259話 寄生花
「よし、倒し終わりましたね!」
私は最後の一匹がポリゴンとなっていくのを眺めつつ、一度インベントリに双銃を仕舞います。久しぶりなソロでの戦闘でしたけど、どうやら腕は落ちていないみたいですね…!まあこれまでにも色々な敵と戦ってきたのですから、このくらいなら苦戦もしませんか。
それにソロでなくても戦闘はたくさんしていましたし、腕前は落ちるどころか上がっていそうですね!前よりも戦い方も極まってきているので、やはりこの戦い方が私にベストのようです…!
私が一番頼りにしているのはスピードなんですから、私よりも速い存在か、あるいは攻撃が全く効かない高耐久の敵でないのなら攻撃を受けることも少ないですし、特に手こずることもないと見て良いかもしれませんね…!
「…この調子なら苦戦もしなさそうですし、このまま先を目指しますか!」
複数の狼の相手はしましたが、一人でも相手をするのに問題はなかったのでこの調子で攻略を目指すとしましょう!すでにここに生息しているモンスターは知っているのですから、油断はしないですけど気を張り過ぎて疲れないように気をつけながら行きますか!
「…む、ここは……ボスエリア、ですかね…?」
そうして襲いかかってくる多種多様なモンスターを倒しながらズンズンと森の中を進んでいた私でしたが、森の中を歩くこと数時間で森の中にも関わらずなぜか開けている空間の手前まで到着しました。
見えているエリアの形からして、おそらくはボスがいるエリアですよね…?すでに時刻は五時を超えているため、そこまでの時間歩き続けていれば森の中とはいえボスのいるエリアまで到着するのも納得です。この森は何層にも別れているうえにそれぞれがかなりの広さをしてますが、それだけ私の移動が速かった、ということなのでしょう。森の中は慣れていますし、それのおかげもありそうですね?
というか、流石に一人でエリアボスに挑むのは無謀ですかね…?ここのボスの情報一切知らないので危険かもしれませんが……いえ、ここは私の実力を確かめるついでに挑むことにしますか…!
別にやられたところでデスペナルティがつくだけなので特に問題はないですし、何事も挑戦あるのみです!お母様も言ってましたが、当たって砕けろ、でもあります!…いえ、砕けてはダメでしたね?ま、まあそれはいいとして、気合を入れて挑戦しますよ…!
「では、行きますか…!」
私は自身の武器である双銃をインベントリから取り出し、それを構えながらドキドキした様子でボスエリアへと足を踏み入れます。すると、中に入ったタイミングでいきなり足元が強く揺れたと思ったら、私から少し離れた位置の地面から一匹のモンスターが生えてきました。
そのモンスターとは、一枚一枚が私くらいの大きさはある真っ黒な見た目をした花びらが複数枚ついている巨大なラフレシア型のボスモンスター、パラサイト・フラワーでした。
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パラサイト・フラワー ランク C
森の奥に生息している黒色をした大きなラフレシア。
吐き出す種には様々なものに寄生する力があり、それらによって寄生された動植物はこのモンスターに従う下僕となる。
状態:正常
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名前からもわかりますが、鑑定結果を見てもこのモンスターに気をつけておいた方が良い点がはっきりとわかります。それは寄生する力というものであり、それに当たってしまえば間違いなくそのままやられてしまうのだと判断が出来ます。
加えてランクも今までのモンスターよりも高いため、寄生する力以外にも警戒は強めておいたほうが良さそうですね。植物系のモンスターなんですから、何をされるかわかったものではないので!
「…とりあえず、いつも通り全ての攻撃を避け、そのまま蜂の巣にするだけです!」
私はそう声に出して気合いを入れ直した後、最初から本気でいくために〈第一の時〉を自身に撃ち込むことで動きを加速させ、その状態で攻撃をするために駆け出します。
このモンスターは寄生能力以外に何をしてくるかはわかりませんが、それでもダメージを与えないことには倒すことが出来ませんし、警戒は強めつつも攻撃をしていきます…!念のため加速効果を付与していますし、何かされても即座に対応を出来るようにはしておきますが……さて、どうなるか…!
「キィイイイッ!」
「っと、いきなり寄生狙いですか…!」
私は寄生花の中心の口らしき部位からこちらへと飛んできたピンポン玉くらいの大きさをした種を加速した動きで当たらないように回避しつつ、そう声に出します。
やはりこのモンスターは基本的に寄生能力で戦うタイプみたいですし、これは倒し切るまでは油断は出来なさそうですね…!それに今回は最初から警戒をしていたので避けれましたが、攻撃が激しくなってきた場合は躱し切ることが出来なくなる可能性もあるので、キチンと対処出来るように意識をしておかなくては…!
「ふっ!」
「キィイッ!」
次から次へと飛んでくる種の雨を回避しながら私は寄生花に向けて両手の双銃を構え、そのまま寄生花から一定の距離を保ちつつ周囲を〈飛翔する翼〉を織り交ぜながら不規則な動きで飛び交い、銃のトリガーを引いて弾丸を乱射します。
それに対して寄生花は口元から連続して種を放って相殺を試みているみたいですけど、吐き出される種は思ったよりも硬くないのか、その全てが相殺されずに貫通することで寄生花の身体へと命中し、ダメージを与えています。おそらくは寄生の力が強い代わりに耐久はない、ということですかね?加えて、黒転の腕輪の力も関係しているかもしれません。まあこちらとしては好都合ですし、このまま攻めますよ…!
「キィイイッ!」
「む、何やら反応が…!」
それからも飛んでくる無数の種を躱しながら寄生花に向けて攻撃を繰り返していた私でしたが、突如寄生花が金切り声をあげたと思ったその直後、寄生花の周りから多数の動植物のモンスターの反応が現れました。
おそらくは寄生花が支配している動植物なのでしょうけど、どうやらここからはこれらのモンスターの相手もしなくてはいけないみたいです。鑑定での説明によると、寄生された動植物はこのモンスターに従う下僕となるとも書いてあったので、自分の意思で戦っているわけではないのだとわかります。ですが、申し訳ないですけど倒させてもらいますよ…!
躊躇っていてはこちらがやられてしまう可能性が高いのですから、それについては気にしないで攻撃をすることにします!
「…数が多くなりましたし、ここからは分身も使用しますよ!〈第七の時〉!」
そう声に出しながら分身を生み出す武技を自身へと撃ち込んだ私は、そのまま生まれた分身と共に寄生花の周囲を飛び交いながら、無数の寄生モンスターと寄生花に対して両手の銃から弾丸を連続して放ちます。
寄生花に操られているモンスターはこの森に生息している狼や蛇、猪を始めとして、猫や栗鼠、鼺鼠型の獣型のモンスターなどが主な様ですが、それらは寄生される前よりも知能が劣っているらしく、攻撃を躱そうともしないので容易く銃弾で撃ち抜くことで倒すことが出来ています。
「…思ったよりも頭が悪いみたいですね?」
やはり支配されているということでしたし、寄生花が操作をしているのでしょうか?寄生花は植物系のモンスターなので獣型のモンスターよりかは知能が低そうなので、この予想は間違ってはいないはずです。というか、寄生花は攻撃を周りのモンスターに任せてさっきから種を飛ばしてくるだけなので、周りにいる無数の寄生モンスターを倒せば楽に倒せるかもしれませんね。…なら、ここは一気に倒して攻め立てるとしましょうか…!
「「…では、いきますよ!〈バレットシャワー〉!からの〈バレットフィーバー〉!」」
私は寄生花や寄生モンスターたちからの攻撃をゆらゆらとした不規則なら動きで避けながら、早速とばかりに分身と同時に後方の空中へと跳び上がり、そのまま大量の弾丸の雨を寄生モンスターの群れと寄生花本体に向けて放ちます。
これは私が出来る最大限の範囲攻撃ではありますが、それでも弾幕の雨なのである程度の数は削れるはずです…!寄生花本体は倒すことは出来てないと確信は持てますけど、それに操られているだけよモンスターたちは倒せると良いのですが、どうでしょうか…!
「…よし、どうやら粗方は倒せたみたいですね」
そうして弾丸の雨によって舞い上がった砂埃が治って寄生花たちの姿が見えると、そこには無数に存在していた寄生モンスターの数がかなり減少していました。まあ全てが倒せているわけではないですが、それでもある程度は倒せているのでいい感じです…!
寄生花自身のHPも今の攻撃によって六割を切っているため、ダメージを与えることもうまい具合に出来ているみたいです。それにしても、ここのボスである寄生花は厄介な能力がある代わりに防御力は低いのでしょうか?明らかに今までのモンスターよりもダメージが入っていますし、HPの減りが早いのですけど……まあこちらにとっては楽でいいですし、気にしなくても良さそうですね。
「キィイイイイッ!」
「っと、考え事は後にして、今は寄生花の相手をしないとですね!」
すでに寄生モンスターの数は減っているとはいえ、このタイミングで分身も消えてしまいましたし、ここからも気合いを入れないとですね!とりあえず、私が装備している懐中時計の効果でリキャストタイムもすでに終わっているのですから、次は無数の幻影を使って惑わしながら攻めるとしましょうか!
敵の数は少なくなっているのですから、ここは分身で手数を増やすのではなく幻影で隙を生み出して攻撃を当てるのを意識することにします!寄生花の耐久は低いようなので、このまま倒すために動きますよ…!




