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サバイバル・ロボットマーチ  作者: ギンユウシジン
第一部 守れ、100日! 学園前哨基地小隊!!
2/19

2日目:頭脳戦(勉強会)とご友人

弓波奈保は、頭を抱えていた。身体能力に自信のある彼女が、どうしてもかなわないことがこの世には存在するのだ。


「・・・このように、近衛武士団、銀翼騎士団、鋼鉄傭兵団、教導教会騎士団、ファーストストライカーズ、人類防衛同盟。これらは6大勢力と呼ばれているわ。」


基地の最高責任者、久遠美月が教鞭をとる。司令室では今、久遠、芥、元宮、弓波の4人がそろって勉強会が開かれていた。


訓練学校の座学では、最低限の知識しか授けられなかったため、こうして自主的に勉強をすることになったのだ。


もちろん発案者は美月である。


「勉強するくらいなら、モンスターと連戦してたほうがましだぜ・・・。」

「そう言うなって弓波、これが終われば昼飯だ。」

「あともうちょっとですよ。」

「頭が痛くて食欲がわかねえよ・・・。」

「さっきから集中できていないんじゃないかしら?」


美月がにこりと微笑む。目は笑っていない。


「ちょっと確認してみようかしら。弓波さん、各勢力の特徴を言ってちょうだい。」


うへー、と彼女は痛む頭を抱えながら、メモしたノートをのぞき込む。


「えーと、近衛武士団は、近接戦闘の鬼。銀翼騎士団は、銃撃戦が得意。鋼鉄傭兵団は、モンスター相手のゲリラ戦に特化。教導教会騎士団は、ヤバすぎる信仰心で防衛線が強固。ファーストストライカーズは、機動力マジパねえ。人類防衛同盟は、えっと~、あっ、戦いは数だよ兄貴!だ!」

「そこまで。ちゃんと聞いているようで安心したわ。」


本質を突くところは目を見張るところがあるのよね。こう弓波を評価し、美月は講義に戻る。


その時、司令室に鐘が鳴る。正午を告げる鐘の音だ。


「よっしゃー!昼飯!お疲れさん!」


そう言い残し、弓波はその身体能力を余すことなく発揮した。


「恐ろしく速いダッシュ。俺じゃなきゃ見逃しちゃうね。」

「何を言っているの?」

「あはは・・・。」


立体機動を駆使して最短ルートで食堂へ向かった弓波を見送り、三人は半ばあきれながら会話した。


「まあ、俺たちも飯にしようぜ。委員長、今日のメニューは何だっけ?」

「豆の缶詰に家庭菜園でとれたミニトマト。あと後方からの支援物資としてお米があるわね。」

「後方も楽じゃないだろうに、ありがてえぜ。」

「ええ、本当に感謝していただかなくちゃね。」


その後、動物性たんぱく質が足りないといってごねる弓波をなだめながら、一同は食堂で昼食をとった。


・・・


昼休み


地下格納庫にあるショップのコンソール前に、芥はいた。


「え~と、ラインナップは、と。」


その時機械音声が響き渡る。


「何をお探しですか?」

「ああ、ざっと商品を見せてくれ。」

「大まかに必需品、嗜好品、軍需品、ご友人専用があります。」

「ちょっと待て、なんだそのご友人専用というのは?」

「ご友人専用に目をつけるとはお目が高い!これはとてもおススメですよ!」

「いや、だから何だよご友人専用って?」

「ご友人専用、それは私が考えだした陣風専用最強装備!ほら、男の子って好きでしょ、最強とか?」

「いや気になるけど、お前ショップのAIだよな!?なんで無駄に高性能なんだよ!?」

「おっと、私をそんじゅそこらのAIと一緒にしないでいただきたい。私は・・・。」


一拍置いたのち、彼?は言った。


「零式、そうお呼びください。」

「零式・・・、無駄にかっこいいな!?」

「ありがとうございます。この名前も思い入れがあるのですよ。」


へー。芥は興味なさそうに言った。


「ちなみにショップの画面に手を開いて触れていただけますか?ユーザー登録をするので。」

「ん、ああ。」


芥は言われるがまま、手を開き画面に触れた。


「ほうほうなるほど、これはこれ、は・・・?」


一時の静寂、芥は何かトラブルでも起きたのかと思った。


「零式?」

「・・・。」

「おーい。」


・・・


かつて存在した記憶。

ドワーフが槌をふるい、エルフが精霊と戯れ、小人が善良に生きていた時代。

発展した町は活気があり、そばの湖には神秘が宿っていた時代があった。


巨大な邪悪との戦いの後、美しい湖のほとりで、私たちは約束をした。

「天に掲げるは、希望の御旗。私は、「〇〇」です。」


一呼吸入れる。


「皆の希望でいられるように、そのご命令、承りました。」


追放された王女は、大声で言い返した。


「○○、何を言っているのですか?これは命令ではありません!」


これは、この二人の気持ちは、


「あなたのご友人たちからのお願いです。」

「・・・ご友人?」


聞きなれない言葉に、私はそう聞き返した。


「そうです!あなたは偉大な業績を残しました!」


湖から見える街を指さす。


「この街を守り切ったという偉業です!」


本人はやや涙目だ。別れが近いと分かっているのだろう。


「なのでこの私、アイリスフェルン・エバーランドのご友人と認めましょう!」


涙を拭いて笑顔を浮かべる。

ああ、このお方は本当に感情豊かでしたね。


「後世に伝えてもいいんですよ?」


ウインクをして、かわいらしく笑った。

その笑顔は、今もこうして忘れていない。


「こうすれば、あなたは後世でも人気者間違いなし!

なぜならこの私のご友人なのですから!ふふっ、なんてすてきな提案でしょう!」


思いっきりドヤっている。わが主もやれやれといった感じで肩をすくめている。


「おーい、王女様、今真剣な話をしているんだぞ~。」


わが主が歩み寄ってくる。


「はぁ、まあいい。○○、これは命令じゃない。いやだと思ったら、やらなくてもいい、ただのお願いだ。」


わが主は、私の目をしっかりと見つめて言う。


「友人からの、な。」


・・・


ああ、そうだったのか。


「おーい、もしもーし?」

「私たちは、」


ん?直った?


「私たちは、どうやらご友人だったようですね・・・。」

「いや、会ったばかりだけど?」

「ふふ、水臭いことを言わないでください、ご友人。ショップの件もサービスいたしますよ。」

「え、マジで?ラッキー!」


こうして俺たちは、ご友人となった。まさかこの時のやり取りが、のちにあんな影響を与えるとは、絶対に誰も予想できなかっただろう。


次回予告!


学園前哨基地の惨状に頭を悩ませる美月一行。お湯の出ないシャワー、冷房のつかない司令室、暗くなったらおやすみという毎日節電週間。この問題を解決するために、美月は探索強化指令を出す!邪魔をするは、はぐれモンスターたち!はたして基地での生活は快適なものになるのか!?


次回、サバイバル・ロボットマーチ 10日目 探索強化指令発令!

いや~、夏はクーラーに限りますね、ご友人。


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