10日目:カルト教団殲滅作戦と慰安旅行
芥たちは、声を上げることすらできなかった。
カルト教団殲滅作戦に従事している彼らは、最悪の事態に直面してしまい、どうすることもできなかったのだ。
「ご友人・・・。」
天旗が搭乗している芥に声をかけようとする。しかし、なんと言えばいいのかわからなかった。
機体が入れるほどの広大な地下施設。そこには倒したモンスターと、カルト教団の乗っていた壊れた機体。
そして、いけにえと称され拉致されてきた民間人の凄惨な姿があった。
「間に合わなかった・・・。」
誰からともなくぽつりとこぼれる。
カルト教団の殲滅は達成された。しかし、またしても民間人を助けることはかなわなかった・・・。
・・・
天旗は暗闇の中、一人思う。
「自らが助かるために、他者を犠牲にする・・・。」
思い出すは権力による圧政の数々。
「どれだけ経とうと、変わらないのですね。」
・・・
立て続けにテロリスト鎮圧作戦とカルト教団殲滅作戦に参加した学園基地の一行。彼らは精神的に不安定になっていた。
「(これは、どうにかしなければダメね・・・)」
指揮官として彼らのメンタルにも気を配らねばならない美月は、この事態を打開しようと、とある企画を立てた。
「温泉に行くわよ!」
朝食後の皆が集まっている司令室。睡眠不足のせいか、一部の人間は目の下にクマができていた。
「しつも~ん。誰が行くんだ~?」
弓波が率直な疑問を述べる。
「この基地の全員よ。」
「おいおい、留守はどうするんだよ?」
「私にお任せください、ご友人!」
窓から天旗がニュッと出てきた。
「この天旗!皆様のいない間、この基地を守り切ってみせましょう!」
「うわー。頼もしいんだか、頼もしくないんだか。」
「大丈夫なのか、久遠?」
「・・・大丈夫、の、はず、よ?」
「地上最強の留守番を自負しております!侵入者は皆捕まえるので、お任せください!」
久遠は悩みぬいた末だろう、苦渋の決断を下したかに見えた。
「でも真面目な話、泥棒とか入ったらどうするんだ?」
「私の24時間監視体制で、即確保です。防衛ドローンも総動員します。」
駆除しているとはいえ、まだこのあたりにはモンスターが出る。後方からここまでやってくるもの好きはまずいないだろう。・・・一部例外はいたが。
「襲撃者が来た場合は?」
「?私に勝てるとでも?」
天然で絶対的強者感を出している、この黄金の機体は。
「・・・まあ、留守は天旗に任せるのはわかった。で、温泉っていってもどこに行くんだ?」
「車で片道3時間のところにある、山奥の旅館よ。そこに温泉があるわ。」
「今の時代よく経営してるな・・・。」
「昔から軍の慰安施設なのよ。だから今でもやっているのよ。」
弓波が期待を込めた目で聞いてくる。
「なあなあ、飯は!?飯は期待していいんだよな!?」
「ええ、天ぷらやすき焼きが食べれるそうよ。」
牛肉キター!弓波の期待はマックスになった。
「あれ、そう言えば期間はどれくらいですか?」
元宮が美月に尋ねる。
「よく聞いてくれたわね。2泊3日よ。たっぷりリフレッシュしてもらうわ。」
エステやマッサージのサービスもあるそうよ。美月の発言に向坂と西園寺が喜ぶ。
「エステとか受けてみたいし!」
「マッサージもよさそうですわね。」
肩が凝って仕方がありませんの。そう言って西園寺は肩を回した。
「(そりゃ、そんだけご立派なものをお持ちならな・・・)」
芥は内心同意していた。
「それでは着替えなどを用意して、1時間後に正門前に集合よ。」
はーい!全員が楽しみそうに返事をした。
・・・
山道を走るバスの中、シルヴィアが運転し、他のメンバーはくつろいでいた。
「あと30分ほどで着くわよ。」
「ほ~い、なあ、もう一回トランプやろうぜ。」
「最後の一戦ですわね。」
「お嬢、気合入りすぎ。」
弓波、向坂、西園寺の3名はトランプに興じるようだ。
後部座席に座っている元宮は、すやすやと寝ていた。日ごろの機体の整備の疲れがたまっていたのだろう。その寝顔はとても穏やかなものだった。手元に機体関連の書籍があることと関係があるのかもしれない。
美月は今後の予定を立てているのか、手帳とにらめっこをしていた。様々なレクリエーションを考えているのだろう。この慰安旅行は、彼女の手腕にかかっているといっても過言ではない。
そして芥はというと。
「operation Goyu-jin. こちら天旗。ご友人、応答せよ!」
「なんでお前がいるんだよ・・・。」
通信機で天旗と会話していた。
「基地の警備もする。ご友人と交流もする。それが真のご友人というものです。」
「絶対違うな。」
「まあまあ、ご友人。男子一人だと夜寂しいでしょう?話し相手になりますよ。」
「そいつはサンキュ。」
芥は、外の景色を見る。夕焼けが見えてきた。今日はこのまま宿についたら休憩となるだろう。
しばらく山道を走る。すると趣のある建物が見えてきた。バスが減速し、止まる。
「ここが2泊3日泊まる宿よ。さあ皆、降りてちょうだい。」
元宮が起きて、弓波たちも荷物を持って降りる。シルヴィアはバスの駐車場のほうに車を停めに行った。
全員がそろうと、旅館の中に入る。受付には上品な女将がいた。
「本日は遠いところからようこそお越しくださいました。どうぞごゆっくりしていってください。」
「お世話になります。予約していた7名の久遠です。」
はいはい。と女将はゆったりとした所作でカギを二つ渡してくる。
「男性、女性で別れております。隣同士で、部屋の広さは同じです。」
その後一般的な注意事項が説明され、部屋に案内されることとなった。
「こちらが女性陣のお使いになられるお部屋です。」
おお~。思わず感嘆の声が漏れた。畳のいい香りに心が落ち着く。窓から見える景色も緑豊かで絶景だ。
「こういうお泊り、初めてですわ!」
「はいはいお嬢、興奮しない。」
「6人で使っても、ゆったりできる広さですね。」
「枕投げしようぜ!枕投げ!」
「おい、禁止事項に枕投げがあっただろう。」
「・・・すみません、はしゃいでしまって。」
女将は上品に笑う。
「いえいえ、いいんですよ。どうか疲れをいやしてくださいね。」
さて、と女将は隣の芥が使う部屋に案内する。
「間取りは変わりません。ただ、おひとりで使うには広いかと存じますが・・・。」
「いやいや、大丈夫ですよ。むしろ大部屋を一人で使うのは、めったにない機会ですし。」
あらあら、と女将は笑う。女将が退出すると芥はさっそく荷解きを始めた。
「歯ブラシ、よし。着替えよし。うん・・・、終了!」
そのまま芥は、テレビをつけた。実際に電波に流され放送されているものではない。モンスターの出現でテレビ放送がされなくなって久しい。昔の録画されているものをただ流しているだけのものだが、芥にとっては時間をつぶすための道具として機能していた。
「・・・ご友人。慰安旅行とはこういったものなのでしょうか・・・?」
「奇遇だな、天旗。俺もこれじゃないと思っていたところだ。」
しょうがない。行くか。芥は立ち上がった。
「どこへ行くんです?」
「女子の部屋~。」
「・・・追い返されないですか?」
「弓波あたりを誘えば、遊んでくれるだろ。」
どうしてもだめなら泣き落とす。芥は無駄な覚悟を決めて、ドアノブに手をかけた。
その時、部屋のインターホンが鳴った。ちょうどよかったので芥はそのまま出た。
「あら、出るのが早いわね。」
そこには美月がいた。
「どうしたんだ、委員長?」
「あなたの部屋に、遊びに入ってもいいかしら?」
「イエス・オフコース。」
芥は、イケボで即座に答えた。あの美月が俺の部屋に入ってくる!これはもうイベントシーン発生間違いない!
美月は芥の返答を聞くと、自室に戻っていった。そして皆を連れてきた。
「お邪魔するわね。」
次々に女性陣が入ってくる。そして思い思いにくつろぎ始めた。
「・・・よかったじゃないですかご友人。これがゲームなら全員集合の一枚絵が出ていたところですよ。」
「・・・ちがう、ちがう、そうじゃない。」
一瞬で甘い幻想が崩れた芥は、壁に寄りかかっていた。だが、数秒もすると復活した。
「そういや委員長、なぜみんな俺の部屋に?」
「あら、ひとりぼっちは寂しくなかったの?」
「めっちゃ寂しかったです。」
「気の利く上官を持てたことを感謝するべきね。あと、あなたを信頼している仲間のこともね。」
人生ゲームやろうぜ~。弓波がテーブルに広げてゲームを開始する。人生初人生ゲームの西園寺は興味津々だ。他のみんなもゲームに参加すべくテーブルに集まる。
「・・・まったく、持つべきものはいい仲間だよ。」
俺もやる~。芥もゲームの輪に入っていった。
・・・
「そろそろ温泉に入りましょうか。」
ゲーム終了後、美月が言う。
「それもそうだな。じゃ、芥、またあとでな~。」
弓波が我先にと温泉へ向かう。その後女性陣も続々と出ていき、一人芥が残った。
「温泉か。俺も行くかな。」
芥もそそくさと風呂支度を始めた。
・・・
「ふ~う、生き返る~。」
芥は露天風呂に浸かっていた。涼やかな風が吹き、頭は冷やされ、体はあったまる。まさに極楽だった。
「一人でこの広さを独占できるのも、いいものだよな~。」
泳いじゃおうかな、と一瞬考えたがやめることにした。
「委員長たちも、今頃ゆったりしてんだろうな~。」
遠くに鳥の声が鳴り響いた。
・・・
弓波以外、長い髪をまとめた面々、一同は露天風呂に浸かり我慢大会をしていた。
「どうした久遠、顔が赤くなってるぜ。」
「あら、弓波さん。あなたもだいぶ汗をかいているようね。」
「も、もう限界ですわ~(ブクブクブクブク)。」
「ちょ、え、ウソ、お嬢、おぼれてる、おぼれてる!?」
「皆さん、まだまでですね~。」
「元宮、貴様平気そうだな・・・?」
向坂がのぼせた西園寺を介抱するために、温泉を上がる。これで温泉に残ったのは4人となった。
事の発端は、弓波の我慢大会宣言から始まった。最初はやる気のなかった美月も、弓波の挑発に乗り、本気になることに。
「はぁ、ばかばかしい。私は先に上がるぞ。」
シルヴィアは適度なところで切り上げた。その場のノリで参加したはいいものの、体調を崩すとなると話は別だ。戦略的撤退といえるだろう。
これで残り3人。
「ところでお二人とも、普段私がどこで働いていると思っていますか?」
異様な圧を放つ元宮が静かに笑いながら言う。
「汗だくになりながらの機体整備。私にはこの温泉が少しぬるく感じますよ。」
フフフ・・・!元宮の目が怪しく光る。
「さあ、たっぷり我慢大会を楽しみましょう!」
美月と弓波は、背筋に悪寒が走った。敵に回してはいけない人を敵に回してしまったのだ。
その後、のぼせた美月と弓波は、夕食の時間になるまで動けなかったという。
介抱したのは元宮だった・・・。
・・・
温泉後、芥の部屋。そこには全員がそろい、人数分の夕食が用意されていた。
「おお、すげ~!天ぷら、お刺身!」
「ここまで豪勢なのは、なかなか食べれないっしょ!」
「実家を思い出しますわ!」
「さすが西園寺さん、マジパね~っす。」
美月が乾杯の音頭をとる。
「今日は1日目、休みはまだまだこれからよ。明日はレクリエーションを用意しているから、それも楽しんでもらえると嬉しいわ。それでは、乾杯!」
乾杯~!皆がグラスをぶつけ合った。
「天ぷらサクサク~。」
「おつゆもいいですけど、塩もいいですね。」
弓波と元宮は、天ぷらにご満悦だ。
「この小さいお鍋、どうやって食べるんですの?」
「これは直接そのままでもいいし、お皿に移してもOK!」
慣れない旅館料理の食べ方について、向坂が西園寺にレクチャーしていた。
「滋味豊かな味だな。」
「本当にそうね・・・。」
美月とシルヴィアは、お刺身を食べて幸福にひたっていた。
「ん~、白米が進む進む。」
「おかわりもありますよ。好きなだけ食べてくださいね、ご友人。」
芥は漬物と白米で優勝していた。
そうして宴も終わる。
ごちそうさまでした~!仲居さんが片付けてくれて、一同は食後にまったりする。
ふと、テレビをつけてみようと思った芥は、テレビ本体の電源をオンにした。
「なんだ、芥。テレビ見んのかよ。昔の番組が流れているだけだぜ?」
弓波は、浴衣の胸元をパタパタしながら言った。
「いや、なぜだか急にテレビが見たくなったんだ。」
テレビにはニュース番組が流れていた。キャスターは天旗だった。
「こんばんは、ご友人。夜のニュースです。本日の学園基地への襲撃は6件、窃盗未遂は3件ありました。基地に被害は出ていないそうです。」
天旗はコメンテーターに扮し、付け髭をつけた天旗がコメントする。
「しかし~、こうも基地への被害が多いと、なにやら裏があるのではないかと勘繰ってしまいますね。そこのところ、どうなんですかね~。」
「もしかしたら人知を超えた秘密兵器が隠されているのかもしれませんね。それを狙って、犯人は襲撃してきているのではないかと。」
いや、お前だお前!一同は盛大にツッコミをした。
「おいどうすんだよ、芥!テレビ壊れちまったぞ!?」
「・・・お、俺のせいじゃねえし。」
「天旗はお前の案件だろ!?」
「もう、ほんとこれ、どうなってるのかしらね・・・。」
美月は天旗の出ている番組を遠い目をしながら見ていた。
・・・
寝る時間になり、皆が解散したころ。寝支度を済ませた芥は、布団で横になっていた。
「なあ、天旗。昼間に襲撃があったのって、本当なのか?」
「ええ、ですがいずれも大したことありませんでした。私の手にかかれば、お茶の子さいさいですよ。」
「最強の警備員だな・・・。」
「まあ、十中八九、狙いは私でしょうがね。」
「うん、まあ、だと思ってはいたけどさ!もう少しこう、なんかあるだろ!?」
芥は通信機に向かってツッコミを入れた。
「ええ、ご友人。ですが、逃げるのなら月へ行くぐらいしないと。だから私は正面から堂々と待ち構えることにしたのです。」
いつの時代も力を追い求める者はいるものですよ。そう天旗は締めた。
「はぁ、まあいい。もう寝るか、おやすみー。」
芥は明かりを消した。
・・・
二日目の朝。温泉に入った一部の女性陣は、肌がツヤツヤになった。そのまま全員そろって芥の部屋で朝食を食べていた。
「これぞ日本の朝って感じだな。」
「おかゆもおいしいですよ。」
朝は、白米かおかゆかを選ぶことができる。食欲がない人でも食べられるようにとの配慮だ。
「あれ、鮭残すの?」
「いや、これはだな・・・。」
弓波が、ご飯の上に身をほぐした鮭を乗っける。そして豪快に熱いお茶を注いだ。
「鮭茶漬けうめ~~~!」
「その手がありましたわ!」
「あはは~、お嬢もやる?」
その時、美月が皆に話し始める。
「皆、食べながら聞いてちょうだい。今日の予定について話すわ。」
全員が美月の言葉に耳を傾ける。
「朝食後、1時間休憩したら、ハイキングコースを歩きに行くわよ。目的地であるお寺でレクリエーションをした後、そこで精進料理をお昼としていただくわ。」
精進料理か~、どんなメニューだろ。芥と弓波は期待に胸を躍らせた。
「帰ってきたら、夕食まで自由時間よ。温泉に入るもよし、卓球をして汗を流すのもいいかもしれなわね。」
卓球は、旅館の名物だ。弓波に勝負を挑んでいいかもしれない。勝つことはできないが、スリリングな勝負をすることはできるだろう。
こうして朝食を終えた一行は、ハイキングの時間までゆっくりと過ごしたのだった。
・・・
「空気がおいしいですわ!」
「マジそれな、お嬢!」
「たまにはこういうのもいいですね~。」
ハイキングコース、そこは自然に囲まれた、なだらかな遊歩道だった。お年寄りでも杖を持てば十分歩けるだろう。それぐらい難易度の低いコースだった。
「なあ芥、走ってどっちが先にゴールするか競争しようぜ!」
「おいおい、遭難するつもりか?」
なんだとー!弓波たちは、じゃれあっていた。
「こうして自然に触れるのもいいな、・・・グレイにも体験させてやりたかったな。」
「彼女は今、どうしてるのかしらね。」
「わからん。手紙の一つも返さないんだ。万が一ということはないだろうが。」
少し心配だ。そうシルヴィアは、寂しそうに言った。
「そろそろ目的地よ。皆、はぐれないでちょうだい。」
目的の場所は、歴史を感じさせる古いお寺だった。そこで一同は座禅体験をし、お昼には精進料理をいただいた。
何度も雑念を払われた芥は、肩に若干の痛みを感じながらも、宿へと足を向けた。
・・・
「いや~、精進料理って肉がねえけど美味かったな!」
「お嬢、足が~、足が~、ってなってたね。」
「もう、言わないでくださいまし。」
宿に帰ってきた一行は、すぐさま温泉へと向かった。楽なハイキングコースとはいえ、少し汗をかいたからだ。
温泉から上がると、今度は卓球台に自然と足が向く。
温泉後というのにもかかわらず、本気で卓球に臨んだ一同。
途中、女性陣の浴衣がはだけて、芥が集中できなくなってしまったというアクシデントはあったものの、おおむねにぎやかに卓球を楽しんだ。
再び温泉に入り、卓球の汗を流すと、芥の部屋でまったりと過ごした。
そうしてやってきた夕食。献立は、豪勢にもすき焼きだった。きちんと一人前ずつ分けられているので、競争の心配はない。めったに食べられない牛肉と、〆のうどんに舌鼓をうった芥たちは、何事もなく就寝した。
・・・
旅館を出発する朝、入り口前にそろった皆は、女将に挨拶をしていた。
「とても素晴らしい旅館でした。」
「気分アゲアゲっしょ!」
「ですわ!」
「お肌ツヤツヤです~。」
「すき焼き、もっと喰いてえ!」
「また泊まりに来るのもいいかもな。」
「・・・今度はグレイも連れてきたいものだ。」
ありがとうございましたー!一同は帰る。あるべき場所に。
・・・
旅行から数日後、指揮官室にいる美月は、今回の旅の請求書を見て目まいがした。
「・・・さすがは士官御用達の高級宿。いいお値段するわね。」
今回の旅費は、すべて美月が支払っていたのだ。士気向上のために部隊員から徴収するわけにもいかなかったためである。
「けど・・・、その分いい思い出ができたわね。」
ボードゲームに温泉、食事に卓球、どれもこれも笑顔が絶えなかった。
今度はグレイさんも呼ぼう、そう決めた美月だった。
・・・
それは、闇の中たゆたっていた。
負の感情から生まれたそれは、とても狡猾だった。
並行世界の分体が、わざと倒される。そうすることで呪いを蓄積していった。
闇はいまだに静かにうごめく・・・。
・・・
621、調整完了。
勇者因子、覚醒済み。
第五世代機体「魔王」出撃準備完了。
これより任務を遂行する。
敵はすべて排除せよ。
「敵は、すべて、排除・・・。」
月の勇者は、魔王を仲間にした。
・・・
次回予告!
機体同士で人々が争う時代がやってきた・・・。芥たちはルナ0が襲撃するロケット発射場を守るために向かう。はたして、芥は何を見るのか・・・。
次回、サバイバル・ロボットマーチ 15日目 魔王と勇者
私は・・・、人を・・・!
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