小人の二人
飛鳥はエフィメロとベネの稽古の様子をボーっと眺めていた。楓はあれから三日だが未だ目を覚まさずにいた、バルザが飛鳥に声を掛けてきた。
バ「飛鳥はユリミラ様と精神世界で出会っていないのだったな」
飛鳥は無言で頷く。
バ「では……」
楓「おはよう、飛鳥」
飛「楓ちゃぁん」
飛鳥は顔が崩れる程泣きながら楓に抱き付いた!
楓「心配かけちゃったみたいだね、もう大丈夫!ニューゼ・ヲルク・ルノーっておじさんの力が私に受け継がれてるんだって、それで一年近く修行してきたんだけど、こっちでどれ位私寝てた?」
バ「なんと!魔王ニューゼの因子を持ち合わせているとは!しかし我らの生命の恩人である方、何も言いますまい。あれから三日が経った所で、飛鳥が項垂れていたのだよ」
ベネとエフィメロもこちらに気が付き駆け寄って来る。
ベ「楓ちゃん、ありがとう、です」
エ「目覚めてくれて安心したわ、あれから飛鳥は魔力が尽きるまで毎日神聖魔法を使っていたのよ」
楓「そっか、大分不安がらせちゃったみたいでごめんね、おじさんがまだ平気だって言うから修行してたんだけど、やっぱり無視して帰ってくれば良かったかな」
エ「?おじさん?」
バ「どうやら楓は魔王ニューゼの因子を受け継いでおるようでな、きっと魔王ニューゼが精神世界に連れて行って修行をしてきたのであろう」
エ「そういう事なのね、私達も精神世界に誘う事が出来れば良かったのだけれど、ユリミラ様でも無い限り出来ないわね」
楓「飛鳥、もう大丈夫だから泣かないで」
楓は飛鳥の頭を撫でながら抱きしめる。
飛「だってぇ、私がアイツ逃しちゃったからぁ、えーーーん」
楓「飛鳥は悪く無い!でも本当に次は平気だよ?強くなったからね!だから自分を責めるのはもう辞めてね」
飛「ゔん、わがっだぁーー!」
楓「ほらほら、鼻水まで出ちゃってるから、はい、チーンして」
楓はハンカチを出して飛鳥の鼻を拭った。
飛「わらしもつよぐなりだい!」
楓「おじさんは完全顕現出来ないから、他の人を精神世界に引き込むのは無理だって言ってたよ」
バ「そうであろう、もう少しベネを自分を護れる強さを身に付けさせたら、我らの古い友人を訪ねるのが良かろう、その友人であれば飛鳥も自らの精神世界へと行きユリミラ様に稽古を付けてもらえるはずだからな」
楓「そうそう、おじさんが言うには飛鳥は感覚で出来ちゃう天才だから、これからは楓が護ってやれって言われたから、任せといてよ飛鳥!ところで雷の気配が無いけどまたどっかで嬉々として狩でもしてるの?」
エ「雷ちゃんね、雷ちゃんのお母さんが来て私達の危機を救ってくれてね、このままじゃあ足を引っ張り兼ねないって言って、狼流の修行をつけてくるって雷ちゃんを連れて行ってしまったわ、でも好きに旅は続けて構わないと言い残してたから、二人の事は直ぐに見つけられるようだから安心していいそうよ、ベネもあと七日もあれば自分位護れるようになるから、それまでは養生していてね」
飛鳥が落ち着きを取り戻した。
飛「あの、服メッチャ濡らしちゃってゴメンね、私、楓ちゃんいないと駄目だから……」
楓は飛鳥の頭を撫でながら
楓「ははは、もぅ、いつもの天真爛漫な飛鳥はどこ行っちゃったのかなぁ?しおらしい飛鳥も可愛いけど、私はいつもの飛鳥に元気をイッパイ貰ってたから、いつもの飛鳥に戻って欲しいなぁ」
飛「ふふふ、わかった!楓ちゃんを元気に出来るのは私だけだもんね!」
ベ「凄い、信頼関係だね、私も、二人を護れる位、強くなるから、ね」
楓「うんうん、みんな元気で宜しい!弟の次は妹が出来たみたいで嬉しいよ」
飛「そうだね、これからが楽しみ」
そうして、暫くベネの修行が続くのを見守る二人であった。
とある山中では、雷牙が飛び回っていた。
雷「ちょっ、待ってよ、とっ、とっ、うわっ」
月華の鋭爪が容赦無く雷牙に襲い掛かる。
月「避けてばかりじゃあ私は倒せ無いよ!次はこの山の先にある谷まで全力疾走ね、遅かったら背後から私の爪が待ってるから、覚悟を決めて走りなさい、あなたの力が足りていればあんな事態には至っていないのよ?もっと雷の潜在能力を引き出しなさい、あなたにはその力があるはずよ」
雷「わかっているよ、あの黒い奴にあそこまでされたのは僕の責任なんだから、飛鳥と楓には弟として家族のように接して貰っていて、守られるだけの弟にはなりたく無いと強く思ったから、僕にまだ力があるなら、もっともっと強くなって二人を助けたい!その為なら何だってやってやる!!」
月「良い意気込みね、じゃあ早速行きましょうか、無事辿り着けたなら次は魔法の特訓ですよ」
雷「はい!」
雷の修行も十日程続き月華の爪撃では掠りもしない力を手にしていた。
月「私も歳かしらね、でもまだお父さんには勝てないわね、旅の先々でも気を抜かず修練は続けなさい、私が出来るのはここまでなんだから、あとは雷牙次第よ」
雷「ありがとう母さん、じゃあ僕は行くね、皆んなにも宜しく!じゃっ」
雷牙の体躯も一回り大きく逞しくなり顔付きも鋭くなった、野生的だった気配察知の精度も上がりかなり先まで見通せるようになっていた。
楓「じゃあ出発しよっか、忘れ物ない?」
飛「大丈夫だよ?ベネは初めての外の世界だよね、お姉ちゃん達に任せておいてね」
ベネは自分の力で人間の大きさになれるようになっていた。
楓「チョット!飛鳥には任せられません!ベネ、飛鳥には気を付けてね」
飛「えぇ〜楓ちゃん酷いよー、ちょっとは成長したんだから」
楓「本当にぃ?まぁ頼りにはしてるよ飛鳥」
ベ「二人共、宜しくお願いします」
飛「うん、宜しくねベネ」
楓「こちらこそよろしく」
ザ「では飛鳥に楓、娘を宜しく、ベネも帰る家は私達が守っておるからな!行ってらっしゃい」
エ「ベネ、あぁすっかり良い顔になったわね、素晴らしい旅を!いつか此処にも立ち寄ってね」
エフィメロはベネの額にキスをした。
楓「じゃっ、行こっか!」
別れを惜しみながら何度も振り返り手を振るベネ、森に入り魔獣も出始めた。
楓「まぁここは私が!」
真っ赤な狼の群れが十五頭は見える、楓が右手を振り翳しながら一言。
楓「凍れ!」
すると一瞬で魔獣と森の木々も凍りつく!
飛「えっ?か、楓ちゃん!今のは楓ちゃんの希望だよね?魔法の名すら言ってなかったけど?」
楓「低級から中級の魔法はそんな感じで出せるよ、私の種族の魔人、今は魔精なんだけどね、魔力を操作したり創作するのに長けた種族らしいんだよね、だからこんなのは朝飯前なのよ!因みに私の中にいたおじさんは昔、この地で魔王とか呼ばれてたみたいだけど、一部の人が悪魔の王だと勘違いして悪い印象になったらしいんだけど、本人はあんまり気にしてなくてただ魔法が楽しかっただけなんだけど、勇者と呼ばれてた人につけ回されてたんだって、それを聖女のユリミラ様が助けてくれたらしいよ?」
ベ「わたしも、お父さんに、聞いた事あるよ、悪い事して無かったのに、勇者とお侍さんが、追いかけ回してたみたい」
飛鳥は話半分で凍った狼で遊んでいた。
楓「うん、なんか嬉しいな、通常運転で。ベネも行くよ」
ベ「はい!」
突然楓の雰囲気が変わった!
楓「二人共、警戒して!」
急に楓が臨戦体制へと入る、この十五頭の群れが来た時でさえ、ニコニコしていた楓だったが、今は笑顔は消えている、飛鳥とベネにも緊張が走る!
楓「こっちだね!物凄い速さで近づいてる!ん?この気配は……」
突然楓の警戒が緩んだ。ガサガサガサ!!
雷「ただいま!遅くなってゴメン!」
楓「あら〜逞しくなっちゃって、イケメンになったね雷、おかえり」
笑顔で迎える楓。
飛「随分気配が変わったから警戒しちゃったよ、おかえり雷」
ベ「あ、モフモフちゃん、お帰りなさい」
雷「で、この氷は楓がやったの?」
飛「そうなんだよ!凄いでしょ?右手翳しただけだよ?」
雷「なんで飛鳥が自慢げなんだ?」
楓「あらら、また別のお客さんが来たみたいね」
雷「その様だね、今度は僕の番で良いかな?」
飛「本当だぁ、大きい鬼みたいだね」
ベネはまだ何処から何がくるのかわからずにいた。
楓「ベネもその内できるようになるから不安にならないでね、まぁ雷のお手並み拝見してみようか」
楓はベネの頭を撫でながら余裕のある雰囲気であった、それを見たベネの緊張もほぐれる。
雷「行くぞ!『雷轟蒼爪撃』」
雷牙の身体が蒼い雷に包まれ、雷が落ちた時の様な轟音と共に一瞬で鬼の背後に姿が見えた、鬼はまだ意識があるようだが、その土手っ腹には大きな穴が空いていた。
飛「うっそ!」
楓「ふぅん、やるようになったじゃん雷!」
ベ「………」
ベネは口をパクパクさせていた。
雷「まぁ、これでもまだ完成じゃないんだよ、音速?を越えないとコイツより強い奴には通用しませんよって母さんに言われたから、音を置いて行けないと駄目なんだよ」
楓「ソニックブームって事ね、もっと空気抵抗を受けない姿勢で突進する感じで行けば出来るんじゃないかな?」
雷「なるほど、やってみる」
すぐに構えで雷轟蒼爪撃を放つと、一秒ではあるが遅れて音がするようになった。
雷「できたかな?」
飛「さっきより音が遅く届いたよ」
楓「ベネもわかったよね」
ベ「うん、一秒位、遅かったよ」
雷「そっか!ありがとう楓、突き詰めていけばもっと速くなれそうだよ」
そのまま雷牙も合流して一路やはり南西へ向かうのだった。
雷「ところで今回は何か目的があるの?」
楓「今回は飛鳥が強くなる為に協力してくれる人がこの先の里にいるらしいんだよね、先ずはそこが目的地かな、そのあとはベネと私を苦しめたアイツをあのまま見逃したらまた別の誰かが悲しい思いをするかも知れないからね、アイツだけは許せないから」
雷「ああ、次は僕も遅れは取らないよ、じゃあ先に進もうか」
滝の流れる美しい花や木のある里で二つの人陰が水浴びをしていた。
妙齢の女性「シャキそこの櫛を取って頂戴」
シャキ「キュウル姉ちゃま、わたちがとかしてあげるっちゅ」
人族の約半分くらいの身長のいわゆるハーフリングの二人の女の子だ。少し背の高い方の女の子はオレンジ色の髪でエルフほどでは無いが尖った耳、妹分の女の子は青い髪が印象的な小人である。
キュ「あらあら、領域に誰か入ってきちゃったみたいね、シャキ、わちしの服持ってきて頂戴」
シャ「珍しいでちゅね、領域に入る前ちゃに大体逸れていくちゅのに、まっちゅぐ向かってきまちゅね、ころちまちゅか?」
キュ「シャキ!物騒な事は言わないで頂戴、この方角から侵入したって事は、バルザとエフィメロの知り合いかもしれないのだわ」
シャ「ああ、あの子供達でちゅか懐かしいでちゅね、かれこれ八十年来てないでちゅね、キュウル姉ちゃまここに服掛けとくでちゅよ?」
キュ「ありがとうシャキ、着せて頂戴」
シャ「またでちゅか?一人で着れまちゅでちょ?」
キュ「あら、着せてくれないの?」
シャ「わたちもまだ裸でちゅのに」
キュ「さぁ」
シャ「わかりまちたよ!いちゅまでも子供でちゅね、姫ちゃまは」
キュ「それは禁句なのだわ、キュウルお姉ちゃんと呼んで頂戴」
シャ「はいはい、キュウル姉ちゃま」
楓「この先に二人居るみたいだね、相手も気が付いたようだね、今なんか潜った感じがしたね、結界かな?」
雷「これは領域に入った感じだね、大体の人は方向感覚が狂って、領域には一歩も入れないんだけど、僕と楓と飛鳥が居たら効かないんだよなぁ」
飛「気付いてるけど、悪意も無いみたいだし進んで平気みたいね」
楓「ん?後ろから二人に監視?されてるのかな」
雷「僕も今気が付いた、風下を移動しながら監視してるみたいだね、何かに目をつけられる事したっけ?」
飛「沢山の人が居たのは雷と出会った後の村だけだと思うけれど、何か法に触れる事したかな?」
楓「気になるから解決してから進もうか」
雷「僕が連れてこようか?」
楓「じゃあ頼んじゃおうかな、よろしく雷!」
雷「了解」
雷牙は素早く駆け出し、こちらを伺っている者達の元へ向かって行った。
ベ「どうゆう事なの?」
飛「ベネの家を出てからだと思うんだけどね、私達を一定の距離を取ってつけ回してる人達がいるみたいなの、その人達を今雷が連れて来てくれるって状況だよ、放って置くと私達の誰かが危険な目に合うかもしれないからね」
雷牙が二人を咥えながら帰ってきた。二人は同じ黒装束に身を包んでおり、いわゆる忍者のような格好であった。
忍一「きゃああ!餌じゃないですよ!離して!!」
忍二「チョット!胡桃、あんたが覗きたいからって近づくからバレたんじゃない!」
胡「えぇ!それを言うなら芹香が姐様のご尊顔を見たいって言ってたじゃん」
芹「はぁ?胡桃が油断して隠密術使わずに走り回ったからでしょ?」
胡「そうだっけ?芹香だって浮かれてたと思うけど?」
楓「ハイハイ!身内話しは後にして!んで?私達をつけ回して何が目的?」
楓は手を叩き話に割って入り、腰に手を置き仁王立ちになっている。
胡「あ、えーと………」
芹「はい!実は姐様達の配下にして欲しくて様子を伺ってました」
胡「です」
飛「ん?配下?」
飛鳥は忍者の姿に興味津々でジロジロ見ている。ベネは飛鳥の背後からチラチラ見ていた。
楓「はい、まず姐様ってのは?」
胡「実は先日の悪魔との戦闘を少し見てたの、で私達は二人に惚れて付いてきちゃったの」
楓「ん?惚れた?戦い方が良かったって事?」
芹「いや、姐様に抱かれたいって意味だけど……」
飛「へ?私達女性だけど?」
胡「勿論わかってます!」
芹「問題ありますか?」
楓「問題だらけだよ、まあ置いといて配下ってのは?格好からして、くの一だよね?それ」
胡「私達は村雨領の忍びだったんだけど、実は領主様が件の悪魔に唆されて、外部への連絡を遮断され、餓死者や乱心者が町人を斬りつけたり、領の警備隊も内輪で混乱させられて、村雨様も惨殺され村雨領は滅びました。忍びの棟梁も返り討ちにあい路頭に迷っていた私達は偶然あの悪魔の痕跡を見つけて、観察したけど私達じゃあ手も足も出ないと思っていた所、洞窟に向かい姐様達に撃退されてるのを見て、胸がスッとしたのと同時にドキドキが止まらずついてきちゃいました」
楓「それは大変だったね、でもまだ倒した訳じゃなくて、これからトドメを刺したい所なんだけどね、だからって私達は配下なんて今居ないし、募集もしてないよ?」
芹「邪魔はしないからどうか!」
飛「楓ちゃん、悪意も無いみたいだし、まぁいいんじゃない?あんまり重く考えないで」
雷「僕の鼻も悪意の匂いはしないね」
胡「姐様ありがとう」
芹「姐様のお世話は何でもやるから、お願いします!料理も出来るし、背中も流させて下さい」
楓「ちょっと、エロい事考えてる顔じゃない?」
胡「馬鹿!もう少し我慢しなきゃでしょ?」
飛「こっちもみたい、楓ちゃん(笑)」
胡「いや、あのー、好きなんです!」
楓「違う意味で危険が増えそうだけど?」
芹「認めて貰うまで背中流すの我慢します!」
楓「いや、認めても駄目よ?」
芹「そんなぁ」
飛「あはははは、もう良いんじゃない?好かれてるのは本当みたいだし」
楓「まぁ飛鳥がそうゆうなら、あんまり重く考えなくて良いって事でいいのかな?私は楓、宜しく」
飛「飛鳥だよ」
ベ「ベ…ベネですっ」
雷「僕は雷牙、よろしく」
胡「元村雨領、黒雲一族が上忍、胡桃」
芹「元村雨領、黒雲一族が上忍、芹香、以上二名身命を賭して楓様、飛鳥様にお仕え致します」
二人は跪き楓と飛鳥の瞳をジッと見ている、その意思の固さがひしひしと伝わってくる。
楓「とりあえずこの先に用事があるから付いてきて」
胡「はぁい」
芹「うん」
楓「ビシっとしてたのは一瞬だけだったな」
飛「忍者って初めて見たね、ベネも初めてだよね?」
ベ「うん、初めての事ばかりで楽しいかも」
楓「私も楽しい、でも配下とか面倒くさそうだけど大丈夫かなぁ」
飛「深く考えないで行こう!」
楓「まぁ、いいけど」
雷「ほら、先を急ぐよ!」
六人は前を向き林の中を進んで行くと、開けた場所へ出た。
雷「なんか小さな家と滝が流れてるね」
家の扉が開き青い髪のシャキが出てきた。
シャ「なかなかの強さでちゅね、何用でちゅか?」
飛「バルザとエフィメロにここへ来れば私の精神世界での修行が出来ると聞いてきました」
シャ「巨人の紹介でちゅか、まぁいいでちょ、私はシャキ、貴女の修行を見てくれるのは奥に居るキュウルお姉ちゃまでちゅ、失礼のないようにするでちゅよ」
飛「わかった、私は飛鳥宜しく」
楓「私は楓、付き添いだからここで待たせてもらうけど、いいかな?」
シャ「好きにすればいいでちゅ」
雷「僕は雷牙、飛鳥行ってらっしゃい」
ベ「ベネはベネです、あっと、頑張って」
胡「胡桃と言います」
芹「芹香」
飛「行ってくるね、時間掛かるかもだから自由にしててね」
飛鳥はそのまま歩き出し、飛鳥には小さい家の扉を開けて入っていく。
キュ「ようこそ我が家へ、主のキュウルなのだわ、でわちしに何か用があるのかしら?」
飛「私は飛鳥、バルザとエフィメロにここなら精神世界による修行が出来ると聞いて来たのだけど、キュウルちゃんが精神世界へ連れて行ってくれるのかな?」
キュ「立ち話もなんだから椅子にかけて頂戴、ちゃん付けね、まあいいわ、そうね、わちしにはソレが出来るわね、んー、あの二人の紹介だから見返り無しでもいいんだけど、一つ困った事があってね、それを引き受けて欲しいのだけれど、どうかしら?」
飛鳥は少し悩んだが、すぐにキュウルの瞳を見て返事をする。
飛「うん、困ってる人は助けたい質だから」
キュ「あら、内容も聞かないで良いのかしら?」
飛「私には頼れる仲間がいるから、どんなに危険でも私が死なせないし、大丈夫だよ?」
キュ「うふふ、気に入ったわ、わちしも飛鳥に協力してあげるわ、じゃあ早速始めましょう、奥の部屋にベットがあるから行きましょう」
キュウルは立ち上がり、奥へ行く扉を開けて進んでいく、飛鳥もキュウルについて行く。
キュ「ここよ、チョット小さいけど、精神世界に行ってる間に怪我をされても困るから横になって頂戴」
飛鳥は頷きベットに横になる。
キュ「あまり緊張しなくても平気よ、ほぼ眠りに入るだけだから、アッチの世界での時間はこちらでは僅かな時間だから、存分に修行をつけてもらえばいいわ、真精聖女ユリミラにね、行ってらっしゃい」
キュウルは喋りながら右手を飛鳥の額にかざし集中すると、仄かに光出し飛鳥はスッと精神世界へと旅立った。




