261話 目指すものは
「…よし、夜は何をしましょうかね」
そうしてあの後は、その一つ前の上層エリアよりも木々が生い茂っているらしい『深界の大森林エルフェリンデ・中層』と呼ばれるエリアを歩いていたのですが、エリアボスがいた地点からある程度進んだところで転移ポイントを見つけたので、それの開放と同時に街まで戻ってきました。
そしてちょうどいいのでそのタイミングで一度ログアウトをして、諸々のことを済ませてゲーム世界へと戻ってきた時にはすでに時刻は八時になっていました。
さて、今もそう呟いてしまいましたが、この時間はどうしましょうか?流石にエリア攻略をするには時間が圧倒的に足らないですし、それはやめておいたほうがよいですよね。
「んー…なら、今は街の散策でもしてみることにしますか!」
とりあえず、初期の街では第三陣のプレイヤーが多いので、他の街にしようと思いますが……そうですね、目的地は白湖都市ユーリにしましょうか。あそこはヴァーテルさんに軽く案内されたくらいでまだそこまで散策はしていないですし、プレイヤーも多くはなさそうなのでちょうどいいですよね!
よし、行き先も決めましたし、早速向かいますか!目的は特にありませんけど、楽しんで街を探検しますよー!
「…やっぱり、プレイヤーは全くいないみたいですね?」
私は早速とばかりに転移で白湖都市ユーリまでやってきましたが、やはり時間も遅いからか、あるいは単にプレイヤーがこの街まで来ていないだけなのか。理由はわかりませんが、私以外にはプレイヤーの証である青いマーカーを見かけません。
…これなら、プレイヤーに声をかけられて面倒なことになることもなさそうですし、ゆっくりと散策が出来そうですね…!それに今回はヴァーテルさんもいないですし、この街の住人の人から声をかけられることもないですよね?
ヴァーテルさんは【清流の魔女】という存在であるためにこの街の人たちに慕われているみたいですが、私は単なる付き添いだったので、おそらくは大丈夫……なはずです…!ま、まあ声をかけられた時のことはその時に考えますか…!
「…まあなんにせよ、散策開始といきますか!」
いつまでも不安に思っていては意味がないですし、それについては頭の隅に置いといて、今は街の散策が優先です!
この街の構造やお店の種類、建物の位置などはヴァーテルさんからある程度聞いてますが、それ以外はまだなのですからこの機会にたくさん知ることにしましょう!この街で有名なものや人気なものなども気になるので、それらも調べて、ですね…!あ、ついでにクリアとセレナの二人も呼んでおきますか。いつまでも一人では寂しいですし、二人にも楽しんでほしいので!
「…さて、今日で夏休みは最後ですね」
あれから白湖都市ユーリをクリアとセレネを連れて散策した私でしたが、そこで出会った何やら特殊そうな住人から、スレン湖畔森にある巨大湖の底には水中神殿があるということを聞いた以外には特に何かが起きることもなく時間は進み、今は次の日である日曜日となっています。
そして今日は夏休み最終日でもあり、明日からはまたもや学校が始まります。悠斗とは夏休み中に何回も会っていましたが、宮里さんとは会うことがなかったの元気なのかは気になってしまいます。まあ明日から始まる学校に行けばわかることですし、それについてはいいですね。
加えてゲーム内とはいえ顔は合わせていますし、元気なのに違いはないでしょう!今日はまだ夏休みですけど、明日から始まる学校には少しだけワクワクしてしまいます…!普通なら学校は面倒と考える人もいそうですが、私的には友人兼恋人である悠人と毎日会うことが出来るので、学校に行くのは結構好きなのですよ…!
「なんにせよ、日中からゲームを出来るのが今日が最後なんですし、最後まで楽しむとしますか!」
とりあえず、今日の夜には宮里さんから聞いたプレイヤーたちの中で流行っているという砂漠の噂とやらを確かめに行きたいですし、ゲーム世界に行った後にフレンドを誘って目指してみますか!
まあ誘っても断られる可能性はありますし、夜の時間にいる人がどれだけいるかはわからないので心配になってしまいますが、まあその時はその時です、別に急いでその噂を確かめないといけないわけでもないのですから、気楽に考えておきましょう!
「では、そろそろゲーム世界に行きましょう!」
そんな思考をしている最中にも朝の支度をするために動き続け、気がついたらいつものやることも終わっており、時刻はすでに八時となっていました。
よし、これでやることも済みましたし、早速今日もゲーム活動と洒落込みますか!兄様もこれまたいつも通りゲーム世界へと行ってますし、私もそれに続くようにいきますよ…!私もこのゲームは最近のお気に入りなんですから、暇な時間があるのならプレイしたいので!
まあやるべきことは特に決めていませんが、それはログインしてから考えればいいですね!ひとまずはログインするのが優先です!
「…確かここは、白湖都市ユーリ……でしたっけ」
そうして自分の部屋に戻ってからヘッドギアを頭につけ、早速とばかりにゲーム世界へとやってきた私でしたが、ログインしてすぐに視界に映ったのは大きな湖が特徴の街、白湖都市ユーリでした。
昨日はこの街を散策してからログアウトをしたので、ここに出てきたのでしょう。周りにはプレイヤーや住人もほとんどいないのでゆったり出来る空間となっていますが、今はゆっくりしたい気分ではないのでそれは一旦置いとくことにして、考えるべきはこの時間でなにをするか、です。
「うーん、この時間は何をしましょうかね?」
やりたいことといえば砂漠の噂を確かめることくらいですけど、今の時刻は午前八時なのでどう考えてもそれをすることは出来ません。なので、他にやりたいことになりますが……特にこれといった用事もないため、そう簡単には思いつきませんね。
あ、なら昨日この街の住人から聞いたスレン湖畔森にあるという水中神殿を目指してみましょうか…?あそこの湖に神殿があるとは知らなかったですし、やりたいことがないのなら目指すのも良いかもしれませんが…
「…いえ、そうですね。ちょっとだけ第三陣がどんな感じなのかが気になりますし、今の時間は初期の街に行って少しだけ様子を見てきましょうか」
後回しにしても水中神殿は逃げないのですから、先にそちらを優先することにしますか。ついでに、その間に砂漠の噂を確かめるために一緒にどうかとフレンドも誘ってみましょう。
そちらに関しては夜に起こるものなのですぐに行くというわけではないですけど、早めに誘っておくことに悪いことはないですからね。先に予定を入れておかないでその直前に誘うとなると、すでに予定が入っている可能性も無きにしも非ずなので!
「では、まずは初期の街に転移で移動するとして、その後にフレンドを誘ってみますか」
そう決めた私は手早く行動に移るため、今いる白湖都市ユーリの広場から転移で初期の街まで移動します。
転移で街に向かうとわかりましたが、朝早い時間とはいえすでにたくさんのプレイヤーがこの街にはいるらしく、今も楽しげな様子で会話をしたりパーティ募集をかけて声を張っている人など、実に活気があって賑わっているみたいです。加えてこの街にいるのは主に第三陣の人たちらしいですが、そんな初心者を誘っている第一陣や第二人のプレイヤーらしき人たちも意外と見かけます。
やはり初期の街なのでプレイヤーはたくさんいるのですね。まあ当然だとは思いますし、納得は出来ますが。なんせプレイヤーの初期位置なんですから、一番活気がある場所と言っても過言ではないで!っと、それは一旦置いといて、まずは今いるフレンドにメッセージを送って砂漠の噂を調べに行かないかと誘いますか。
「今いるのは……クオンパーティと兄様、そしてルミナリアにアリスさんくらいですね」
ログインしているフレンドは少ないですが……うーん、それなら今回は兄様を誘いましょうかね?最近は兄様と行動することが少なかったですし、ちょうどいいですよね…!
それに兄様からしても、特殊なイベントの予感がする砂漠の噂は気になるとは思うのですから、おそらくは誘えば来てくれるはずです…!それに兄様はシスコンでもありますし、断られる可能性は限りなく低いとも思えます。なんたって、私と一緒に行動を出来る機会なので!
…というか、兄様を誘うのなら現実世界ですればよかったと後から思ってしまいましたね。まあ先に目的を決めてなかったのですし、仕方ない点もありますが。
「…よし、では兄様を誘うためにメッセージを送って、っと…」
そんなことを考えつつも、兄様に向けてメッセージを送った私は早速初期の街を歩き出そうとしたタイミングで、なんとすぐに返信が返ってきました。
帰ってきたその返信を手早く確認した私でしたが、そこには"私の誘いに乗らせてもらう"と書いてありました。よし、どうやら一緒に行ってくれるみたいですね!少しだけ断られたらどうしようかと心配になっていましたが、問題なかったみたいです!
なら、行く時間に関してはお昼ご飯の時にでも相談するとしますか。別にゲーム内でなくても会うことが出来るのですから、それがベストですよね?まあ何はともあれ、これで今日の夜の予定は決まりです!
なら、それまでの時間は適当に街の散策や狩りでもしていることにしますか。時間はたくさんあるのですから、夜まではゆっくりとしているとしましょう!




