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第8夢「創=葬=愴」


気配を辿りながら俺と紫苑(しおん)は街中を進む

以前の時と同じように

街中は静かでゴーストタウンのようだった

恐らく街中の人達はメアナイトによって操られているのであろう

そう確信した俺と紫苑はなるべく人から避けて街を進む

恐ろしく重く鋭い空気が街中に蔓延していた

そしてその気配を1番強く感じる方向

河川敷の方へと足を向ける


河川敷へ上がる階段を上ったとき

河川敷に見覚えのある奴が立っていた

コシュマールメアの幹部ドリメアだ

そしてその右奥の橋のふもとには2人の人影

メアナイトと親父だった

2人は黙ってこちらを見ている

ドリメアは俺と紫苑に気付くとニヤリと気持ち悪い笑みを浮かべ


「お待ちしておりましたよ、今日が貴方の最後の日になります。さぁ決着を付けましょうか」


そしてドリメアは4本の腕をブンブンと振り回し

どこからでもかかって来いと手をこまねく


「一斗(かずと)、いけるか?」


紫苑が聞いた


「あぁ、寝起きのウォーミングアップといきますか、後ろ…頼んでも良いか?」


「あぁ了解だ。邪魔する奴は俺に任せて思いっきりやってこい!」


俺はドリメアに向かって突っ込んだ

ドリメアは4本の腕で攻撃してきてる………はずなんだが

おかしい

どうにも止まって見える

奴の動きが早すぎるのか

それとも遅すぎるのか?

答えが出るには時間は必要無かった

勝負は一瞬だった

ドリメアの攻撃をかわし

ガラ空きのボディへ1発パンチをお見舞いしてやった

するとドリメアは思いっきり吹っ飛んでいった


「ほぅ、なかなか腕を上げたようですね。ですがこれは小手調べですよ、次は本気で行きますからね!」


ドリメアが身に着けていた鎧を全て脱ぎ捨てた

ドスンと鈍い音を立ててドリメアの鎧は地面へ落ち

地面をへこませる

かなりの重さがあったようだ

そしてその重さから解放されたドリメアの速さは更に上がっていたかのように思えたが

何故か俺には止まって見えていた

結果ドリメアの攻撃は1度たりとも俺にかする事すら無く

さっきと同じように1発のパンチで吹っ飛んでいった


「な、何故?いつの間にかそんな力を⁉いや、ただのまぐれに決まってます、運良くまぐれが続いただけでしょう」


ドリメアはかなり動揺しているように見えた

恐らく魂の状態でご先祖様と修行していた成果が出ているようだった

だけど魂だけの状態だったはずなのに何故肉体にまで効果があるのかはわからなかった

後でご先祖様に会いに行って聞いてみるか

そんな事を考える余裕すら俺にはあった


「なぁドリメア、お前とはどうやら嫌な縁があるらしく何回かやってるけどさ、お前じゃ今の俺には勝てないみたいだわ。どうする?逃げるなら今のうちだぞ?今なら逃げても追わない、さっさと行け、俺はその奥の2人に用がある、お前と遊んでる時間は無いんだ、悪いな。」


「そんなはずはありません、いつまでもまぐれが続くと思ったら大間違いですよ!」


ドリメアがこっちへ突っ込んできたその時だった

突然ドリメアの横から何かが飛んできてドリメアを吹っ飛ばした

よく見るとそれは人だった


「フハハハ!おもしろそうな事してんじゃねぇか!なぁ俺様も混ぜてくれよ?」


そいつは俺と同じ顔、同じ声をしていた

あの時、俺から分離した黒い塊から現れた奴に間違いなかった


「お前か、確か俺から飛び出した黒い塊だったよな?お前が何者かは知らないけど、邪魔するなら押し通るまでだ!」


「ほぉ?おもしれー!やっぱそうこなくっちゃなぁ!だったら教えてやる、俺様はお前の闇だ、つまり俺様はお前と同じ人間様って事だよ!なら同じ奴は2人もいらねー、1人で良いよな?だから俺様はお前を全力でぶっ潰そうと思ってんだわ!ついでにこの世界とやらも俺様が全て頂いてやっから安心して俺様に倒されろ!」


なるほど俺の闇、か

ご先祖様が言ってたっけ

自分の敵は常に自分自身だと

人は誰しも光と闇を持ち合わせている

そして何をもって光と闇とするかは常に自分自身が選び決める事

そしてその反対にある自分の中の闇を受け入れる事もまた己には必要な事だ、と


確かに俺はあの時、大事な仲間だったジンを目の前で失い、リュムールもまた目の前で傷付き倒れてしまった

その怒りと悲しみに身を委ね

何もかもが滅んでしまえば良い、と思ってしまった

この手で全て滅ぼしてしまおうかとも思ってしまった

いや、それだけじゃないな

元の世界やこの世界で色んな人間を見てきた中で

少なからず心が大きく傷付いた事もあった

人間に対して絶望してしまった事もあった

掟に縛られ続け

行き場のない自分自身の怒りや悲しみや憎しみを押し殺し

自分を含む人間に守る価値がどこにあるのか?

自分に問い続けた時もあった

そしてそんな黒い感情から掟だからと言い訳を自分に言い聞かせ、目を背け

、蓋をして押さえ続けた結果コイツが生まれてしまったのだろう

だったら俺自身が乗り越えるべきは

目の前のコイツって訳か


「おいおい黙っちまってどうした?この期に及んで俺様にビビっちまったのか?」


「あぁ、悪い悪い少し考え事をな」


「余裕じゃねーか?その余裕どこまで続くか見物だなぁ!」


俺が構えた時、後ろから肩を叩かれた


「2対1だとフェアじゃないな?一斗、俺はそっちのドリメアの相手を引き受けよう。」


「悪い、紫苑助かる。頼んだ!」


俺が奴と向き合った時

ドリメアが起き上がってきた


「獲物まで取られた挙句、その獲物から目を背けられるとは…私もことごとく運がありませんね、良いでしょう。死神さんとお聞きしていますがお手並み拝見といきましょうか」


ドリメアが紫苑と対峙したその時

奥でじっと様子を見ていた親父とメアナイトの2人が動き出した

2人はドリメアの側に寄り

何やら話ているようだった

そしてドリメアが声を荒げる


「メアナイト様!どうしてですか!私は……」


その時親父がドリメアの首をはねた

倒れるドリメアの亡骸

それを踏みつけ親父はこちらを見据える


「邪魔してすまぬな、こやつ言う事を聞かんもんでな。始末させてもらった、ここからはワシがお相手いたそう、死神殿。いざ尋常に!」


その様子を見ていたもう1人の俺は突然大声で笑い始めた


「ハーッハッハッハ、おいおいおい、お前達なかなかおもしれー事してんじゃねーか、お前達と組めば俺様も退屈しなさそうだな、どうだ?俺様と組むか?」


「断る!愚息から分かれし半端者には用は無い」


「あ?俺様が半端者だと?上等じゃねーか!」


もう1人の俺が親父に飛び掛かかろうとした時

俺は奴を止めた

親父とはこの手で決着を付けなきゃならない

色々借りもあるし聞きたいこともある


「悪いな、お前の相手は後でしっかりしてやるから、親父は譲ってくれるか?」


「ちっ……まぁいいだろう、お手並み拝見と高みの見物させてもらうとすっか」


もう1人の俺は不服そうに吐き捨てる


「紫苑、悪いけど親父が相手となっちゃ話は変わる、俺の手でケリ付けさせてくれないか?」


「あぁ構わない、他に邪魔はさせないから思いっきりやってこい!」


そう言いながら紫苑が俺の背中を叩く


「一斗よ…己すらまともに制御出来ぬ半端者よ、良いだろう…愚息の息の根を止めてやるのも父としての情け、遠慮はいらぬ、どこからでも来るが良い」


俺と親父が対峙する

その時メアナイトが親父に向かって叫んだ


「父上!さっさと彼の持つ夢想水晶(レイブクリスタル)を奪ってください、お願いしますね」


「あぁ心得ておる、そこでしばし待っておれ」


メアナイトが何故親父の事を父上と呼ぶのか

それを問おうとした所で無意味と感じた俺は黙って親父と向き合う

俺と親父の間に風が吹き抜けた

それを合図に俺と親父は互いにぶつかり合う

心なしか親父の攻撃は手加減しているような気がした

親父が手加減しているのか

それとも俺がご先祖様との修行で強くなっているのか

だが俺の知ってる親父の実力とは違う

そんな気がしていた

互いに拳を振るう

その最中俺は忍声で親父に話しかけた

ジンの事もある

メアナイトに操られている可能性も大いにあったからだ

けれどもいくら問いかけても親父が答える事は無かった

そして親父に問いかけようと意識を集中しすぎて俺にスキが生まれてしまった

油断してしまった俺は親父の一撃を食らい倒れた


「相手を目の前にして他の事に気を取られる未熟者め……故に半端者だとワシは言うた、最後はこの刃で終わらせてやろう……あの世で猫と仲良くな、さらばじゃ我が愚息よお前に後を継がせた事は夢創忍軍最大の汚点となった、後はワシが立て直してやる、安心してあの世へ行け!」


親父が腰から刀を抜いて大きく振りかぶったその時


「どーーん!」


叫び声と共に横から誰かが飛んできて親父を突き飛ばした

そして声の主は俺に手を差し伸べる

その顔を見て俺は驚きを隠せなかった

そして涙が溢れた……


「なにやられちゃってるの?やっぱボクがいなきゃ何も出来なかったりしちゃうのかな?てか何で泣いてるの?もう泣き虫だなぁ」


「う、うるさい!ってかリュムール⁉お前どうしてここに⁉いやそもそもなんで?」


「話はあとあと、どうせボクに会いたくてずっと泣いてたんでしょ?だから帰ってきてあげたの、ちゃんと感謝しなさいよ?ほら手伝ってあげるからさっさと終わらせちゃうよ」


俺はリュムールの手を借りて立ち上がる


「そうだな……色々話したい事あるけれど、話は後だ、とりあえずはサンキュ、そしておかえり」


「珍しく素直じゃん?大丈夫?なんか変な物食べた?」


いや、お前が感謝しろっていうから感謝したんじゃないか

ったくコイツは……

でもこれがリュムールなんだよな

どこか心がスッと安心した気がした


「ほぅ…よもや生きておったとは思わなんだ、死して元の世界に戻ったと思いきや……いやこれ以上は何も言うまい2人まとめてかかってきても構わぬが」


親父が立ち上がる


「その必要は無い、俺1人で十分だ!リュムール、お前も親父には借りがあるだろうけど、俺に譲ってくれ、俺がついでにその借りも返してやるから」


リュムールは少し考えたような素振りを見せ


「うーん、わかった。どうせ言っても聞かなさそうだし?本気……なんでしょ?だったらいつものお店のケーキで手を打ってあげる」


「良いのか?ワシに勝つ唯一の機を失ったかも知れぬぞ?」


「俺が半端者じゃない所しっかり見せなきゃなんないしな、安心して母ちゃんのとこに行けないだろ?」


「ほぅ、抜かしおるわ……ならばその全てを持ってワシを倒してみよ!」


「最初からその気だよ!」


もう親父に問おうとは思わない

恐らく親父はその拳で語ろうとしている

思えば昔からそうだった

大事な事は何も言わず

行動で示す

そして親父は恐らく自分を倒せなきゃメアナイトを倒すなんて無理だろう

そう言いたいのだろ

だから全力で親父を倒す事に集中する

それに恐らくジンの時と同じように親父はもう死んでいる

そしてメアナイトに操られている

だったらその苦しみから解放してやるのも息子の勤めだろう

俺は懐から夢限刀(むげんとう)を取り出す

夢創忍軍の誰もが持つ短い刀

刀身は伸縮自在で使用者の力次第ではどこまでも伸ばす事の出来る刀

夢創忍軍の修行の第一歩として夢限刀を伸ばす事から始めるくらい初歩であり夢創忍軍の忍には必要不可欠である刀

親父と決着を付けるにはこれしかない

そう思った

そして俺は夢限刀を太刀程度の長さまで伸ばす

そして右手で逆手に構える

力を集中させ夢限刀に力を溜める


「親父、これで決着つけようぜ」


「面白い、乗ってやろう!」


親父も同じ構えを取る

夢創忍軍必殺の剣技

十字斬(じゅうじざん)

刀を右下から左上に

そして左下から右上に空を切り

溜めた力をXの形に衝撃波として飛ばす

溜めた力が強ければ強いほど斬撃の衝撃波は大きくなる

互いの衝撃波がぶつかる

結果は俺の方が強かった

俺の放った衝撃波は親父の体を貫いた

そして倒れる親父

俺とリュムールと紫苑は親父の元へ駆け寄った


「親父!あんたやっぱり……」


「あぁお前の思った通り、ワシは既に死んでいる、そしてメアナイトに操られておる、これでようやく自由になれたわ……猫の娘よ、あの時はすまんかったのぅ」


「仕方無いなぁ、許してあげるよ。でもボクじゃ無かったら許してもらえないと思うから感謝してよね」


「ハッハッハ、気の強い娘じゃ、だが一斗にはちょうど良いかもな…娘よ、世話を焼かせる息子だろうが頼んでも良いか?」


「大丈夫、ボクの家来だから安心して良いよ、ずっとこき使ってあげるから」


おいおい人の意見無視して勝手に話を進めないで頂きたい……


「これは頼もしい……一斗よ、良い者達に出会えたな、これからはワシらの事は気にせずにお前の思うままに生きろ、夢創忍軍は捨てても構わぬ」


「あぁ、安心しろ、これからも俺は夢創忍軍として思うままに生きる、だから親父はもうゆっくり眠ってくれ」


親父の身体が光り輝いて消えそうになっている


「最後に、メアナイトには気を付けろ例えお前にとって残酷な事実が待っていたとしても目を背けず戦い抜いてくれ、手を貸してやれずすまんのぅ……」


その言葉を最後に親父の身体は消え1つの光となった

そしてその光を紫苑が掴む


「一斗、これはお前の親父さんの魂だ。ちょっと待ってろ俺が行くべき場所に送り届けて来てやる」


そう言うと紫苑は翼を広げた

紫苑の周りに光が集まりそして消えた

数秒後、また同じ場所に光が集まり

その中から紫苑が現れた


「安心しろ、ちゃんと送り届けて来たぞ」


何がどうなったのかはわからないけれど

紫苑が安心しろと言うのだからきっと大丈夫なのだろう

そして俺は残ったメアナイトと向き合う


「まったくどいつもこいつも使えませんね」


「メアナイト!話してもらおうか、何故お前が親父を父上と呼ぶ?」


「良いでしょう…私に勝てば全てお話しますよ、まぁ貴方には無理でしょうが。大人しく夢想水晶を渡してください」


そう言ってメアナイトは

今までずっと被っていた覆面を脱いだ

その顔には左目の眉から頬にかけて傷があるが

驚いた事に俺自身の顔と同じだった

メアナイトの方が少し俺より歳を取っている感じではあるが

紛れもなく俺と同じ顔だった


「あーーー!やっぱり!!」


そう叫んだのはリュムールだった


「リュムール?お前知ってるのか?」


「詳しくは後でちゃんと話してあげるけれど、ボクを誘拐した犯人だよ。コイツのせいでボクは家族と離れ離れになったんだから!」


「え?リュムール、お前自分の記憶が戻ったのか?」


「うん、まぁね。でも今はコイツをやっつけなきゃ!」


「わかった、後で全部聞かせろよな」


俺はメアナイトに向かって叫ぶ


「お前夢想水晶が欲しいんだっけか?悪いな夢想水晶は俺も今どこにあるのか知らねえんだわ、でもお前はここで倒す」


「わかりました良いでしょう、なんにせよ貴方の命も今日で終わりです、先に逝った父上と共に永遠に眠りなさい。まぁ貴方が持っていないのであれば夢想水晶は貴方を始末した後からじっくりと探せば良いだけですからね。それから猫さん……貴女は生かしておくつもりでした……ですが非常に不本意ですが歯向かうと言うのであれば容赦はしませんよ?宜しいのですか?」


「容赦しないのはボクの方なんだけど?今までの借りを全部まとめて返させてもらうからね!言っとくけどボクの事あんまり舐めない方が良いよ?今さら謝っても絶対許さないんだからね!」


リュムールは自分の拳から爪を出し戦闘体制を取っている

そして俺は手で印を組み叫ぶ


「レイブテクター!夢装(むそう)!」


青い風が俺を包む

そしてレイブテクターが俺の身体に装着される


「夢創戦士(むそうせんし)ヴォルスレイバー見参!」


リュムールが驚いた様子で聞いてきた


「え?待って待って!キミ夢想水晶持ってないのに何で変身出来るの?そんなのボク聞いてないんだけど!」


「あぁ、ちょーっと修行してな、無くても変身出来るようになった、どうだすげーだろ?」


俺はニャリと笑ってリュムールを見た

まぁマスク越しなのでリュムールからは見えてないだろうけど


「ふーん、ボクに黙って修行したんだ?ふーんふーん」


おいおい、リュムールさんよ

こんな時に拗ねるなよ


「まぁ冗談はキミの顔だけにするとして」


そう言ってメアナイトへと向き直すリュムール

いちいち1言多いんだよなリュムールは……


「ほぉ?これは面白い、夢想水晶無しで変身しましたか、ならば私も少しだけ本気で行かせて頂きましょうか!」


メアナイトが印を組む

そして下から風が吹き上がりメアナイトの周りに無数の石が青く光りながら現れた

そしてその光がメアナイトを包む

やがて光が消えると

メアナイトの身体を鎧が覆っていた

一見すると俺のレイブテクターとそっくりな形をしていたが左右で異なる色だった


「夢愴戦士(むそうせんし)ヴォルスポワーン推参」


顔も同じ、変身後の姿や名前までそっくりときた

色々と思う事はあったが

まずは戦う事へと集中する事にした

油断出来ない相手ではある事には変わりはない


「ねぇねぇ、なんでアイツの鎧キミと似てるの?」


リュムールが俺に問いかけた


「さぁな?俺と同じ顔ってのも気になる、まぁコイツぶっ倒せばわかるんじゃね?」


「貴方達さっきからごちゃごちゃとずいぶんと余裕ですね?さてその減らず口がいつまで続くか楽しみです」


そしてもう1人の俺が間に割って入ってきた


「おいおいおい、俺様を差し置いて勝手に祭り始めてんじゃねぇぞ?さっさと俺様も混ぜろや!おいお前達よーく見やがれ!」


するともう1人の俺は首からペンダントを取り出し

空に掲げた

ペンダントは光りを放ち

その光の中から鎧が現れ

もう1人の俺の身体を包みこんだ

その鎧は俺のレイブテクターそっくりだが顔や胸の形状が違っており

また色も黒、紫、赤を基調としたカラーリングだった


「ハーッハッハッハ!夢葬戦士(むそうせんし)ヴォルスシューマ様の参上だ!」


「お前!なんで⁉」


驚いた俺が問いかけた


「良いか?ヴォル野郎!お前が夢を創る戦士を名乗るのならば俺様は全ての夢を葬る戦士だ!よーく覚えてやがれ!そしてこいつは俺様に忠誠を誓った人間様に作らせた代物だ、性能は……そうだな!まずはお前達で試させて貰うとすっかな!誰でも良いぜ?真っ先に死にたい奴からかかってきやがれ!何なら全員まとめてでも構わねーけど?ハーッハッハッハ」


「フフフ…ハッハッハこれは面白い、今までこのようなパターンはありませんでしたよ、ヴォルスシューマと言いましたか?貴方を放っておいて正解でしたフフフ…本当に素晴らしい、どういう運命の巡り合わせか、ここに3人の《むそう戦士》が対峙しているとは……面白い、こんなに面白い事は初めてです!死神さん、貴方には感謝しないといけませんね、彼をここへ導いて頂いて本当にありがとうございました、お礼として全員まとめて本気でお相手しましょう!」


そしてその様子をずっと見ていた紫苑が動く


「一斗、リュムール、俺に合わせろ。一気にケリを付けるぞ!」


いつしか紫苑の手にはかなり大型の剣が握られていた

俺とリュムール、そして紫苑

その前方左にはヴォルスシューマ、前方右にはヴォルスポワーン

それぞれが仕掛けるタイミングを伺っていた

やがてしびれを切らしたヴォルスシューマがヴォルスポワーンへと向かって攻撃を仕掛けた

そして紫苑が叫ぶ


「今だ!俺に合わせろ!」


…………続く

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