力者の一人、と思われているのでしょうか?


 まあなんにせよ、今回はこの人と戦わなくてもいいみたいですし、PK集団も片づけてくれたので本当に助かりました!もしこの人がいなくてはかなり面倒なことになっていたでしょうし、来てくれてありがたかったです!


「では、俺はこの辺りで行くぞ。【時空姫】、そいつらのクランには気をつけておくように。念のためにフレンド申請をしておくから、何かあればまた呼んでくれ。もちろん、戦いを希望するのもいいがな?」

「もう、何度言われても私は戦いませんよ!…ですが、今回は助けていただきありがとうございました!何かあればまたメッセージを通して連絡させてもらいますね!」

「私からもありがとうございます!とても助かりました!」

「ふっ、ではな」


 私とルイさんに対してフレンド申請を送ってくれた男性……フレンドリストを見るにカルマという名前らしいお兄さんは、チラリと私たちのことを見てからそう言ってこの場を去っていきました。


 うーん、助けてもらいはしましたが、何故か成り行きでPKプレイヤーであるカルマさんとフレンド交換をしてしまいましたね。まあこの人はPKプレイヤーとはいえ根が悪い人ではなさそうですし、別にいいですか。それに私たちのことを心配してフレンド申請を送ってくれたのですから、わざわざ疑うのは失礼です!


「…とりあえず、私たちも街に戻るとしますか」

「それもそうだね!緊張が解けたらお腹が空いちゃったよ!」

「ふふ、なら先にどこかで食事にするとしましょうか。装備を作ってもらえる人の紹介はお昼の後でいいですか?」

「私は大丈夫!じゃあ早速ゴーゴー!」


 そう声に出しながら街まで駆け出していくルイさんにクスッと笑いつつも、私も後について行くように走り出します。が、やはりステータスの差があるからかすぐに追いついたため、そこからはルイさんと一緒に歩いて街まで向かいます。


 さて、ひとまずはどこかで食事をすることにしますが、お店はどこにしましょうか?色々と候補はありますけど……やはりムニルさんのお店がいいですかね?ムニルさんのお店ならハズレはないですし、代金についても初心者でも容易に払えるくらいなのでそこにしますか!では、早速そこを目指して行きましょう!私も意外とお腹が空いていますからね!




「…あれ、兄様たちがいますね…?」

「ん?なになに?」


 そうして街を目指して歩くこと数分、そろそろ街の門に辿り着くといったタイミングで、そんな門の辺りに何故か兄様などのプレイヤーの人影が多数存在していました。兄様以外には、クオンとそのパーティメンバーの皆さん、そしてルミナリアにアリスさんの合計七人が何やら真剣そうな表情をしながら揃い踏みですけど、いったい何があったのでしょうか?


 …あ、そういえば私が救難信号のメッセージを送っていましたね。なるほど、それを見て駆けつけてくれたということですか。すでにその問題は解決していますが、流石にそれを知らない皆さんがいるのは納得ですね。というか、きちんとそれについて教えないといけませんね…!ちょうど皆さんが集まっているのですから、そこに寄って伝えるとしましょう!


「兄様ー!それに皆さんも!」

「レア!?無事だったのか!?」

「はい!いきなりメッセージを送ってしまい、お騒がせしました…!」


 私は皆さんに近づきながらそう声に出すと、すぐさま皆さんが駆け寄ってきて思い思いに心配していたと伝えてきます。


 今も言葉にしましたが、本当にお騒がせしました…!今回はカルマさんに助けられたのでよかったですけど、これからは安易にメッセージを送るのは少し控えた方が良いかもしれませんね…?ここまで心配そうにされてしまえば、どうしても申し訳なく感じてしまいます…!…まあピンチな時なら仕方ないのかもしれませんし、これからもする可能性はありますが。


「…まあレアが無事なようでよかったな」

「だね!レアからのメッセージを見たときは驚いたよ!」

「私も同じなのです!ですが、どこも怪我はないみたいですね?」

「そうなんですよ。メッセージを送った後に助けに入ってくれたプレイヤーがいて、その人のおかげでなんとかなったのです!」


 クオン、ルミナリア、アリスさんからの言葉にそう返しながら、私は改めて感謝と謝罪を伝えます。すると、皆さんは軽く笑いながら気にしてないと言ってくれたので、少しだけホッとしました。


 …どうやらいきなり送った私のメッセージについて悪く思っている人はいないみたいですし、気にしていないのなら安心です!皆さんはただ私を心配して集まったようなので、やはり優しい人たちですよね!これだから、私は皆さんのことが好きなのですよ!もちろん、一番はクオンですけどね!


「それじゃ、レアも無事だとわかったし、私はもう行くね!」

「なら、私もこの辺で行くとするのです!レアさん、お大事に!」

「なら、俺たちも解散とするか。すでに要件はないみたいだしな」

「はい!皆さんありがとうございました!」


 そう皆さんが口々に言ってこの場を去っていくのを見送った私は、唯一残っている兄様に対して視線を向けます。


 兄様は皆のように行かないみたいですけど、何か用があるのでしょうか?今はルイさんがいるので出来れば後にして欲しいですが、もしかしてまだ怒ってたりするのでしょうか…!?もしそうなら、しっかりと謝らないといけませんね…!


「レア、午前中のメッセージの件だが…」


 おっと、怒っているのではなくそれについてでしたか!ですが、それに関してはお昼ご飯の時に話すことにさせてもらいましょう!今はルイさんを連れているので、流石に放置してそれについて相談していては失礼ですしね!


「あ、それでしたか。それはお昼の時でもいいですか?」

「了解した。なら、俺も行くとするから、またお昼にな」

「はい、また後で!」


 その言葉を最後に兄様もこの場から去っていったを見送った私は、続けて空気となっていたルイさんへも意識を向けます。


 さて、ルイさんはこの間に何やら視聴者とコソコソと会話をしていたみたいですが、それは置いといて。とりあえずはこれでメッセージの問題も一件落着なんですし、このままルイさんも連れて食事に行くとしますか!


 ルイさんからすればこの世界で初めての食事なんですし、トップの料理人でもあるムニルさんの料理を食べればきっと感動しますよね!では、行きますよ!

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