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(二)-16

 そもそもそれを持とうというのは、専門学校を出た服飾デザイナーや芸能人などがやることではないか。芸能人でも何でもない、ただの会社員を配偶者に持つ幼子を抱えた主婦がやることではないし、できるはずもないのだ。だから自分の妻が、そんなことを言い出すはずがない、と。

「だから、お金が要るのよ。なんとかしてよね」

 何が起こっているのかわからなくて妻の顔を見た。妻の美沙恵は二年前にはかわいらしくて愛嬌があった。それが今や寝癖やハネがあり整えられていない髪に疲れ切ったノーメイクの顔とふてくされた態度で、甘えるわけでもなく、金を要求してきているのだ。


(続く)

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